プロローグ【幼い日の約束】
プロローグ
小さな子供が、泣いている。
ボンヤリと眺めながら僕は思った、だが僕はそんな子供を慰めには行かない。
別に僕が、「ガキのお守りなんて面倒くさいから、やだ。」という訳ではない。
なぜなら今、僕の目に映っている光景はすべて夢で、泣いている子供は幼い頃の僕自身だからだ。
だから僕は、ただボンヤリとこの光景を眺めながら目が覚めるのを、待っていた。
だが、そんな光景に変化が訪れた、子供の横に青年が現れた。青年は、子供と同じ目線になるように、しゃがみこむと子供になにやら話している。
僕の耳には、青年の声が良く聞こえなかったが、青年の最後の言葉は良く聞こえた。
「じゃあ、約束だ。必ず迎えに来る。期限は君の・・・・」
どうゆう意味だろうか、何を子供は約束したんだろうか。
そんなふうに、考えているとだんだんと意識が遠のいていくのと同時に耳元で騒がしい音が聞こえてきた。
遠のく意識の中で青年の言葉が続く。
ああ、目が覚める。
今日は、僕の
「十八歳の誕生日、迎えに行くよ絶対に。」
十八回目の誕生日だ。
僕は、何をあの青年と約束したんだろう。
「結婚しよう、必ず。君が忘れても、僕は忘れない。絶対に。」
何かが始まる。