04.覚悟を決めよう
★☆★ そのまま、おっさんデブータ視点 ★☆★
デブータ有罪! 無期懲役!
見える、見えるぞ! 俺の未来の姿がはっきりと!
女の子というものは、たとえ相手がお医者さんだったとしても、絶対に見られたくないものがあるのだ。
それなのに肌に触れてしまうなんて、トラウマになってもおかしくない。
たとえ見てなくても『見ようとした』、これだけで完全アウト。
ダテに小学校のころから、「相手の気持ちになって考えなさい」これが得意分野だったわけじゃない。
医者どころか相手は俺。
ここで「どうせ有罪だから」と自暴自棄になるのは馬鹿のやることだ。こうなったらもう、相手の気持ちに全力で寄り添って、なんとか死刑を許してもらう、これしかない!
未だに分かってないジジイがたまにいるけれど、俺はオッサン。コンプラとかハラスメントの教育はしっかり魂に刻まれているのだ。
そこでハタと手が止まった。
けがの手当てをする。これはいい。
見ないように、傷を手探りで治療……怪我してるところをグリグリすることになるぞ?
詰んだ……。
これはもう、死刑は覚悟するしかない。
いいじゃないか、どうせオッサンだし。大した人生送ってない。
それでも柔肌は見ない、多分見えちゃうけど見ない……気持ちの上では!
そしてできるだけ触れない……触れてしまうけど、触らない!
……よし、オッサンとしての覚悟が決まった!
そうだ、俺は医療用ロボになるのだ。
終わったら間違いなく廃棄されるけどな!
★☆★ 少年じゃなかった、女騎士アデラ視点 ★☆★
私の防具も短剣もすべて人食い鬼に奪い取られた。
チラチラと薄目を開けて見ていると、私の首筋を血走った目で真剣に凝視している。
駄目だ、食い殺される!
もう逃げられない!
抵抗するか? 武器は……ない。素手で? どうやって?
ああ、どうせならカジるんじゃなくて、一口で丸飲みにして!
でも人食い鬼はなぜか噛みついて来なかった。
その代わりに私の体に、油のようなものを塗りたくり始める。
まったく、とんでもなくひどい臭いだ。人食い鬼にとっては、これがいい匂いなのかもしれないけど。
まさか調味料……。
人食い鬼……思った以上にグルメだ!
腕や背中、腹、そして足と、全身いたるところがドロドロした油で味付けされていく。
私を下ごしらえする間、人食い鬼は何度も背中を見せている。それなのに……
こいつ、恐ろしいほどに隙が無い……。
まったく無い。
はっきりとわかる。
たとえ後ろを向いていても、私の一挙手一投足を、ずっとくまなく見張っているかのようだ。
それは圧倒的な生命力の違い。
ヘビに睨まれたカエルとは、まさにこのことだ。
油を塗り終わったのか、人食い鬼はまるで嵐のような音を立てて一息ついた。
そして……部屋を出ていく? なんで?
理由は分からないけどチャンスだ! これを逃したらもう後が無い!
私はベッドからパッと飛び起きた。
女騎士アデラ、逃げ切れるか!
応援してくださる皆さん、ぜひとも★感想と評価★をお願いいたします!




