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婚約破棄された女騎士、転生者でデブのオッサン(オグル風・無害)に突撃してしまった! これは詰んだか?  作者: 大沙かんな
第一章 出会い、それは運命を変える魔法

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12/16

12.そりゃ、おかしい

★☆★ 女騎士アデラ視点 ★☆★


 翌朝、アデラが目を覚ますと、枕元に自分の服が丁寧にたたまれて置かれているのに気が付いた。


 広げてみると、破れていたところも綺麗に(つくろ)われている。


「デブータ、髪の編み込みといい、料理といい、裁縫といい、人食い鬼(オグル)のくせに、なんで私より女子力が高いのよ!」


 それだけじゃない。掃除・洗濯だってしっかり行き届いている。その上であの強さ。


 見た目の問題だけじゃなく、別の意味でも化け物だ。



 あまりの能力差に歯噛みしていると、部屋の扉が叩かれる。


「朝食だが、ここに運ぶか? それとも台所に来るか?」

「あ、行きます。着替えるのでちょっと待ってください」


 急いで繕われたばかりの服に(そで)を通す。


 かぶっていた毛皮を寝床の上に畳みながら、ふと疑問に思う。


「ここってデブータのベッドよね、あの人どこで寝たのかしら?」


 いや、そんなことは後にしよう。あまり待たせるわけにはいかないしね。



 朝食はパン、と呼ぶにはあまりふっくらとしてない、薄くて丸い変わったパンだった。


 それに焼いたお肉やチーズを乗せて食べるらしい。


「…………っ!」


 だからなんでこんなに美味しいのよ!


 もしかして魔法? まさかそんなことはないわよね。



★☆★ おっさんデブータ視点 ★☆★


 朝食はピザっぽいものに具材を乗せて軽く焼いてみた。


 やっぱり旨い物ではないけれど、そこそこ食べられるようにはなっているはずだ。


「……魔法」


 ちょっと待て、今なんて言った?


「アデラ、魔法なんてあるのか?」


 ここは間違いなく異世界。


 今まで魔法なんか見たことは無かったけれど、もしかしたらあるんじゃないか。ずっとそう思っていたのだ。


「い、いえ、ただ何となく、思っただけです……」


 そうか、アデラも知らないのか。


 それはちょっと残念だ。



「あの、デブータは冒険者なんですよね?」

「ああ、そうだぞ」


「もしかして上級、いや特級なんでしょうか?」

「いや、違う」


「まさか超特級……」

「ははは、違うって。ただの下級だ」


 冒険者にはランクがあり、下から下級、中級、上級。さらにその上は特級、超特級と別れている。


 俺はその一番下。ただのしがない下級冒険者だ。


「そんな馬鹿な……あの強さで……あり得ない……」

「そう言ってくれるのは嬉しいが、まあ冒険者なんてそんなもんだ」


 強さだけなら中級はギリギリ行けたかもしれないけど、強さだけで決まるもんじゃないしな。


 冒険者ギルドに行ってみれば、多分納得できると思う。


 そう言えば剣を売らないといけないし、そろそろ小麦粉の仕入れも必要だ。


「怪我が大丈夫そうならだが……、町、行ってみるか?」


女騎士! 逃げるなら今だ!


アデラを応援してくださる皆さん、ぜひとも★感想と評価★をお願いいたします!


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