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プロローグ

拝見して頂きありがとうございます。楽しく読んでいただけたら幸いです。

エルディア大陸――この地には、実に多くの種族が共存していた。


洞窟で静かに暮らす「ゴブリン族」。

採掘や鍛冶を得意とする「ドワーフ族」。

巨体を誇り、森を闊歩する「オーク族」。

草原を駆け巡る遊牧民「ケンタウロス族」。

生まれながらに魔力を宿し、あらゆる魔法に精通する「魔族」。

未知の技術を有する、謎多き森の民「エルフ族」。


そして――あらゆる種族の中で特筆すべき能力を持たないにもかかわらず、最も数を増やし、繁栄した「人間族」。


これらの種族は、長きにわたり平和に暮らしていた。


しかし、人類史935年。

突如として人類至上主義を掲げる「ヒューマニア帝国」が台頭する。

彼らは人間族以外のすべての種族を奴隷とし、エルディア大陸の統一を目論んだ。


ヒューマニア帝国は、魔法と科学を融合させた新技術を生み出した。

それにより、本来魔力を持たなかった多くの人間が魔法を扱えるようになる。

さらに、魔力の源とされる「魔素」が凝縮された鉱物――「マテリアル」を利用した「魔導兵器」を開発した。


この技術革新によって、かつて他種族より劣勢だった人間族は一気に勢力を拡大し、恐怖によって大陸を支配していった。


それから50年後。

その支配に抗うため、共存派のごく一部の人間族と小国家群が立ち上がる。

彼らは魔族を中心とした他種族と手を取り、解放軍を結成した。


やがてひとつの国を建国した。


全ての人々に希望の光を届ける。平和の夜明けとなる国。

その名は――「<Allzaria United Kingdom>アルザリア連合王国」。彼らは解放軍を設立し平和と共生を願うあらゆる種族のため、ヒューマニア帝国に反旗を翻した。


こうしてエルディア大陸には、「ヒューマニア帝国」と「アルザリア連合王国」という二つの巨大国家が並び立つこととなる。

互いの正義、そして種族の存亡を賭けた、長き戦争の時代――

「大陸断絶戦争」が幕を開けた。


歴史的に大きなシンギュラリティを迎えたこの戦争は、当初ヒューマニア帝国が圧倒していた。

多くの種族の血が、大陸を赤く染めようとしていた。


――しかし。

ある一人の存在が、アルザリア連合王国に希望をもたらす。


彼女は、魔法を使えなかった。

だが、鍛え上げられた肉体と、常軌を逸した身体能力を武器に、徒手空拳で敵を打ち倒していった。


その名は――「ガルデア」。


彼女の戦う姿から、人々は畏敬と称賛を込めて彼女をこう呼んだ。

――黄金の戦士――と。


数々の伝説を残した彼女の活躍により、戦況は大きく覆る。

そして人類史999年。

ヒューマニア帝国はついに降伏し、長きにわたる戦争は、アルザリア連合国の勝利として終結した。


英雄となったガルデアは、その直後、忽然と表舞台から姿を消した。


それでもアルザリアは大きく発展した新首都ランス。

今ではエルディア大陸随一の魔導科学国家として、他種族共存と平和の象徴として繁栄を続けている。


――それから30年。


戦火を越え、繁栄を取り戻したはずのアルザリアに、再び黒い影が忍び寄ろうとしていた。


挿絵(By みてみん)


「第一章 レオンとルシウス」に続きます。

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