96話 魔法が使えない俺と形勢逆転!
広い玉座?の扉が開いたけど、誰が入ってきたんだろう?・・・いや、気配で分かるね。
「たくやさーん!!地下の皆さんは助けました!!」
「よく分からない女をボコボコにしたのですー!!」
「よくもまあ、地下にあんな研究施設を作ったものね。あんなので魔力増強石を作れるわけないのに。・・・あ!!あなた様!!わたくしやりましたよ!!!褒めて下さいいい!!」
おお、アンジェ、ニナ、ミシアが入ってきたんだな!しかも、街の人たちを助けたってなったら、大金星だね。
「よくやったなみんな!!美味い物でも食いに行かないとな!!」
「美味しいものですか!?お刺身食べたいです!」
「肉なのですー!!」
「わたくし、おすし?に興味があります!!!」
っと、談笑してる場合じゃないな!炎の渦を何とかするか!ほいっと!
「ありがとう」
「いや、感謝するのは俺の方さ。リーナは強いな」
ん、リーナがちゃんと笑った姿を初めて見たよ、すげえ可愛いな。
さてさて、元騎士団長様はどうかな?
「・・・ハハハ、ハハハハハハハハッハハハハハハ!!!!!!!!!!!」
「あれが首席さんですか?変な格好ですね」
「なんか笑っちゃってるのです?」
「元団長エジールね。だから地下に元副団長様がいたのね。合点だわ」
アンジェ達は困惑してるよ。そりゃそうだ、あんなよく分らん化け物が、高笑いしてるんだし。
それにしたって笑い過ぎじゃない?そんなに面白いこと喋ってないんだけど。
「なにが面白い?笑い過ぎだと思うけど?」
「ハハハッは、ハハ、ハ、笑えるだろう。なんせ、こんなガキどもに俺の計画が泡沫になったのだからな、またやり直しだ。新しい街を探し、低俗な奴らを動力源に変え、圧倒的な力を手に入れ、世直しをする。それが全てパーだ」
・・・え、きも。
「へー、御大層な計画だな、どうでもいいし」
あー、くだらないなあ。
世直しだのなんだの、自分が気持ちよくなりたいだけじゃんね。
おっさんの自慰行為も大概にしろってな。
「どうしてくれるんだ?世界の秩序が悪化するんだぞ!?どう責任取ってくれるんだ!?!?」
「もーうるさいなー。おめーの快楽に付き合うつもりは・・・うん?」
リーナ?前に出てどうした?
「あなたを許さない。自分の欲求で街を壊した。お父様を殺した。あなたは快楽殺人犯」
おお、偉い人っぽい!なんかリーナがすごくカッコよく見えるぞ!?
「たくや」
「リーナ?・・・ああ、ご所望とあれば」
「次期首席として、エジールに判決を下す」
そうだね、これは偉い奴からの命令ってやつだね。
悪い奴は罰しないとダメだから、俺が折檻するってことで。
「小娘が、俺を裁くか?ガキの分際でか?お前は、どの立場から俺に物を言って・・・」
「死刑」
「りょーかい!」
剣を握って奴に接近。次期首席様の為に、こいつを処罰だ!
エジールも、飛ばされた剣を再度握って、応戦の構えだね。毛が逆立って、片翼をバタつかせて、尻尾も右往左往にぶらぶら。
剣と剣がぶつかり合って、弾いて、攻めて、守って。金属がぶつかり合う音が響いて、すげえ音が鳴ってるよ。
「ああああ!!殺す!!!下劣で馬鹿な愚民共が!!」
「おっさんさあ、いつまで自分が偉いと思い込んでるんだよ」
憤りで、剣の軌道が読みやすいね。そんな考えなしに振ってるだけじゃ、当たらないよ。
大剣を一回弾いて、隙をついて・・・ほら、まず一撃っと!斜めに斬れて、血が噴き出したね。
「ぐぅおああああ」とか言って呻いてるし。
「ぬん!ぬお!当たらん!当たらん!!おかしい!!おかしいのだ!!!」
「いやいや、おかしいのはお前だろ、っと!」
横薙ぎを伏せてかわして、逆袈裟っと!そら、もう一撃。
「あああぁあ!!何故分からないのだ!!底辺は害悪なのだ!!!魔力が低い奴は、犯罪者予備軍なのだ!!だから平和にならないのだ!!!」
あー、完全に頭イっちゃってるよ。もう陰謀論者のそれじゃん、言いぐさが。
アンジェ達もちょっと引いてない?
「なんか、あの人可哀そうですね」
「言ってることが意味不明なのです!」
「行き過ぎた正義は、悪になるを体現したような人ね。正義だと思い込むことが快感になるのよ。」
ミシアの言葉に一理あるかもなあ。真面目過ぎるのって、ダメなんだね。
「さて、元首席さん?そろそろ終わらせようか?」
「はあはあ、誰が、終わるだって・・・?こっちのセリフだ・・・!!!『炎撃絶影剣!』」
エジールが少し距離を取って、炎でできた自分の分身を5体くらい?出現させて、一斉に斬りかかってくると。
全く、学習しないね。
当たる瞬間、最初俺にやってきたときみたいに、緩急つけて時間差で攻撃してくるんでしょ?
そんなこと、無駄だって何回も教えてあげないとね。




