91話 魔法が使えない俺とキルスティンへの隠し通路
キルスティン手前、リーナに抜け道とやらまで案内してもらう俺ら。
近づくごとに、町の大きさが実感持たせてくるなあ。まあ、塀であんま見えないんだけどね?
道的にはキルスティン方面ではあるんだけど、ちょっと道からそれたところにあるみたいだね。塞がれてないといいなあ。
「そういえばさ、キルスティンって魔法のエリートがどうとか言ってたけど、具体的にどういう街なの?」
「魔法研究と魔法開発。あと魔道具新規作成とか諸々」
すらすらって答えるリーナ。
へー、魔法って研究するもんなんだ。てっきり自分で身につけて適当に発動してるもんだと思ってたよ。
「アンジェとかミシアの魔法って、我流とかじゃないの?」
「そうですねー、私の場合は参考文献とかですね。お父さんが本いっぱい持ってて、それを使ってる感じです。出版元はキルスティンだったはずですよ?」
「わたくしは、まあ才能ですね?天才なので」
思ったんだけどさ、ミシアって魔王の配下だったけど、この人もともと普通の人だったのかな?魔王から生み出されたとか、そんなんじゃないよな?
「ねえ、ミシアって・・・」って聞こうとしたら、リーナが「ついた」って知らせてくれたんで、聞きそびれちゃった。まあ、あとでいいか。
んで、ついた場所なんだけど、んー、なんもなくない?ただの芝生ってか原っぱ?草原?草だらけじゃんね。
「ここに抜け道があるの?なんもなくない?」
「見てて」
リーナが芝生の中に手を突っ込んだら、ガコン!って音がしたと思いきや、芝生が部分的にスライドして、地下への入り口が出てきた!
闇に繋がる階段っていうのかな?
すげー!!なんか、童心くすぐられる感じ!!
目線の先はもう真っ暗な感じ。俺は別に大丈夫だけど、他の人はここ歩くの厳しそうだね。
あ、ミシアがいた教会の地下に続く階段もこんな感じだったかも。
「秘密の入り口なのです!!」
「暗いですね。明かりがないと厳しそうです」
「わたくしが光を灯すから大丈夫よ。『ライト』」
ミシアが一言魔法の名前を言葉にしたら、掌から太陽みたいな球体が出てきたね。
はえー、便利。俺もやりたいそれ。
「それじゃ、中に入りますか」
俺が先陣切って、リーナを列の真ん中にして、ゆっくりと中に入ろうか。
◇◆◇
階段を下りてしばらく歩いてると、階段が見えてきた。
実際、抜け道の中はマジでなんもなくて、ただ空洞の一本道が続いてる感じ。
魔物の気配もないし、特段何もないみたいだな。空気が少し薄いけど。
「この階段上がったら、どこに繋がってるの?」
「塔の物置」
「そっか、敵と出くわす確率は低いかも」
とは思いつつも、一応何かあったら困るから、気配探知で様子を感じてみるか。
・・・うん、誰も居ないね。
こっから先は戦闘になりそうだし、気を引き締めないとね。
「そういえば、連れ去られた皆さんは何処に行ったんでしょう?」
「確かになのです。ろーやとかなのですか?」
あー、それ気になるかも。先に助けた後で倒すか、もしくは先に王手をかけるか。
「二手に分かれましょう?あなた様とリーナが上へ、わたくしとアンジェ、ニナは助けにいくというのは?」
「大丈夫?もし敵に囲まれたら困らない?」
ちょっと不安だな。人数が圧倒的に不利な状態で、女性3人に任せるっていうのも・・・
「大丈夫ですたくやさん!どーんと任せちゃってください!」
「ニナボコボコにするのですよ!」
「ってことです。あなた様、革命を起こしてください」
「・・・そうだね。頼んだよみんな」
「「「はい」」」って一言で、一斉に階段を上って天井をスライドさせる俺ら。
出てみると、周りは木箱とか剣とか槍とか、色々とものが乱雑にものが置かれてる空間。どうやら物置っていうのは正解みたい。
・・・誰か近づいてくる。一人だな。
皆に隠れるように促して、俺は迎え撃つ準備。要は闇討ちだね。
扉がギイイイイって開いて、光が差し込んでくるのを確認。闇に溶け込む俺。
なんかかっこいいな?今の言い回し。
よし、入ってきたな。
「誰かいるのか!?出てこい!!」
扉を閉めて。
「おい!!なんだ!?勝手に扉が、ぐむっ」
五月蠅い男だなあ。後ろから押し倒して間接きめて、首に剣を突き立ててっと。
「静かにしろ。俺の質問以外を答えたら、今すぐ首を跳ばす」
「な、なんだお前!!どこから・・・ヒッ」
おいおい、いうことぐらい聞けないのかあ?こいつ。
「分かるか?皮膚に当たる刃物の感触が。あと数センチ動かしたら死ぬぞ?死にたくないなら、俺の質問だけに答えろ、いいな?あと大声出しても殺す」
「・・・分かった」
さて、質問開始だ。




