表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/144

90話 魔法が使えない俺と前夜

イジャとの邂逅後、暫く歩いて今は夜。


森がひらけて、木々も減ってきた感じ?見通しがいいところで野宿するところだね。


焚き火の周りを囲ってる?俺ら。いや、囲うっていうより1対4の構図になってるね。


無論1はリーナ。


俺の左右と上にアンジェ、ニナ、ミシアが俺にずっとくっついてるもんだから、ちょっと辛い。


こっちはくだらない話をしてるんだけど、一方リーナは黙って本読んでるね?何の本だろう。


「リーナ、何読んでるの?」

「・・・令嬢伝説」


んー、墓穴掘ったな。俺本読まねえから全然分からねえや。


「あーそれ読んだことあります!良いですよね!それ!」

「アンジェ知ってんの?」


「はい!」とか言って、アンジェは内容をペラペラ喋り始めたよ。


なんか、貴族令嬢の両親が悪いやつらに殺されて、国を乗っ取られたと。


んで、逃避した所にたまたま伝説の聖剣が刺さってて、それを引き抜いたらめちゃんこ強くなって、悪い奴らに復讐するって話?らしい?


随分とご都合主義だなぁ。まあ、爽快感があっていいのか。


「そういうのが面白いんだ?」

「わたくしには理解しかねるわね」

「ニナ文字分からないのです!」

「面白いですよ!ね、リーナさん!」


リーナは無言。もしかして、面白いって感情も分からないとか言わないよな?そうなったらいよいよ俺、親の教育を軽蔑するぞ?


「・・・面白い、というか、この本の主人公。私と同じ」


やばい、なんも言えねえ・・・


リーナって目の前で親殺されてるんだよな?そしたら、本の令嬢と境遇が一緒だから、感情移入してるんだろうなぁ。悲しい。


でも、リーナはここまで一回も泣いた顔を見せないで、ずっと涼しい顔をしてるね。


普通だったら、親殺されて、国乗っ取られて、挙句の果てには殺されそうになってるんだぜ?泣くよな?


感情が無いとも受け取れるけど、本の令嬢と自分を重ねてるところを見るに、そんなことは無いんだろうな。


「なあ、リーナは何がしたい?復讐?それとも・・・」

「私は、キルスティンを助けたい。今のよりも自由な街にしたい」


驚いた、てっきり乗っ取った奴を殺したいとか言うと思ってたけど、見てる方向は違うみたい。


俺だったら、真っ先に殺すって言う自信しかないね。


「そっか、絶対叶えような、それ」

「そうですよ!私たちがお手伝いしますし!」

「ニナもビッグウェーブ乗るです!!」

「なによ、NOって言えないじゃないの」


なんだかんだ俺らが励ましたら、黙って俯いてしまった。


彼女はもしかしたら、シャイなだけなのかもしれないね。


そう考えたら、リーナがかわいく見えるな。


◇◆◇


次の日、森を抜けてしばらく歩いた時、奥の方にでかい街が見えてきたなぁ。


王都みたいなでかい城では無いものの、細長くて高い建物が目立ってて、それを囲む感じで塀がそびえたってるね。


「あそこがキルスティン?」

「すごい高い建物ですねえ!あそこに悪い人たちがいるのでしょうか?」

「高い高いなのですー!!」

「偉ぶってる奴は大体高いところから見下してるものよ。おそらく最上階でしょうね」


リーナの反応を見る限り、あの高い建物がある場所がキルスティンみたいだね。それに、高いところにいるっていうのも正解みたいだ。


でも、あれだけ厳重な塀に囲まれてるわけだし、恐らく出入り口も封鎖されてたり、門番とかいるよな?


そうなってくると、どうやって中に入ろうか?って問題があるね。


別に俺一人だったら強行突破で、正面から突っ込んでもいいんだけど、いかんせんリーナがいるからね。


仮に強引に入ったとしても、敵に囲まれ足りでもしたら、誰かしら危ない目に遭いかねないから、さてさてどうしたものか。


「多分門から入るのは愚策だよなぁ。どっかに抜け道とかあればいいんだけど」

「ある」

「あるの!?」


抜け道があるらしい。


確かにそうだよな、リーナが無事・・・ではないけど、逃げる時に態々門から逃げたら的みたいなもんだよな。


「私が逃げた時使った。バレて無ければまだある」

「それがいいわね。囲まれるよりはマシだわ。あ!あなた様が弱いって言ってるんじゃないですよ??」

「いいよ、フォロー入れなくても」


とりあえず、リーナに道案内をしてもらって、抜け道まで進もうか。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ