8話 魔法が使えない俺と雷帝剣
水晶ぶっ壊した俺に、誰か近づいてくるなぁ
「お前、どういう手品を使ったんだ?魔法が使えないゴミが、水晶を壊すだぁ?調子に乗ってんじゃねえか?」
「誰?いきなり難癖つけてくるとか、人格を疑うね」
「・・・ほう?口だけは一丁前なんじゃないか?」
「誰なのです?この人」
「分かりません」
なんか剣持った30歳くらいの人が近づいてくるけど、いきなり話しかけてきて難癖つけてくるって、結構やばいやつじゃない?
まともな人はどっかにいないのかな?
「おいおい、俺のことわからねえの?これだから魔法が使えないやつは・・・」
「自意識過剰なんじゃないの?」
「こ、この方は、Aランク冒険者のゼーンさんです!喧嘩を売らない方がいいですよ!」
「受付の嬢ちゃん、紹介ありがとな!分かったからAランクの俺に向かって、どの口聞いてんだって話なんだが??」
「俺はそんなの知らないのだが??」
この自意識はAランクとか言ってたけど、どんだけすごい肩書きなのか知らないし、選ばられても困るわー。
「は、ハハ!おいゴミ、表に出な!冒険者の先輩としてちょっとばかし『教育』が必要みてぇだからな!」
「ちょ、今のうちに謝ってください!この方の腕は一級品です!貴方じゃ足元にも及びませんよ!」
「そうなの?頭だけじゃなくて、腕も1級品ってすごいひとなんだね〜」
「あー、わかった。教育だけじゃ足りねえみてえだな?」
勝手に難癖つけられて、勝手に喧嘩を売られてしまった。
◇◆◇
「ダウンをとった方の勝ちだ。最もオメーみたいな貧弱そうなやつは、押しただけで終わりだろうけどな!」
「口より手を動かしたら?」
「たくやさん!頑張ってください!」
「ご主人様!!ファイトなのです!!」
「そうだなぁ、俺が勝ったらあの女2人貰おうか」
「頭沸いてるの?」
ゼーンとやらは減らず愚痴を叩きながら剣を抜き、俺もそれに合わせて戦闘体制に入る。
あー、こいつもダメだな、剣の扱いがなっちゃいない。
これは「教育」しないと。
「俺の別名は『雷剛剣』、もっとも俺の速さと火力の前じゃ、魔法の使えないお前なんて手も足も出ないだろうけどな!」
「あーはいはい・・・殺してやるからからかかってこい」
「・・・っ!」
ちょっと殺気を与えただけで後ろに下がるなんて、師匠が見たらお陀仏だよ。
俺はそんなことなかったけどね。
「こ、このゴミ野郎が!!!」
「は、速いのです!」
「とてもじゃないですけど、目で追えません!」
へー、速さ「だけ」は一級品?いや2級品かな?
師匠は早いどころか、瞬間移動するし。
剣と剣がぶつかり、火花が散る。
雷帝剣があらゆる空間から切り掛かってくるが、俺は自動操作の様に受け流す、弾く、かわす。
雷を纏った剣の応酬なんて俺には効かないね。
俺に戦闘を挑むってことは、魔法を抜いた本人の実力で勝負しなきゃダメってこと。
つまり、俺とお前はフェアな条件なんだよね。
「こ、この!!なぜ通らない!なぜ仰け反らない!!俺の雷帝剣をこうも!!!」
「あー、俺ってさ、魔法使えないけど、同時に俺に魔法は効かないんだよね。ということはさ、これは剣の実力勝負。つまり、今お前は剣の技量だけで俺と戦ってるってこと。わかる?」
「だ、黙れ!技量だと!?笑わせるな!ゴミの分際で!!!」
このゼーンとかいうやつ、剣の扱い方が全くわかってないな。
そりゃそうだよな、魔法に頼り切って本来磨かないといけない、自身の技術を磨いてないんだもん。
そら、こんな鈍みたいな酷い剣技になるよね。
「ねえ、もっと本気で剣をぶつけてくれない?これじゃあ勝負にもならないんだけど?」
「はぁはぁ!うるさい!!剣だと!?そんなもの、魔法の付属品に過ぎないのだ!!!」
あーあ、言っちゃったよ。
それ言ったら、お前はもう終わりってわけ。
「じゃ、魔法に頼り切ってる1級品さんに教えてあげるよ、基礎中の基礎ね」
「ぐぬぬ!なんだと貴様、うぉ!」
剣を跳ね返し、軽い剣を弾きながら、至って普通のことを言ってやる。
「はい一つ、剣の握りは軽くして、受け流していつでも反撃できる様に」
「うお!馬鹿な!次の手が速く・・・!」
「2つ、体重移動で間合いに入って、一気に攻める」
「この!ちょこまかと!!」
「そして3つ、懐に入って死角から斬る」
「魔法も使えないガキガァぁあ!!」
「あーあ、鎧壊れちゃったね。んじゃ、倒れようね」
うわー、のけぞった所を押したら盛大に倒れちゃったよ、痛そー。
まあでも、これで終わりかな・・・ん?
こいつなんで俺の足掴んでんの?キモいんだけど。
「油断したな、雷撃で死ね!『エレクトロ』!!!!!」
「はわ!ご主人様!!ず、ずるいのです!!」
「あんなの反則ですよ!」
「黙れ!このゴミも倒れればおしまいだろうが!!ははははははっっっ!!!!!
はー・・・人の話聞かないとダメだよねぇ
魔法効かないって言ってんじゃん。
「な!な!魔法が!!あ、ありえん!!魔法が効かない!!!」
「ご主人様!!!す、すごいのです!!!」
「たくやさん!!魔法を何事もなかったかのよつに!!素敵です!!!」
「だーから、言ったでしょ?効かないんだって」
捕まってる手を蹴って、剣を振り下ろす。
「殺してやるって言ったよね?」




