88話 魔法が使えない俺とゴーレム
急に俺達のまでに出てきたゴーレムに応戦する俺達。魔法が効かないらしいから物理でどうにかしないとね。
でも、斬れるかなあ?普通の岩だったら問題なく斬れるんだけど。
「とりあえず斬るか!『剣舞・牙陣烈斬!』」
思いっきり突進して縦斬りを、岩に向かって叩き込む俺。
岩は少しだが切れ目が入ってる様子。
でも、普通に岩を斬るよりはあまり刃が通らないっぽい。面倒だなあ。
おっと、俺を感知して腕を伸ばしてきたな!退避!
「岩なのに、刃物で切れ目を入れるなんて!流石あなた様ですわ!!」
「たくやさんすごいです!!」
「ご主人様ー!手が痛いのですー!」
剣で切れ目を入れただけで、そんな褒めないで欲しいんだけど・・・
しかし、普通の岩と違ってやっぱちょっと硬いかもなぁ。
まあ、普通に岩を斬る感覚でやったからそこまでだったけど、もうちょい本気出そうかな?っと、あぶね!
ちょっと油断したら、長い腕振り回して来やがって!
「わたくしも、あなた様のお手伝いしないとダメですね!『デモンズ・スワンプ』」
ミシアが魔法を発動したら、ゴーレムの足元がぬかるみ始めて黒い沼地が誕生。
その黒い沼地から黒い手が何本も出てきて、ゴーレムを沈めようと沼地に引っ張ってる。
こっわ!なにあれ?しかも、ゴーレムが体勢崩して倒れたぞ?
無数の黒い手がゴーレムを引きづりこもうとしてるけど、流石にそれはさせないぞって感じで耐えてるね。
「ミシアさんの魔法すごいですね!でも、あのゴーレムに魔法は効かないんじゃ・・・」
「ゴーレムには効かなくても、地形は関係ないんじゃないかしら?」
あーなるほど、本体じゃなくて周りの環境を変えたってことね?元魔王配下ってだけあって、ミシアって実は強いのか?
「ミシアすごいじゃん!!」
「はわ!!いや!!あなた様に比べたらもう!わたくし攻撃魔法苦手ですから!!!」
あー、だから前戦っても手応えなかったのか。納得納得。
でもまあ、動きが鈍くなった分、やりやすくなったかな?
「私も・・・!『スプラッシュ・ブラスト』!」
アンジェは水属性魔法?を発動させたと思う?
そしたら、ゴーレムの頭上から滝よりも激しい激流が、螺旋状に先端を尖らせて、螺旋状に回転。
そのまま、俺がつけた傷口にぶち当たってるね。
でも、魔法が効かないんじゃ・・・ん?効いてるっぽいぞ?
俺がつけた傷口あたりから、ヒビが入ってるような気がするよ?
「た、たくやさん!魔法が効いてますよ!」
「よかったわね、私の魔法で魔力耐性下がってるから。とは言っても微々たるものだから威力は申し分ないわね」
「あ、ありがとうございます!ミシアさん!!」
魔法が効いて嬉しそうなアンジェと、偉そうにするミシアの構図。
一見したら師弟関係っぽけど、ミシアって攻撃苦手ってさっき言ってたよな?なんで偉そうなん?
「やるじゃないかアンジェ!流石だな!」
「あ、いえいえ!全然大したこと・・・」
「あなた様!!わたくしのお陰なんですけど!!」
俺がアンジェを褒めたら、何故か張り合ってくるミシア。んー分からん。
まあまあ、そんなことはどうでもよくて、ニナはと言うと、あらゆる所を満遍なく殴る蹴る。
ミシアとアンジェの魔法の効果なのかな?さっきと違って、所々綻び始めてるっぽい。
「ご主人様ー!ニナの攻撃が効いてるのですよー!」
「おー!ニナもやるなぁ!んじゃ、俺もやっちまうかな!!」
思いっきり地面を蹴り上げて『縮地』で接近。腕の振り回しが当たらないように、ゴーレムの周りを三次元的に走り回ると。
んで、端から順番に切り落としてやるよ。
『剣舞・水鳥流牙』
さっきは軽く切ろうとしてミスったから、今回はそれよりも力を入れながら振らないとね。
「速すぎて、たくやさんが見えません!」
「目が回るのですー!!」
「あんな硬い岩を、刺身のように斬るなんて!!あなた様流石です!!」
そこま難しい事でもないんだけど・・・
ま、これでゴーレムはバラバラになって、ただの石っころの山になったね。終わり。
ふう、剣が折れなくてよかったよ。今まで折れた事は無いけど。一応ね?
ん?なんだリーナ裾引っ張って?
「どうした?」
「あなた強い」
「まあまあ、ちっさい頃からずっと修行してたからね。あと、一息つくのはまだ早いよ」
「?」
俺は気づいてたのよ。ゴーレムの影にいたあいつの存在を。
あれ多分悪いやつかなー?
「たくやさん、どう言う事ですか?」
「むむ、悪い臭いがするのです!」
「この気配は・・・」
ニナとミシアは気付いたみたいだね。よくもまーこそこそ覗き見してたもんだな。
「誰?お前」
目線の先、木の影に隠れてた気配が姿を現した。
張り付いた嘘くさい笑顔を貼り付けた、30代前後の男は浅いお辞儀で返してきたね。
「バレた?いやいや、お見事」
「誰だって聞いたんだけど?」
「そこのミシアは知ってるんじゃないかな?」
一斉にミシアを見たら、あの男をじーっと睨んで歯軋りしてるよ。そんなに?
「奴は『イジャ』。魔王幹部の1人よ」




