82話 魔法が使えない俺と過去の騎士団
ミシアと別れて、俺達は、王都騎士本部の研究部に行くことにしたよ。
ロビに聞いたら、この欠片がどういうものか分かるかもしれないし、場合によっては、あの女の子がなんで追われていたのか分かるかもってことだね。
さて、バカでかい本部まで来たなあ。ゆうて、サリスを連れてったからさっきぶりか。
研究部に足を運んでるんだけど、研究部ってどこだったかなぁ。まあ、気配探知で気を探ればすぐ着くんだけど・・・って思ったらフィラじゃん。
「あら?たくや様方、さっきぶりですね?」
「ああフィラ、研究部ってどこだっけ?ロビに会いたいんだけど」
「ロビなら今、研究に没頭してますから、多分お話聞けないと思いますよ?あの子、一回興味を持つと何が何でも離れませんから」
そっか。
確か、龍眼石と転移型どーのこーのの研究してるんだっけか。忘れてたよすっかり。
「仕方ないですね、たくやさん引き返しましょうか」
「・・・ちなみにどういった要件でしょう?」
「ああ、実はね」
ミシアの見解含めて、俺は今まであった出来事をフィラに伝えた。
ああ、この人一応団長だから、なんか知ってるかもしれないね。
「魔力増強石と魔導玉ですか・・・」
「フィラ知ってる?」
んーちょっとだけ険しい顔してるかも?なんか思い当たる節があるのかも。
「ええ、話すとちょっと長いので、わたくしの部屋まで来てくれます?」
「わーい!フィラのお部屋なのですー!」
「騎士団長の部屋ってわくわくするよね!ボラも早く偉くなればいいのにー!」
「フフ、大したものありませんよ?」
◇◆◇
ってことで、フィラの執務室っていうの?に来た俺ら。
本棚とか勲章とか謎の絵画とか置いてある辺り、フィラってすげえ奴なんだなって再確認させられるような部屋だね。
んで、椅子に腰かけてフィラの話を聞いた俺。
フィラが長々と話すもんだから、搔い摘むとこんな感じ。
10年くらい前に、とある村で魔力増強石みたいなやつを作ってたと。
でも、製造方法が人間を使った実験みたいな?非人道的なものだったみたいで、村人全員がそれに関与してたと。
それを嗅ぎ付けた王都騎士が村を焼き払ったみたいだよ。
でも、その作戦を強行したのはフィラじゃなくて、前の騎士団長なんだって。
その村は壊滅して、めでたしめでたしって感じだと思ってたんだけど、この作戦って騎士団長周りのごく少数しか知らない作戦で、公にされてなかったと。
理由は王様とか大多数の騎士に止められるからだとか。
だから、その村にいた騎士の家族も死んじゃったことで反感買っちゃって、騎士団長及び作戦参加者は数年後にクビ。
その家族を失った騎士も騎士団やめちゃったから、今は何してるか知らないらしいよ。
その後に任されたのが新人のフィラ。その後サリスが入ったって感じ。フィラ、新人だったのに、速攻で騎士団長になるってすごくない?
しかも、首謀者は見つかってないんだって、怖いよね。
そもそも、誰が村の闇をリークしたのかってのも分からないらしい、何とも不思議な話だよなあ。
ざっと聞いた感じこんな内容だったね。
いやー、昔の王都騎士もそうだし、その村も闇が深いよなあ。
「たくやさん、今の話ってもしかして」
「アンジェ?何?」
「これ、バーグさんの故郷の話じゃないですか?」
「・・・うお!!マジか!?」
そうだ!これってアンジェと会った時にぶっ倒した、元王都騎士バーグの村じゃねえの!?
確かあいつって、王都騎士に村を破壊されて、原因がアンジェの親父だって誤解して、復讐しようとしたんだったよな?
うわー、ここでつながってくるのかぁ!!
前の王都騎士もやべーけど、あのおっさんも大概やってることやべーよな。
「バーグ・・・確かに、辞めた騎士の名簿に入ってた気がします」
「ねえねえ!バーグって誰??」
「ニナ知らないのです!」
「あーそれはねー」
とりあえずみんなに、あの出来事を端折って説明したけど、結構みんなアンジェに同情してるみたいだね。
「むぅ、アンジェさん可哀そうなのです!」
「そうだよ!おっさん成敗して正解だね!!」
「でも、たくやさんが解決してくれましたし、今は幸せですよ!ねー!!」
「そうだけど、アンジェ苦しいよ」
アンジェが笑顔で俺にギュッと抱き着いてくる、それはもうすげえ強い力で。
あ、時止まった。フィラが止めたんだなあ。迎えにいるフィラが黙って立って、俺の後ろに回り込んで?
アンジェの身体を俺から離して・・・え、何でお前が後ろから抱き着いてくんの?
ゴーン
「しかし、当時の事件の犯人は捕まってません。もしかすると、その欠片と犯人に関連性があるかもしれませんね」
「あ、ちょ!フィラさん!!時止めないでください!!」
「わわ!フィラが瞬間移動したのです!」
「え!!なに!!どうなってるの!?!?」
そんなわけで、一通りお話が終わって今日はどっかの宿に泊まることにしたよ。
どのみち、あの女の子が目を覚まさないと、どうにもならないからね。




