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75話 魔法が使えない俺と魔王の配下トリシューラ

・・・ちょっと前


あれ、でけえ白い三つ首ドラゴンが、おっさんと娘に口から魔法攻撃を浴びせてな

い?


しかも、ちょっとずつ凍っててないか?これはマジで、やーばいね!


「あ、ちょっとごめん!やばそうだから先に行くわ!」


ぐずぐずしてらんないね!とっとと二人の加勢に入らないと!


「ちょ!たくやさん!?」

「たくやくーん!早すぎィ・・・」

「ご主人様はマッハなのですー!!ニナも全力疾走なのですよ!」

「たくや!ったく、急がば回れという言葉を・・・っくしょん!」


サリス風邪ひいた?まあいいや。


『縮地』で全速力!早くしないと二人纏めて氷像になっちゃうからね!大変だ!


◇◆◇


・・・んで今ってわけ。


俺があのドラゴンと戦ってる間、アンジェ達にはおっさんらを守ってもらうと。


凍結系のモンスターも寄ってきてるみたいだしね。


で、トリシューラ?って言ったっけ?


魔王の配下のドラゴンは、やたら無駄にかっこいい名前だよなあ。その癖に大した強くもねえし、どうなってんの?


まあとりあえず急接近して、斬りつけるか!よっと!


「ぐぅおおお!!なんだ貴様は!!我の身体に傷がつくだと!?」

「え?斬れてるけど、どういうこと?」

「・・・この!舐めるな小僧!!」


怒ったからか知らないけど、トリシューラの周りに大量の氷のつぶてが現れて、一斉に俺目掛けて発射してくるね。


それに加えて、感情があるのかないのか分からない左右の頭も、発射される氷軍に連動して、俺に食らいついてくる。


必死じゃん?おー、こわいこわい!当たらないんだけどね?


『剣舞・水鳥流牙』


向かってくる氷の大群を、全て粉砕しながら左右のしなるドラゴンヘッドを紙一重でかわしてくと。


んで、すれ違い様に食らいついてくる左右の頭に剣を突き立てて、難なくぶっ刺してみる。


「ぐぁああああああぁぁぁ!!!ちょこまかとこの人間がぁ!!」

「あ、痛い?おっと!ノーモーションでブレス吐いてくるのはやめてよね」


左右の頭を俺にぶつけようとすると、上手くかわされてカウンターを喰らう事に怯えたのか、三つ首から冷凍のビームを乱れ撃ちしてきたね。


危なそうなのは剣で防いで、それ以外は基本普通に避ける。


まったく、腰抜けだなあ。


『空蹴術』で空を蹴って、右側から伸びるドラゴンの頭に着地。


そのまま目ん玉向かって剣をぶっ刺す!うわ痛そー。


「貴様、本当に人間なのか!?その身のこなしに、魔法を一切受け付けないその能力・・・まさか、貴様は」

「うーん?俺の事知ってるの?」

「魔王の配下を次々なぎ倒し、あろうことかマイフ様と互角にやり合う人間の少年。お前なのか?」


おやおや、なんか俺のうわさが魔王の仲間たちに知られてるみたいだね。いやー有名人は辛いよ。


「あーそうかもしれないね?サイン貰うなら今がチャンスだよ?」

「ククク、クカカカカカカ!!!面白いぞ貴様!!いいだろう。我の最強魔法をぶつけたくなったわ!!」


なにが面白いのかは理解できないけど、氷の硬そうな翼を広げて空に飛びあがる。


そして、ある程度の高度になったとき、そこで静止したまま三つの首を一点に集中させ、膨大な魔力を氷に変換させてく。


その氷はめちゃくちゃでかくなって、三又の氷の槍が誕生し始めたよ。


かっちょいい槍だなあ。ああいう、とげとげしくて秀逸なデザイン、嫌いじゃないね。


「恐れ慄け人間!!!我が凍結最強魔法だ!!!地表に着弾した瞬間、ここら一体が氷河期に突入するぞ!!」

「すげーな!それ最初からやっとけばよかったんじゃないの?」

「クカカ!!初めて使う魔法だ!どうなっても知らんぞ!凍てつく波動を抱いて永眠するがいい!!」


言い回しが痛いなあ。


なんでこう、配下共はああいうセリフをなんの恥ずかしげもなく言えるかな?


んま、とりあえずやばい魔法らしいから一応構えとくか!


「死ね人間!!『シータ・トライシューラ』!!!」


すげえ密度の魔力が込められた、バカでかい氷の槍が、俺に向かって放たれる。


「たくやさん!」と後ろにいる各々が俺の名前を叫んで、心配してくれてるみたいだね。


まあ、普通の人だったら、あんなもん喰らったら一瞬でお陀仏だろうけど、生憎そんな簡単にやられるタマじゃないんでね。









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