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73話 魔法が使えない俺と氷の三つ首龍

魔王の配下を倒すために出かけたサレビアとその後ろを追うクレマと、更にその後を追う俺達って感じ。


早くいきたいんだけど、一人で突っ走って女性陣が迷ったら意味ないからね。ゆっくり走ってるよ。めっちゃ雪降って視界も悪いし、ニナはあまり鼻が利かないみたい。


「雪で、あまり前が、見えませんね!」

「冷たいよー!寒いよー!!どこまで走るんだよー!」

「走れ!出ないと2人が危ないぞ・・・ぶわっくぶわっくしょん!!!」

「雪の中走るのたーのしいのですー!!」


・・・彼女たち置いてっても良かったかも。


足跡も雪ですぐに隠れるし、あんまり前が見えないから、気配を探知しながら進んでるところだね。


あー、目隠しで森の中を全力ダッシュした時を思い出すなあ。


今思うと、小さい子に対する巨乳師匠の修行って、結構鬼畜だったのでは?


んー、村を出てどこまで進むんだろうなあ。この先は・・・ん?あれか?


まだ、遠いけど人の気配と魔物の気配・・・あと聴覚を集中したら・・・ビンゴ。


あそこか!崖みたいになってるところ!!急がないと!


◇◆◇


「クカカ!!何しに来た!人間の娘。我の邪魔をしなければ、村に被害は出さないと言ったはずだが?」


私の前にいるのは、巨大なドラゴン。


身体はダイヤモンドよりも美しい白い身体。美しさから覗かせる恐ろしい3つ首と凍てつく翼。


身体から冷気を常に出しいて、ドラゴンの周りは凍てつき、刺々しい氷が辺りをより一層不気味にさせてる。


こんな、何もない崖に何があるというの?こんなところに巣くって、村に迷惑かけたこの配下を許さない!


この怒りをこの化け物にぶつけて、また花々しい村に戻すんだ・・・!


・・・この怒りは村を脅かしたこいつに対してだけじゃない。あの父親への怒りもあるんだ。


突然いなくなって、ずっと放っといたくせに、急に帰ってきて父親面して!あー腹立つ!!あんなやつ!・・・あんなやつ。


すまなかったじゃないわよ、何よ今更。お母さんがいなくなって、一人になって、どんな気持ちで・・・!


でも、お母さんが死んだ時に私が父親に・・・いや!!


そんなこと考えてる場合じゃない!目の前の諸悪の根源に集しなきゃ!


「うるさい!!あなたをこれから倒すのよ!」

「クカカカカカ!!!倒す!?馬鹿な娘だ!!何もしなければ、貴様は死なずに済んだのにな!!」

「舐めないで!私が村で一番強いんだから!!」

「フハハ!じゃあ見せてもらおうか!!」


3つ首がそれぞれ異なる挙動で、私をあざ笑うかのように、気色の悪い動き方をしてる。


ふざけるんじゃないわよ・・・!


「氷像にして、崖から落としてやるわ!!」


ぐっ!すごい圧・・・!翼をなびかせただけなのに、身体が吹き飛んで、今にもバラバラになっちゃいそう・・・!


怖い、死にたくない。でも、村を守るため、みんなを救うため!勝つんだ!!


「うおおおお!!『イラプション!』」


相手は氷属性の魔物。なら、こっちは火属性で対抗するだけ!とかしてあげるわ!!


「まだまだ行くわよ!!『フレイムドライブ!!』、『ファイアトルネード!』」


3種類の火属性魔法を放って、氷のドラゴンに対して間髪入れずに攻撃!攻撃することすらさせない!!


「どう!!私の魔法に手も足も出ないでしょ!!」


連続で魔法を放ち、ドラゴンの身体がひたすら爆発を続ける。その爆発はもう、身体が火炎で見えなくなるくらい!


魔力がなくなるまで、ずっと撃ち続けていれば、いずれあんなドラゴンなんて氷解するわ!

簡単じゃない!何が魔王の配下よ!私の魔法になんの抵抗もできないんだから!


・・・はあはあ、ひとしきり使ったかしら。爆発の煙で見えないけれど、あれだけ攻撃したんだもの、もう跡形もなく・・・


「終わりか?」


「え」


煙からシルエットが、身体がどんどん現れてく。煙が晴れて姿を現す。


「終わりなのかと聞いている。どうなんだ?まさか、今のが全力とは言うまいな?」


効いてない・・・全く。


傷一つ、ない。


嘘、嘘!だってあれだけ受けてるのに・・・!


「残念だ、人間の娘。あんなもので勝てると思ったか?」


怖い、怖い・・・


腰が抜けて、立てない。冷たい・・・寒い・・・


血の気がサーって・・・


「まあ、花火を見れたと思えば、暇つぶしにはなったがな」


助けて、誰か・・・


「村を代表してきたんだよな?では、貴様を殺した後、村を破壊するとしよう」


やめて・・・誰か・・・


「最後に言いたいことはあるか?人生最後の言葉だぞ?」

「あ・・・あっ・・・」


声が出ない。


怖いの。


助けて。


ごめんなさい、ごめんなさい。


「そうか、ではさらばだ」


3つ首の口元がそれぞれ発光する。


見たこともない膨大な魔力が膨れ上がる。


あ、私死ぬのね。


こんなことなら、あの父親に一言、言っておけば良かった。


ごめんなさいって。


目を瞑り、覚悟を決める。


・・・





「ぬおおおおおおお!!!!!!!!!」


・・・死んでない。


大きな声に目を開ける。


チカチカしながら見える、大きな背中。


嫌い、嫌い!でも・・・


でも・・・!


「大丈夫か!?サレビア!!!!ぐ、ぬおおおおおおおおお!!!!!」


こんな時はいてくれるのね。
















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