71話 魔法が使えない俺と花の村カサブラ
「たくやさん!そちらにホワイトウルフが!!『ファイヤーボール!』」
アンジェから一応報告を貰って、白い中型狼共に備えて剣の準備。
にしても、10体くらいいるんじゃない?まあ、大したことないけど。
「あいよー!みんなも気をつけてよっと!」
「ニナファイヤーパーンチ!なのですー!!」
「私も負けてられないね!『スカーレットフィンガー!』」
「危ないぞお前ら!!うおおおお私の聖剣!!エクスかりb」
俺が大体5体くらい斬り伏せて、アンジェの魔法で1体、ニナの灼熱パンチで1体、ミュラの紅蓮の爪で2体、サリスの巨大剣で1体って具合で、白ウルフ君たちを一網打尽にしたところ。
護衛して3日目の朝、もうちょっとでカサブラに着くところで、チラチラ魔物と遭遇してなぎ倒してるんだけどさ。
それはそれとして、なんでこう凍結系モンスターが多いのかなあ?
「なあ、凍結系モンスター多くない?」
「不思議ですね。ここら辺って凍結系の魔物なんていないと思うんですけど」
「うーん、暖かくても大丈夫な凍結系モンスターなんじゃないかなー?」
俺の問いにまともに答えてくれるアンジェとミュラ。
それに反してニナは馬車の周りを走り回ってるし、サリスは1体しか倒せなかったから悔しがってるし、もうちょっと会話に入ってほしいなあ。
んま、考えても仕方ないしカサブラまでラストスパートだね。今日がクレマの娘の誕生日だし、早めに進んであげないと。
◇◆◇
んで、カサブラに到着したんだけど・・・え、ナニコレ?
「えっと、カサブラってこんな感じなの?おっさん」
「・・・馬鹿な、どういうことだ」
ニナを除いて、俺達は村の光景を見て驚いてる。なぜかって?
村にだけ雪が降ってるからだよ。
しかも、村の周りは全然雪ないのにだぜ?不思議だねえ。
花の村なのに、花なんて言葉と程遠いレベルだよこんなの。
「わーい!白いのですー!冷たいのですー!」
「不自然過ぎませんか??村だけ雪が降ってるなんて、天気がおかしすぎますよ」
「そうだね、っくしょん!あー寒い寒い!私、寒いの苦手なんだよー」
「カサブラは今、魔法の花の収穫期だろう?こんなに寒いはずがない。・・・ぶわっくしょん!!!!!」
女性陣もやはり異様な光景だってわかってる感じだね。
サリスとミュラはもうブルブル震えてるよっておい!おっさん走るなよ!
「おっさん!ちょ、待てよ!」
「あ、たくやさん!」
とりあえず、おっさんの背中を追いかけて、後に続いて4人もついてくるね。
まあ、別に急がなくても気配を読み取ればどこにるかって分かるんだけどさ、なんとなくね。
にしても雪積もってんなあ、あちらこちらの建物も雪が乗っかってるし、みんな除雪してるよ。
至る所が雪景色で、ちょっと幻想的だなあ。
俺雪見たことないからちょっと興奮してるかも。寒いけどね。
村の奥の方を見て見ると、なにやら白い平原が見えて、建物が一切ない開けた場所があるけど、あれってもしかして花畑?
うわー、収穫時期にこれはきついなあ。
・・・もしかしてさ、凍結系モンスターが多いのってこれのせいってことは、ないよね?
んま、それはともかく、足跡たどれば、クレマがどこにいるか分かるから、意外と追跡は簡単だね。
◇◆◇
暫く走ったら、なんとも豪華な白いお屋敷が出てきたね。足跡と扉が開いてるところを見るに、多分この屋敷がおっさんと娘の家なんだろうね。
よしよし、4人ともついてきてるみたいだね。
「はあはあ、疲れました・・・」
「雪楽しいのですー!ブーン!!」
「寒いよー!寒くて死んじゃうよー!」
「たく、皆こんな緊急事態なのに気が緩んで・・・ぶわっくしょん!!!!!!!」
・・・まあいいや、おっさんが入った屋敷に入ろ。
ギーッって扉あけて中を覗いたら、あらま豪邸。シャンデリアやら金の装飾やら、豪華絢爛が俺の目を刺激して、超痛いよ。
その中で、息を切らしてるおっさんと、メイドっぽい女の人と・・・おっさんに向かい合ってるのが娘かな?
金髪のロン毛で、赤と青の花飾りをつけてる可愛らしい女の子。親子で全然似てねえなあ。
あー、やっぱりちょっと険悪かも、娘は怒鳴ってるしおっさんは言い返せないし、メイドは困惑してるし、俺らも介入した方がいいのかなあ。でも、家庭の問題だしなあ。
「すまなかった・・・」
「今更帰ってきてなんなの!?私が帰ってきてくれって頼んだ!?ここにあなたの居場所はないのよ!!」
「サレビア・・・話を・・・」
修羅場ってこのことなのかなあ。一旦、一旦見守っておくか。




