68話 魔法が使えない俺と護衛任務
ギルドに帰ってきた矢先、嬢から再び依頼を任される俺は、貴族の護衛任務をするらしい。
この貴族とやらは、辺境の田舎貴族らしく?長い間田舎から離れて、王都に住んでいたらしい。
まあそんで、一旦田舎に戻るって事で、その道中を守りましょうって感じだね。
俺らじゃなくても良くない?
ってことで、王都の出口にその貴族がいるから、早速向かった俺らを待ってたのは、馬車とサリス。
んで、厳格そうなおっさんがいましたと。
「あれ、サリスいたの?」
「なんだとたくや。私は王都騎士副団長だぞ?護衛なんて当たり前だろ!」
「でもサリスさん、お仕事大丈夫ですか?」
「・・・当たり前だ!仕事は終わらせてきたからな!」
ちょっと間が空いたけど、胸を突き出してドヤ顔してくるこの副団長様。
どうせ戦力外通告受けたんでしょ。
「アンジェさん、サリスは窓側だから仕事ないのです」
「あ・・・サリスさんすいません。」
「やめろ!!私を可哀想な目で見るな!!やめろぉ!!」
その様子を静観してるのは俺とミュラ。
ミュラはもはやサリスを可哀想な人と認識して、見守ることにしたみたいだね。
「と、とにかくだ!この方が、これから私達が行く『カサブラ』の地主貴族、『クレま』様だぞ!さっさと頭下げろよ!!」
「サリスさぁ、うるさいよ」
改めておじさんに挨拶してすると、厳格な感じを醸しつつ、「うむ」とひと声。
んで、俺のことジッと見てくる。俺になんかついてるか?
「君、たくや君だったか?魔法が使えないんだってね」
「そうだけど?」
「わたしは、カサブラに必ず戻らねばならないのだ。魔法も碌に使えないヒヨッコに、護衛が務まるのかな?」
「ちょ、たくや君は強いんだからね!?」
「そうですよ!これ以上護衛に適した人いません!!」
「ご主人様が舐められてるのです!」
別に魔法が使えない云々は、もうそろそろ言われ慣れてきたからいいんだけど、それにしたって言い方うざいなぁ。
「フン、どうだかな。サリス副団長、出発するぞ」
「お、あ、はい!ではこちらへ!」
なーんかイケすかないおっさんだなぁ。んまあしょうがないか、安全に帰りたい気持ちが強いんでしょ、多分な。
「たくやさん!わたしはたくやさんの味方ですからね!」
「ご主人様が一番なのです!」
「あのおっさんも言い方があるよねー、態々嫌な態度取る必要ないのに!」
「ま、考え方それぞれってことで」
正直イラっとはするけど、考えててもしょうがないし、とりま、クレマが乗った馬車の後ろ着いてくかな。
◇◆◇
王都からそのカサブラまでは大体2日くらい掛かるらしいよ?
俺らはずっと馬車のケツを眺めながらひたすら歩くわけだね。暇だなぁ。
まあ、俺とニナがいるから、周囲の魔物がどこら辺にいるかって分かるし、無問題だね。
サリスはというと、クレマと同じ馬車に揺られてるよね。
まあ、近くで守る役目が必要なのはわかるけど、楽してんのはズルっこいなぁ。
そんなわけで、馬車の後ろで雑談をしている俺らね。
「カサブラってどんな場所なの?」
「普通の村らしいですけど、魔法の花が咲いてる場所があるみたいですね」
「魔法の花なのですか?」
「へー!何それすごいねぇ!私見てみたいよ!」
魔法の花かー。俺あんまり花とか興味ないしなー。でも、女性部的には大変盛り上がる話題みたいだね。
「その魔法の花がすごくキレイみたいで、かなり高価な値段で市場に出回ってるとか!」
「すごいのです!見てみたいのです!!」
「えー!私欲しいんだけどなー!」
花の話だけでよくそんな話がつかないよなー。ここがもしかしたら、男と女の感受性の違いなのかもね。
っと、魔物の気配がするね。えーっと、これはー・・・でかい狼か?
ニナも匂いでなんとなく分かるみたい。
「ニナ、魔物の気配がするね」
「ハイなのです。獣の臭いとあと、鼻が冷たいのです」
「冷たい、ですか?」
「えー?こんな晴れた平原なのに?寧ろちょっと暑いけど・・・」
見つけた!
前方から猛ダッシュで白くてでかい狼みたいなやつ!
「あれは!『フェンリル』です!雪地体いると言われてる強力な魔物です!」
「ええ!?ここ全然雪ないのに!?」
「ううー、少し寒いのですー」
まあなんであれ、俺らを標的にして襲ってきてるみたいだし?チャチャっとやっちゃいますか!




