46話 魔法が使えない俺と戦いの火蓋
ということで決戦当日。
昨夜はこの里の宿泊施設で泊まったんだけど、あんま寝れなかったなあ。
何故って?寝ようと思ったら、アンジェ、ニナ、サリス、ミュラの4人が永遠と俺の部屋で女子会をしてたからだよ。
もうねー、サリスとミュラがマジでうるさいんだって。なんでそんな喋れんの?ってくらい起きてたから、マジで寝れなかったんだわ。
次こんなことあったら、2人を気絶させないとダメだな。
なのに、なんでアンジェとニナは快眠なんだろうか。俺にくっついて途中から寝始めたし、俺は寝れないのに。
そんなわけで今は、戦える老若男女が集会所に集まって、龍人族の長であるミュラの兄の号令準備まで待機してるとこ。
「ご主人様眠たそうなのです」
「大丈夫ですか?たくやさん。私達邪魔でしたか?」
「いや大丈夫、そうじゃないよ。この女騎士とドラゴン娘が五月蠅かったからだよ。なんで元気なん?お前ら」
窓際女騎士とドラ娘は相変わらず元気そうな趣で、俺に呼ばれたことに気付いて笑いかける。
あー、その笑顔が欲しいよ。
「おお?私は慣れているからな!たくやお前、たるんでるんじゃないのか??」
「私も大丈夫かなー!」
「はあ、この戦いが終わったら、寝る時サリスを気絶させるからな」
「ふ、やれるもんならやってみ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
なんか鼻につくから、とりあえず両頬を引っ張る俺。うん、結構伸びるんだね。
そんなこんなしてる間に、兄が来たみたいだ。めちゃくちゃ大きい声で、選手宣誓みたいな掛け声を始めた。
「よく聞け!今日で戦いを終わらせる!これは、この里の命運を懸けた戦いである!現状、俺たちは今厳しい状態だ。しかし、俺たちには切り札がいる!」
集会所に集まった100人弱が、真面目に兄の言葉に耳を傾けてる。俺は眠いからあんま頭に入らんけど。
「それは、魔王の配下を倒したと言われる冒険者!たくやとその一向だ!彼らは必ず俺たちを勝利へと導く存在になる!」
100人弱一斉に振り向かれるけど、すっげえ恥ずかしい。悪い気はしないけどさ。
俺がただの人間だから、割りかし不信感持ってる眼差しを感じるね。
そら、特別人種じゃない俺に対して、疑念が生じるのはしょうがない事だけど。
アンジェは「どうもー」って言ってお辞儀。ニナは跳ねながら喜んでるし。
でも、サリスのその胸を張ってドヤ顔するポーズはどうかと思うよ?
「お前らの命を俺にくれ!敗北は存在しない!!里長フォーの名に置いて命ずる!勝利を!!!!」
うわっ、うるせ!!里中の奴らが雄叫びを上げ始めて、呼応してるよ!耳がおかしくなるって!!
俺以外の仲間も全員声上げてるし、俺も叫んだほうがいいのかなぁ?いや、サリスだけ笑ってない?なんで??
ともあれ、みんなが一致団結したところで、俺らは戦場に進んでいくのだった。
◇◆◇
「うおぁぁああああ」行かせないぞ!!」
「ここは守るんだからぁ!!」
ドラゴンの群れが里手前に押し寄せてて、今迎撃に入ってるとこ。
多数の龍人族が一体一体を確実に仕留めて、徐々に道を広げてってる。
まじで、ドラゴンだらけじゃん!気持ち悪いんだけど!
兄とミュラと俺ら、龍人族数人は今里にいて、戦線が上がってきたら、俺らが突入する感じになってる。
でも、物量が物量だし、もそろ出てもいいんじゃないかな?
何体かのドラゴンは、ちょいちょいこっちに流れてきてるし。
「ねえフォー。俺らそろそろ大将取りに行っていい?多分無限に湧いてくるよ?どんどんドラゴン迫ってくるし」
「・・・そうだな、君らの力発揮してきてくれ」
「私も行くよ!兄さんは里を守ってて!!」
「よし!私が先陣を切る!お前ら!!私について来い!!!」
なんでサリスが指揮を取ってんのか知らないけど、まあいいや。親玉である魔王の配下のご尊顔を見に行こうかな?
「んじゃー、目の前のやつらをボコしながら、最後尾まで進むぞー!」
「皆さん!命を大事に!」
「ドラゴンカーニバルなのです!!」
「さあ!怖くはない!!不安はない!!私の夢・・・」
「いっくよー!!」
サリスを無視して特攻するのだった。
「私の言葉を最後まで聞けよ!!!!」




