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3話 魔法が使えない俺とツインヘッド・ドラゴン

「おじさん大丈夫?」

「あ、ああ、助かったよ、君は?」

「俺?俺はたくや、バーグって人が怪しくてついてきた」

「そうか、心より感謝するよ・・・は!娘が!」


なんて表面上の会話をしてるけど、アンジェの父親は娘が気になってるみたいだ。


「頼む!娘を助けてくれ!!」

「うーん、そうだね。可愛いアンジェが心配だから行ってくるよ。おじさん早くついてきてね」

「分かった・・・出来るだけ早く追いつく!」


身体が辛そうなおっさんを置いていくのも心苦しいけど、今はアンジェが心配だし、『縮地』でなるはやで向かおうかな。


◇◆◇


「バーグさん!本当にここにお父さんがいるんですか!」

「ああ!お父さんは今身動きが取れない状態でね、早く来てほしいんだ!」


うーん、どっから聞こえてくるんだろう・・・


耳に全神経集中させて研ぎ澄ましてるんだけど、声の出所が分からないなあ。


ここらへんだと、気の流れも分かりそうにないし。


ま、適当に探してたら見つかるっしょ。


「や、止めてください!バーグさん」

「ははははは!!!これで!!ツインヘッド・ドラゴンを召喚出来るぞ!!!これで魔王様に!!!!」


あ?なんて?


魔王?ツインヘッド・ドラゴン?絵本でも読んでんのか?


うお、なんか振動がすごいな!!


足元がトランポリンみたいに震えたぞ今、でも逆にラッキーかも。


この振動元を特定すれば、場所が分かるからね。


「は、話してください!!いや!いや!!」

「お前の顔、身体が悪いんだからな!!!動くなよ?動いたら、お前の父親を殺すからな・・・?」


やっべ、アンジェがヤられちまう、とっとと行かねーと。


よし『縮地』最高加速だ!!


◇◆◇


ふーん、森の手前あたりのところか、周りに何もないから分かりやすくて助かるなあ。


・・・おいおい、大自然と魔物の前でなーにやってんだ馬鹿タレが!


んじゃ、魔物討伐と人命救助に躍り出ますか!


「やーめーなーさい!!」

「お、お前は!!!」

「たくやさん!!」


バーグとか言う痴漢野郎をぶん殴り、アンジェを助ける俺。


うわ、おっさんズボン脱いでるし、アンジェもスカートとか上着とか剝ぎ取られてんじゃん。


このおっさん救いようがねえな。


「貴様!!なぜ!何故ここに!!!」

「は?こんなデカブツ出したら、誰だって分かるだろ」

「ごめんなさいたくやさん!魔力を吸われて、こんな大きいドラゴンを・・・」


マジでこのドラゴンでかいなぁ。


どんくらい?俺の身体の10個分くらい?まあそんくらいでかい。


頭二つあって、口から火と氷吹き出して、なんか・・・すげえかっこいい。


「恐れ慄け!!このドラゴンは、この森のマナと娘の膨大な魔力を作りだして誕生さっせた最強のドラゴンだ!!命乞いをするなら今の内だぞ??」

「いやいや、おっさんさあ・・・はあいいや。はい、アンジェこの上着来てね」

「たくやさん・・・グスっ、ありがとう、ございます・・・」


このでっかいドラゴンが最強って・・・


師匠と修行した時に出くわした竜なんて、頭5個くらいあったのに、何わけわかんない事言ってんだよ。更年期障害はこわいわ~。


「このドラゴンはなあ!俺の言う事だけを聞くのだ!!これで村を破壊して!魔王様に献上するのだ!!!」

「いやいや、魔王って誰だよ。いつまで気が触れてんのか知らないけどさ、その痛々しいセリフ、言わない方がいいよ?」

「なんだと!?このガキィ。ふん、強がりもいい加減疲れただろう?ミノタウロスを倒したくらいで調子に乗っているみたいだが、お前はもうここで終わりだ。やれ!」


おいおい、おっさんドラゴンの後ろに隠れるとか恥ずかしくねえの?


・・・まあいいや、あいつ殺したら終わりってことでしょ?楽勝じゃん。


火と氷を同時に吹き出すツインヘッド・ドラゴンは、俺に向けて火炎弾と冷凍弾を発射してきた。


「はーい、残念!」

「え!?たくやさん!!」


一発目の冷凍弾を横払いで消し去り、続いての火炎弾もそのまま切り払いで消滅。


はい、おしまい。


「ば、馬鹿な!!魔法も使えないガキが!や、やれ!!!」

「魔法が使えないガキに負けた癖に、なーに言ってんだよ未成年淫行おじさんが」


うわ、口からすげえ火と氷の散弾まき散らすじゃん。


「たくやさん!逃げてください!やられちゃいます!!」

「大丈夫だから、怖かったら目瞑ってて」


そしたら、ちょーっとだけ本気出そうかな。


「剣舞・水鳥流月」









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