21話 魔法が使えない俺と黒幕?
とりあえず俺は、触手に巻き付かれてる女子3人のあられのない姿を、クラーケンと一緒に眺めている。
「たくやさん!あ!助けてくださいぃい!」
「オロロロロロロロロ」
「な、何をしてるんだ!助けるんだ!いや、でも・・・」
「でもじゃねーよ」
クラーケンを見てる限り、仲間を殺そうとしてる訳じゃなさそうだし、比較的安全なのでは?っと思ってしまう俺がいる。
なんかこのでかいイカもどき楽しそうだし。
「ねえ、クラーケンさぁ、もしかして遊びたいの?」
試しにこの魔物に話しかけてみた、今は特にないけど、なんとなくね。
「そうだよ?暇だし」
「え?」
「え?」
喋んの?魔物って。
「あ、今あたしの事、内心馬鹿にしたっしょ?ちょっと魔法に対抗手段あるからって下に見ないでよね」
「いや、全く思ってないし」
うーん、これは?コミュニケーションが取れる?ってこと?
またまた、ご冗談を。
「お前って人を襲う魔物でしょ?何遊びたいって」
「いや、襲った事ないけど」
「だって、漁船襲ったって」
「は?荒波で転覆しそうだったから助けただけなんだけど?誰情報それ?」
いや、頭がおかしくなりそうなんだけど。じゃあ俺ら何しに来たの?
あ、待って、国王って討伐しろって言ってなくない!?
「人が折角寝てたのに叩き起こされるわ、洗脳されそうになるわ、暇だわもう最悪なんだけどー」
「英雄パーティと戦ったって言ってたよ?国王が」
「国王?知らないけど。あーでも、昔あたしに戦い挑んできた馬鹿な奴らいたわ!男とは意気投合したんだよねー、なっつ!!」
意気投合?寝てた?ぜんっぜん理解できないんだけど。
「その男がいい夢見させてやるとか言って、マジでいた夢見てたのに!なんで起こされなきゃいけないのさ!!!」
「知らんし誰そんなことしたの?」
ん、気配感じるな?あの岩陰か?
「お、俺じゃないぞ!」
「お前の持ってるそれ、魔物操る指輪だろ」
「あーコイツだわ!間違いない!あたし分かるわ!」
こいつは、さっき俺が海の家で話したおっさんだな、まさかコイツが犯人なんてね。
「・・・馬鹿が、黙っていればいいものを」
「のぞいてたお前のが馬鹿なんじゃないの?」
「ふん、そう言っていられるのもここまでだがな」
「なんで?・・・ってあっ」
クラーケンの様子がかなりおかしくなってんな。目が赤くなって火を吹いて暴れ出したぞ?
しかも、捕まってる3人が結構危ない。
「貴様は聞くところによると魔法が使えないゴミなんだってな?目の前で仲間が死ぬ姿を黙ってみてるがいいぞ!」
「た、たくや、さん・・・」
「き、きついの、です・・・」
「こ、これもあ、あり・・・?」
やばいな、みんなが危ねえ。1人を除いて。
「おいクラーケンしっかりしろよ」
「無駄だ!この魔王様より受け取った魔道具の前では抵抗は無意味だ!魔法が使えない自分を呪うがいい!!!」
クラーケンはこのおっさんの魔道具で制御されてるっぽいな。
いっつも思うけど、なんで皆んな借り物の力でそこまで図になれるんだ?いまだに不明なんだけど?
まあ、考えててもしょうがないし、3人も死なれちゃ困るから、クラーケンには悪いけど、痛い目見てもらおうかな。
「クラーケンさー!今からかなり痛くするから、我慢してなよー!」
「だから無駄だと何度も・・・」
バカは置いといて。
さ、救助開始だ!




