15話 魔法が使えない俺とアンデッドナイト
「ありがとう・・・ありがとう!!」
「良いよそんな感謝しなくて、個人的に動いてるだけだからさ」
さて、今サリスを守ってる俺だけど、この暗黒剣士は中々動かないね、多分こっちの出方を見てるんでしょ?
良いね、やっとちゃんとした勝負が出来そうだよ。
いや、殺し合いかな?
「気を付けてたくや君!ノワールハウンドは魔法が通じない!使うとこっちにダメージが!!!」
「あれ?俺言わなかった?」
柄に力込めて、足に力を踏みしめて。
「俺、魔法使えないよ?」
弾く。
ほら、飛んだ飛んだ。でも、思ったほど後ろに跳ばなかったな?着やせするタイプ?
んま、様子見で俺の事じっくり熱い視線を向けてるけどさ、それ意味ないから。
『縮地』で接近、んで姿勢を低くして右手で下から上へ切り上げ。
そうそう、そうしたらお前は押さえつける感じでガードするでしょ?それ、浅はかだから。
勢いのまま体に突進して、体勢が崩れたらそのまま左から横薙ぎ。
そうそう、いい感じに仰け反ってきたんじゃない?
えー、その体制から剣を受け止めるんだ、ちょっとやるじゃん。
んじゃ、もっと速く斬りつけようかな?
「あ!サリスさん!お怪我は!!」
「おお、2人とも、無事だったか!」
「はいなのです!奴隷で売られそうだった人たちは、みんな助けたのです!!」
「君たち・・・やるじゃないか。私は見ての通りこの様だよ、今たくや君があの魔物と戦ってる」
「え!王都騎士と冒険者でも難しいって言われてるあの魔物と一騎打ちですか!?」
「ご主人様!・・・早すぎて全然見えないのです・・・」
「彼はすごいな。私が手も足も出なかったノワールハウンドを、魔法も無しに剣術のみで一方的に押している」
「あ、当たり前なのです!ご主人様は最強なのです!」
「そうですよ!たくやさんは負けませんよ!」
「だといいんだが・・・」
って会話が耳に入ってくるなー。
サリスさ、俺に魔物の処理任せた癖に、あんま信用してなくない?もっと応援してほしいんですけど?っと。
しっかしこの魔物堅いなあ。というか、剣を弾こうと思っても手と剣がくっついてるみたいだし、蹴った感じこれ鎧の中身空洞かな。
第一、剣から生気を感じ取れないんだよね、大体打ち合いとかしてる時って、相手の呼吸とか呼吸とか、色々瞬時に判断して人間の人となりを感じ取れるんだけど。
この暗黒騎士からはそんな感じ全然ないね、気を負えないから目で見て弾いてるから、このままだと目が疲れるよー。
ん?あー、この魔物、魔力を剣に溜めてるね?あれだろ?さっきサリスにやった奴やろうとしてるんでしょ?
「危ないぞ!!たくや君離れて!!」
「あー大丈夫大丈夫!心配しないで応援してくれない?」
「たくやさん頑張ってください!!」
「ご主人様ファイトなのです!!!」
「君たち!心配じゃないのかい!?」
「大丈夫ですよ、見てください」
2人は分かってるなあ、まあ当然か。俺の特殊体質を分かってるわけだし、ってことでんじゃ、はい弾き。
あらら、魔力が消滅しちゃったねえ、というかこの弾き使ったら普通の人なら痺れて動けなくなるんだけどね。あ、人間じゃねえわ。
「な!魔法が!消えた!?」
「そうなのです!!ご主人様は魔法が効かないのです!」
「そんなことが・・・!」
んじゃー、そろそろ飽きてきたし、そのかっこいい鎧の中拝見しようかな?
お、動きがめちゃくちゃになってきたぞ?これはチャンスだね。俺、そんなめちゃくちゃな攻撃当たらないし。
躱してまず両肩当てね?そんで、剣で思いっきり弾いて上腕当て、腰当、頬当て、腕当て、んで、顎当て飛ばして首元さして、ほい顔面御開帳!!
あらー、こりゃ確かにアンデッドだね。中身骨じゃん。
「中から頭蓋骨だと!?」
「こ、怖いのです!!」
「あれがアンデッドナイトですか!?」
「ああ、しかもあの強さだ。恐らく大昔の英雄か誰かの死体を使っているに違いない。そして、この魔物を作ったのは・・・」
「魔王ってことですか!」
へー、魔王って墓掘り起こしてガイコツを魔物にしちゃうんだ?結構道徳にかけるような奴なんだね~。
おお、頚椎飛ばしたのに復活してるし。しかもなんかでかくなってってね?
「そうか!あの鎧はノワールハウンドの力を抑え込む拘束具だったのか!たくや君が鎧を飛ばしたから、魔力が暴走してる!!」
「ま、真っ黒いのがどんどん鎧を壊して、形作ってますね」
「お、お化けなのです!!」
アンデッドなんだからお化けなんじゃない?
と、鎧がどんどんなくなって、全身を黒く包んで大きい獣みたいになってるなあ。
斬ってみたら、魔力でできてるからその部分は消えるけど、また復活するしこれはどーすればよき?
「たくや君!その魔物は恐らく『コア』があるはずだ!それを狙え!!」
「でも、斬ってもすぐ復活しますよ!これじゃ真っ黒の中を探せないですよ!!」
「無限なのですう!!!」
「え?『コア』?弱点って事?ふーん、この黒い中にコアがあるって?」
「そうだ!!しかし、このままではキリがない。まるで水を斬っているようだ!」
「あーアドバイスありがとね~」
「たくや君何を!?」
『縮地』の速さを利用して、より速く動いて、一回で2振りする勢いの斬撃で。
「再生する前にまた消滅させれば、OKだね」




