151話 魔法が使えない俺と目覚め
んー、どこ、ここ?
・・・空中?海中?
前後上下左右周囲全部が青だなあ。
えーっと、俺どうなったんだっけ?あんま覚えてないなあ。
とりあえず今、宙に浮いてることだけは分かるね。
んー、どうしよう、なんもできない。
・・・ん、ちょい待ち。奥の方がなんか光ってない?
光の球みたいな?
どんどん俺の方に近づいてきて・・・
俺の中に光が入ってきて?あっつ!!!
血管を巡る度に熱さが都度伝わってきて、どんどん体の中に溶け込んでくような・・・?
うん、熱さも引いてきた。寧ろ心地いいくらいだね。
でも、これって結局なんなんだ?
◇◆◇
目を開けたら、知らない天井。
さっきのは夢だったのかな?あんまり覚えてないけど。
身体が熱かったってことくらいしか、記憶にねえわ。
それにしてもここって・・・。
ん?いや見たことあるぞ?この天井。
ここ城の中の俺が止まったことある天井だな?
っとなると、俺はいつの間にか王都に戻ってきたんだね。
しっかし、なんでこうなったんだったかなあ。
確か、王都に帰還する直前に意識が無くなって、かな。
今までこんなことなんて一度もなかったのに、どういうことだろう。
んま、考えても仕方ないか。
ギィィィィ
おっと、戸が開いたな。誰か入ってきたみたいだね。
「・・・あ!たくやさん!大丈夫ですか!体は無事ですか!?!?」
「ごー主人さまー!!心配したのです!!!」
「たくや君!!よかった!目が覚めた!!!」
「あなた様!!!ああ、意識が戻られて・・・!!」
わあ、アンジェ、ニナ、ミュラ、ミシアが一斉に入り口から押し寄せてきて、駆け足でこっち来たなあ。
皆めちゃくちゃ心配そうな顔して俺の事見てるから、ちょっと悪いことした気持ちになるね。
「ごめん、心配かけたみたいだね」
「ほんとですよ!突然倒れて、3日間寝たきりだったんですから!」
3日?マジで!?
一晩くらいの感覚だったけど、まさかこんな時間が経てるなんて思わなかった。
「え、そんな寝てたんだ・・・。誰がここまで連れてきてくれたの?」
「あの勇者ですよ。わたくしずっと王都の入り口で待ってて、そしたら勇者におぶられたあなた様の姿が見えて・・・ああ!今思い出してもあの時の恐怖心たるや!」
「ミシアずっとその話してるよね」
「うるさいわよミュラ」
ふむ、ミュラとサリスが喧嘩し始めちゃった。
別にそんな目くじら立てるほどでもないと思うんだけどなあ。
◇◆◇
クランたちは既に、旅に出たらしい。
俺に対して「次は僕が助ける」との言伝を預かったみたいだけど、別に気にしなくてていいのにね。
俺が起きてから暫くして、国王からの招集を受けたんで、国王の謁見の間に行くことになった。
相変わらずのだだっ広い豪華な広間に椅子がぽつんと一個。そして、それに座するカバネのバーさん。
横には、邪龍ヴォルゼアスって名前の少女。
出会った時は白のワンピースで出現したけど、今は貴族っぽい煌びやかな衣装に身を包んでいる。
「似合うじゃん?」
「フム、この身体といい、召し物と言い、動きづらくてたまらないわ」
なんで邪龍が人間の姿になってるのかは、マジで理解できないけど、そういうもんだって思っておくか。
「国王様、何の要件でここへ?」
「まずは、今回の件ありがとうございました。皆様に集まって頂いたのは、一つ。冒険者ランクについてです」
「冒険者ランク?」
そんなのあったなそういえば。
俺らは来年くらいじゃないと、ランクを与えてもらえないみたいな話だったよな?
「今回の功績を讃え、あなた方にはSS級冒険者のランクを贈呈します」
「え、SS級ですか!?」
「それは凄いのですか?」
「うーん、私もよく分かんない」
「SS級は冒険者界のトップ。勇者パーティ、並びに英雄パーティと同じ地位よ」
国王の言葉に疑問を持つアンジェ達に対して、冷静に応答をするギルド職員のミシア。
どうやら俺達はSSランクになったらしい。まあ、メリットは正直分からないんだけどね。
まあ、貰えるもんは貰っとくか。
「えーっと?ありがたく頂戴するけど、そんな簡単に上げていいもんなの?」
「寧ろ足りないくらいです。本来ならば、一生不自由のない生活を送っていただくくらいの、特別待遇を差し上げたいくらいです」
一生不自由のない生活ねえ。
正直なところ、そんなもんいらないんだよなあ。
なんか、そんな生活続けてたら自分が腐っちゃいそうだしね。
俺はとりあえず、魔王討伐出来れば十分かも。
俺の事が何か、分かるかもしれないからさ。




