14話 魔法が使えない俺とノワールハウンド
剣舞 花鳥水牙
それは、静の花と動の鳥を思わせる、両方の姿を併せ持つ、水上に突然現れる巨大な牙。
そう、気づいた時にはすでに動き、相手に残っているのは、動いた後の静止画。
なんて、ただの抜剣術なんだけどね。
この静と動の繰り返しで、相手は混乱しながらひたすら斬り刻まれる、的な感じ?
もっとも、こんな筋肉の塊みたいなやつじゃ、俺の動きについてくるどころか、まだ追うこともできないだろうけど。
「あ、あぁ・・・魔法も何もないガキが・・・!覚えていろ・・!必ず魔王様が・・・!お前を・・・!」
「その前にお前が殺されんじゃない?あ、でも安心しなよ。安全なところに住まわせてやるからさ!」
「な、なにを・・・!」
「いや、牢屋でしょ。あの魔物ぶっ倒して、貴族の関係とか丸く収まったら、お前なんて用済みっしょ」
「は、ははは!!ほざけ、ノワールハウンドは超級のアンデッドナイトだ。俺はあいつの足元にも及ばん」
「へー、じゃああれに勝ったらお前らは終わりって事でOK?」
「む、無理だ・・・」
「もういいから、お前は寝てなよ。んじゃ、えんがちょ」
血だらけになって、体が戻ってんじゃんこのハゲ。ま、とりあえず気絶させて、あの女騎士の様子でも見るかなー。
◇◆◇
おーやってらー。
そのアンデッドナイト?とサリスが剣で打ち合って、なんとか勝負になってる風だけど、まーサリスが押されてるかな。
俺が山から降りてきた中で、剣術はちゃんとしてるし、魔法の使い所も悪くない、むしろ良いまであるな。
でも、ノワールハウンドのが1枚、いや2枚くらい上手かなー。
俺がハゲにやったみたいに、あの黒騎士はサリスの動きを観察して、動きをインプットしてるんだね。
だから、接戦に見えて実は女騎士が遊ばれてるってわけ。こりゃ、持ってあと5分かな?
「この!こいつ!動きが読まれている様な!!こうなれば・・・!」
うわ眩し!セシアの剣が、太陽直で見た時くらい光ってるし!しかも、3倍くらい剣高くなって、差し詰め光の大剣だね。
確かに、アンデッドナイトって言うくらいだから、光?に弱そうだもんね。
「うおあああぁああおおおお!!エクス、カ・・・」
やばいやばいやばい、これ以上言ったらダメ!色んなところから怒られるから!!ダメだって!!
あーでも、あの光の大剣に対抗して、暗黒剣?的なノワールハウンドが持ってる剣が黒より黒く染まってって、邪悪な波動みたいなの纏ってるね。
あー、光の大剣が、闇に飲まれて破壊されちゃった・・・で、サリスは吹っ飛ばされると。
そろそろ助けに行かないとかなー。
もうサリスの目の前まで来てるし!『縮地』!
「くそ!ここまでなのか!!コイツはカタキなのに!!目の前にいるのに!!」
「・・・・」
「あぁ、お父様・・・!私は・・・!」
「はい、ストーップ!」
「たくや君!?」
セーフ!ギリ、振り下ろされる前に受け止めれたよ。
うわー、確かに、結構強いかも?鋭さと言い速さといい、冒険者やった方がいいくらいじゃない?
まあ、俺に片手で受け止められるレベルなんだけどね。
うお、なんだ!サリスそんな強く服掴んで。
「たくや君!お願いだ!!あいつを倒してくれ!!私の父の!家族の仇なんだ!!」
「そうなの?じゃーコイツ倒さないとね」
「あぁ!ああ!!お願いします!!倒して、ください!!」
「まあ頑張るよ。倒すってハゲに言っちゃったし」
「・・・ハゲ?」
っとじゃあ、このクソかっこいい暗黒剣使いのアンデッドナイトを倒しますか。




