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140話 魔法が使えない俺と邪龍の行方

「あなたはだぁれ?」


街の裏には山があって、わたしはそこを散歩するのがすきなんだ。


木のみを拾ったり、キノコを取ったり楽しいね。


でも、今日はちょっと違う。


すっごい大きいのがいる。


「おなかすいてるの?」

「・・・」


うーん、やっぱりおなか空いてるんだね。


拾った木の実とキノコでお腹いっぱいになるかな?


「これあげる、いっぱいあるでしょ!」

「・・・我に構うな人間」


・・・


次の日も大きいのに、木の実とキノコ、あとは特別にお魚ももってきたんだ。


「りゅーさんこれあげる、お魚もあるよ」

「・・・貴様は我が怖くないのか?食い殺すかもしれないぞ?」

「こわくないよ?」

「・・・」


・・・


一週間、今日も木の実とキノコとお魚持ってきた。


「りゅーさん、どうしてここにいるの?」

「我は人間に追われてきた。人間は敵だ」

「私は違うよ?」

「さて、どうだろうな」


・・・


一か月、今日も木の実とキノコとお魚持ってきた。


「りゅーさん怪我治った?」

「ある程度はな。貴様は他の人間とは違うのだな」

「だって、友達でしょ?」

「トモダチか・・・フフ」


・・・


半年、今日も木の実とキノコ、そして豪華にお肉持ってきた。


「りゅーさん、わたし魔導士になりたいんだ」

「貴様ならなれるさ」

「ほんとー?じゃあがんばる!」

「・・・下がれ」


あ、街の人がいっぱい、どうしたんだろう。


何でみんな友達を攻撃しようとするの?


「やめて!友達に嫌な事しないで!」


ゴツン


あ、なんだか頭が痛い・・・目の前が暗くなってく・・・


ー しっかりしろ!おい!カバネ ー


ともだちの声が、遠くなってく・・・


◇◆◇


「・・・王様。国王様」


あら、寝ていたのかしら。随分懐かしい夢を見ていたみたいだわ。


騎士団長のフィラが、どうやら近況報告に来たのね。


「悪い夢を見られていたのですか?」

「ええ、本当に嫌な夢を。それで、何か情報は入りましたか?」

「はい、アンジェとランベルム様から通達が入りました。国王様の読み通り、リーンカーラで発見したようです。しかし、第二形態に移行したうえ、逃げられたとのことです」


ランベルムを以てしても逃げるなんて、邪龍はやはり一筋縄ではいかないわね。


「ただ、ランベルム様はいつでも邪龍の居場所が分かるよう、細工をしたみたいです。情報は追ってまた来るでしょう」

「そうですか、ご苦労を掛けます」


流石はランベルム。抜けてるように見えて、意外と用意周到なのよね。


旅をしていた頃から変わらないわね。何もかも、私と違ってね。


「それでは、騎士団及び冒険者の方々の探索を終了とし、王都へ帰還させてください」

「了解しました。冒険者並びに騎士団を招集します」

「あと、私からお願いがあります」

「・・・なんでしょう?」


◇◆◇


ある程度休んで、邪竜を追う俺ら。


まー、キアラの説得?メンケア?に時間がかかったなぁ。


あんまり納得してない様な、腑に落ちない様な感じだけど、とりあえずクランが助かったら機嫌も治るでしょ。


今はなんとか、俺達の後ろに黙ってついてきてるけどね。


「因みに、邪竜は今どこにいるの?師匠」

「んー、そこまで遠くまでは飛んでないみたいだねー。北に進んでったらばったり会うと思うよ?」


北?なんでそんなところに滞在してるんだろう。俺はここら辺の土地勘分からないしなー。


「お師匠さん、邪龍はなんで北で止まっているんでしょう?」

「ご飯でも食べてるのです?」

「何を食べてるんだろうねー」

「寝てる可能性もあるんじゃないか?」


なんて女性陣は話してるけど、ちょっと嫌な想像がよぎるなあ。


邪龍は、魔法を吸収して進化してくわけでしょ?なら、答えなんて簡単じゃない?


「たくやも察してるんじゃない?邪龍が止まってる理由」

「そうだね、考えたくは無いけど」


枯れた果てた森林を抜けて、広がるのは平原。


魔物の姿は一切感じ取れないあたり、少しだけ不気味に感じるね。邪龍が魔物を食った可能性だってあるし。


まあ、気にしてても仕方ない。被害を増やさないように、邪龍のところに向かわないとね。


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