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133話 魔法が使えない俺と黒い獣

突如現れた黒い物体が、サリスに襲いかかる。


鋭く黒い刃を俺が受け止めて、鍔迫り合いが起きる。


金属が擦れ合う音を響かせて、黒い奴の全貌が明らかになるね。


「た、たくや!すまない・・・」

「んな事より集中しな!」


サリスの謝罪に返す俺。


でも、皆んな固まっちゃったよ。


カーシャとキアラはこの姿に見覚えがあるみたいで、多分だけどこの黒い奴が、クラン?


え、全然クランって感じしないし、こんなん魔物と同じじゃね?って感想しか出ないね。


見た目は黒くて細い人型のシルエットなんだけど、禍々しい甲冑を全身に装備してる。


俺が今防いでる相手の武器も、真っ黒くてなにやら見たこともない黒い剣。


そして、顔面もフルフェイスの兜を被ってて・・・被ってると言うかもう、それがもう顔なんじゃないか?


よく見ると龍っぽい顔面には見えて、目の部分だけ赤く光ってる。


一個だけ違和感があるのは、背中についてる大きくて鋭い刃?


俺の肘から指先くらい大きい、でかくて黒い刃物が、首下辺りからぶら下がってる。


これマジでクラン??


似ても似つかないんだけど。


「これがクランさんですか・・・?」

「ニナには魔物にしか見えないのです」

「えー!これが勇者なの!?」


アンジェ達の驚愕な態度に反して、クランの力がどんどん強くなってく。


思った以上に、なかなかやるじゃん?


下手したら、今まで戦ってきた奴の中で、かなり強い方かも?


「クラン!私です!!カーシャです!分かりますか!?」

「ちょっと!私たちのこと忘れたの!?」


仲間の呼びかけには全く反応を示さず、勢いだけが強まってくる。


意識はもう完全にない様な感じで、まさに獣そのものだね。


俺は一回力を込め続けるクランの剣を弾き返して、距離を取らせる。


後ろにバックして、頭を下げながら直立不動。


まるで、どの獲物から狩ろうかと思考してるような感じだね。


「あいつ、速過ぎて見えなかったぞ。本当にクランなのか!?」

「カーシャ達の反応から見てそうだろうね。結構強そうだから、よそ見してたらすぐやられるよ」


しっかし、運良く遭遇したけどなんでこんなとこいるんだ?


「クラン!何か言いなさいよ!!」

「キアラちゃ・・・」


恐ろしいスピードでその場から移動して、気がつけばキアラの目の前で剣を振るう黒い甲冑。


どうやら、獲物はキアラのようだ。


もー、戦闘準備して欲しいんだけ、どっ!!


俺はクランに横から平斬りをかます。


キアラに振り下ろされそうになってたところを、俺の方に誘導させて、なんとかキアラへの攻撃を晒すことに成功。


油断も隙もねえな。


そして、俺と黒い甲冑は剣の打ち合いを開始する。


クランの剣技とはとても思えない様な酷くて、乱暴な振り方。


子供が駄々をこねる様な不格好な攻撃なのに、一発一発に魔力が込められてて、振りも結構速いもんだから、割とだるい。


「ニナパーンチ!」

「『ドラッヘネイル!』」


俺とクランの攻防中に、ニナとミュラはクランの背後へ移動して攻撃を開始。


俺は逃げられない様剣で陽動、2人の攻撃が当たる様に促す。


一撃は喰らったろ?


って思ったんだけど。


「ニナさん!ミュラさん!!」


アンジェの叫びが響く。


その時、何かが2人の攻撃を弾き返して、後ろへの後退を余儀なくされる。


は?マジで??


俺も意外だったよ。


だって、首の下にぶら下がってるやつ、あれ動くんだもん。


「はわ!!あれ動くのですか!?」

「しっかもめっちゃ速いんだけど!?!?」


肘から下くらいの大きさの刃が宙に浮いてる、様に見えるが、実際は黒い魔力の紐みたいなのが刃と繋がっていて、まるで尻尾だね。


挙動がもはや生き物のそれで、まるで生きてるみたいだわ。


何が厄介ってさ、あの尻尾って独立して動くもんだから、実質2体分と戦ってる様なもんだよね。


きちー、苦戦確定しそー。

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