131話 魔法が使えない俺と下船
話してる途中のリヴァイアサンに向かって、頭から尻尾までの胴体、移動しながら斬りつける。
さっきの力加減だと、ちょっと傷つくくらいだったから、それよりも強く振らないとね。
尻尾まで到達した俺の後ろには、至るところに切り傷をつけ、傷口から血しぶきが噴き出すリヴァイアサンの姿。
青い体が、真っ赤になっちゃったね。海水で洗えば?
「ガハッ・・・。話してる途中に、卑怯な・・・」
「命のやり取りに卑怯も何もないでしょ」
鮮血に染まるリヴァイアサンは、俺に向き直って弱弱しい目線を向け始める。
全く、油断大敵だよね。
「ハハ・・・その態度、あの人間の生き写しのようだ。また、我は勝てなかったのか・・・」
「あれだね、もうちょっと心に余裕を持った方がいいよ」
リヴァイアサンはしょぼくれた様子で、海底に沈んでいったね。
まあ、生きてるんだろうけど、いじけちゃったのかな?
それにしてもでかかったなあ。いつぶりだろう?
ダクレクシアの時くらい?いや、それより大きいかも。
さて、一仕事終わったし船にもどろっと。
甲板に着地してっと、みんなは・・・?
「みんな大丈夫・・・ではないね」
船に戻った俺の眼前には、降りやんだ紫の雨の影響で、元気のないみんなの姿があるね。
「たくやさん・・・流石です・・・」
「やっぱりたくや君、凄いね・・・」
「まさか、ここまで強いんですか・・・」
「まあ・・・やるじゃない・・・」
うわー、すげえ疲れてるよみんな。
・・・まだ港まで時間かかるし、彼女たちにはゆっくり休んでもらおう。
◇◆◇
船に揺られて次の日の朝。
リヴァイアサン以降、特に魔物の襲撃とか無いまま、無事に港まで到着したね。
あー、すげえ開放感!なんだろう、ちゃんと地に足ついてる感じするわー!!
俺が一番乗りで、どんどん後ろからアンジェ達が降りてくるね。
一日休んだからか、昨日の疲れは何処へやら、みんなはすっかり元気を取り戻したみたい。
良かったね。
「すいませんたくやさん、昨日は・・・」
「ごめんなさいなのです・・・」
「たくや君、迷惑かけたね~」
「いいよいいよ、あの魔法がインチキだっただけだし」
そんなに気にしなくていいのに、皆律儀だなあ。
1人を除いて。
「あああーーーー!!空気が美味しいなあ!!!そうだろ皆ぁ!!!」
「サリス、船から降りた瞬間元気になってるけど、船酔い覚めるの早くない?」
「私は強いからな!!!」
「お前また船に乗せてもいいんだぞ?」
そんなことは置いといてと、船からカーシャとキアラも降りてきたことだし、目的地のリーンカーラまで進もうかな。
確か、この港から北にちょっと進んだところだったかな?
それにしても、国王がその廃街にいるかも?って言うから行くけど、いなかったら無駄足だよなー。
ま、ダメもとで冒険者やら騎士団やらのみんなが出動してるんだし、愚痴っても仕方がないよね。
ん、カーシャとキアラが近づいてきたな。
「たくやさん、昨日は改めてありがとうございました」
「んま、感謝はしとく」
「大した事してないよ。それより、リーンカーラでクランが見つかるといいね」
二人は強く頷く。
んで、他のみんなの方を見ると、同じ気持ちだと言わんばかりに頷く。
クランを探したいって気持ちは、皆一緒だからね。
それに、国王に頼まれちゃったし。
さてー、クラン探しに赴こうかな!




