130話 魔法が使えない俺とリヴァイアサン
「『グラヴィティ・リフレクト!』」
この声は恐らくー、キアラかな?
キアラの発生と共に、海水の竜巻の前に突如現れた光の壁。
そして、竜巻が壁にぶつかった瞬間、まるで風船が割れた時のように、4本のそれははじけ飛んだ。
すっげー。
「まったく!はあはあ、もうちょっとちゃんとしなさいよね!」
「き、キアラさん!ありがとうございます!流石です!!」
「べ、別に!あなた達の為じゃないんだからね!!」
結構疲れてそうなキアラに感謝を送るアンジェ。受け取るのが気恥ずかしいのか分からないけど、そっぽを向いてしまった。
ツンデレ?
「キアラちゃん、その魔法は体力を消耗するんですから、あまり無理しないでくださいね」
「しょーがないでしょー」
後に続いてカーシャも到着。
どうやら、キアラの使った魔法は使用回数制限があるみたいだね。
あの竜巻をもう一回使われたらやばいかも?
「皆さん!私がサポートします!『パワーサンクチュアリ』」
カーシャの魔法が俺とミュラにかけられたみたい。おー、ミュラの身体が発光してるなあ。
俺なんにもないんだけど・・・
「あれ??たくやさんにも魔法をかけたんですけど・・・あれ!?!?」
「俺魔法効かないから大丈夫ー!」
「あ、そういえばそんなことありましたね・・・」
カーシャには余計な魔力を使わせちゃったかな。まあいいか。人数が増えることはありがたいね。
「おのれ人間ども!!我に逆らうとは!!もう許さんぞごばああああ!!!!」
光の巨大な剣が、リヴァイアサンの頭に思い切りぶつかって、水面に思い切り叩きつけられる。
これって・・・
「どうだ化け物!!!!一矢報いてやったぞろろろろろ!!!!」
「サリス!ありがたいけど休んでていいよ!!」
大きな聖剣?をリヴァイアサンにぶつけて気持ちが高ぶったのか、喜んだ瞬間にまた口から虹を出しちゃった。
んで、また彼女は横になったね。
「ナイス、サリスゥ!!『ドラッヘネイル!』」
ミュラの両の魔力を帯びた爪が、リヴァイアサンのあちこちに生えているヒレを斬り刻んでいく。
血しぶき出て痛そう。
「『グラヴィティ!』」
「ぐぬうううう!!!体が重く・・・」
キアラの魔法によって、リヴァイアサンの身体に重くのしかかる重力。
どんどん、リヴァイアサンの身体は海へ沈みそうになってる。
そして、追い打ちをかけるように、アンジェが雷属性魔法をぶっ放し始める。
「『トール・ブレスター!』」
奇声を発しながら、沈みゆく海洋生物の身体は大きな雷の槍によってバリバリと感電して、大きなダメージを与える。
「調子に乗るなよ人間ども・・・!『アシッド・レイン』」
湯気たつリヴァイアサンから、紫の魔法陣が展開されたかと思うと、空から雨が。
しかも紫色の雨。ちょっと気持ち悪いなあ。
ん?みんなの様子がおかしいな?
「はあはあ、身体が・・・重いです・・・」
「と、飛びにくいよぉ」
「この雨・・・力を吸われるみたいです」
「くそ・・・魔力が練れないわ・・・」
皆船の上で片膝をついたり、座ったりしてるね。ミュラも飛ぶ力が無くなったのか、船に戻っちゃった。
紫の雨のせいかな?
この雨にあたったから、みんな力が弱体化してしまったってことだと思う。
ま、俺には関係ないんだけど。
「ハハハ!愉快だな!!我にしてきた借りを返させてもらうぞ・・・ん?」
状態を起こしたリヴァイアサンの目の前に移動した俺に、首を傾げる海洋生物。
「何故、貴様は動ける?」
「俺、魔法が効かないから」
「・・・」
なんだ急に黙り込んで。
ん?なんか笑ってないか?この蛇モドキ。
「なんかおかしいこと言ったっけ?」
「フフフ、いいや。まさか、こんな日が来るとは思わなくてな。思わず笑ってしまったよ」
「なにそれ?イミワカンナイ」
「昔話だ。過去にお前と同じような人間に会った。貴様の顔を見ると、その人間と似ている」
なに黄昏てんだこいつ?そろそろ斬っていいかな?
「貴様、あの人間の息子だな。ちょうどよい、あの時は情けをかけられ屈辱を味あわされた。今回は雪辱を・・・」
「『剣舞・千襲刹華』」
話聞くの遅いし、斬っちまうか。
情けをかけられて悔しいって?じゃあ、同じことしてやるよ。




