124話 魔法が使えない俺と不安因子
カテジナヤの一件から、はや2週間くらい経とうとしてるかな。
今まで働き詰めだった反動で、今のところ依頼を受けてないね。
金が溜まってた分を、家具やら飯やらに消費してて、休日を満喫してるかも。
まあ、自堕落な生活はしたくないから、度々外に出て一人で修業してるんだけどね。
目隠しして街中歩いたりとか、騎士団に行って練習付き合ったり?
それにしても少し肌寒くなってきたかな?王都に生えてる木が茶色くなってきて、枯れ葉が地面に溜まって、店の人とかが掃除してる場面を度々見る。
そっかー、もう秋になるんだなあ。
んで、今俺は騎士団の練習場から出て、屋敷に帰るところ。玄関先にはアンジェとニナ、ミュラが立ってた。
かと思うと、一斉に俺に抱きついてくる。もう慣れたかもなあ。
「たくやさんお疲れ様でしたー!!」
「ご主人様お疲れなのです!」
「たくや君疲れたでしょー!!」
「疲れてはいないかな?でも、ありがとう」
3人と集合してから、ミシアがいるギルドへ迎えに行くのが、今のルーティンになりつつある。
でもなー、そろそろ何か依頼をこなさないと、ダメ人間になりそうだし、ちょっとギルドで何か目ぼしい依頼がないか見てみようかな?
◇◆◇
「あなた様!!お迎えありがとうございます!!んーーー!」
「キスはしないよ?それより、ちょっと依頼を見たいんだけど」
「依頼ですか?いいですけど、今はあまり良さそうなものはありませんよ」
ミシアの話を聞きながら、掲示板に張り出されてる依頼に目を通してく。
マジでないなぁ。
スライム討伐に猫の捕獲。掃除、草むしり。
目が肥えてるからかな、やりたくはないよなぁ。
「ミシアさんの言うとおり、めぼしい依頼はありませんね」
「平和なのです!」
「私的には、猫ちゃん探したいけどね!」
猫探しかー。まあ、『気配探知』使えばすぐ見つかるんだろうけど、やりごたえがなくてつまらないね。
あと、こう言うのってさ?新人の冒険者とかがやりたいだろうし。
・・・今思い出したんだけど、冒険者って確かランクってあったよな?
雷帝剣だったか?あれがAで、王都で喧嘩ふっかけてきたやつはBみたいな。
「ミシアさ、俺らって冒険者ランクだとどこになるの?」
「勿論SS!って言いたいんですけど、あのランクシステムって、1年に一度審査されるシステムみたいで、あなた様方はまだランクがないんですよ」
「へー、そうなん・・・」
バン!!
ギルド入り口の扉が、めちゃくちゃ強い勢いで開け放たれて、ちょっとビビった。
俺はは勿論、ギルド内でたむろってる冒険者達とか、受付嬢もビクっ!ってなってるし。
誰だ?そんな乱暴に扉を開けるのは・・・
「はぁ、はぁ、た、たすけ・・・」
「力を・・・」
入り口にいたのは、見知った顔の女性2人。
確か、クランの取り巻き女じゃなかったか?
でも、クランの姿がないような。しかも、2人とも結構疲弊してるっぽい。
それに、助けてって??
「ちょ、クランさんのお仲間さん達じゃないですか!大丈夫ですか?」
「なにかあったのですか??」
「えー!すごい疲れてるじゃん!!」
アンジェ、ニナ、ミュラが女2人に駆け寄って、心配そうな素振りを見せてる。
俺とミシアも、アンジェ達に続いて近寄る。
よく見ると、所々傷があるみたいだね。
そして、他冒険者達もゾロゾロと野次馬みたいに入り口に集合してくる。
勇者パーティ2人だけってことは、クランに何かあったんじゃないか?
もしかして、魔王幹部に・・・
「とりあえず、中入って休みなよ」
「それどころじゃ!ないのよ!クランが!!」
俺が言うものの、それを突っぱねて焦る魔女っ子に泣き始める修道女。こりゃかなりまずい状況じゃない?もしかして、戦死とか?
「一旦落ち着きませんか?さ、中へ」
「焦っても好転なんてしないわ。早く入りなさい」
アンジェとミシアの声掛けに、渋々頷く2人。
そして、ギルドの休憩スペースへと誘導するのだった。




