120話 魔法が使えない俺と親のこと
そんなわけで、カテジナヤを騎士団に連行して、事は終わり。
これから裁判?に掛けられて、これからの処遇が決まるらしいよ?
まあ、悪魔のせいになるのか、それとも無罪放免になるのか、その部分は偉い人の判断に従うしかないよね。
そんなわけで、俺は国王に謁見しようと思い、城の中までやってきた。
アンジェ達は、騎士団本部であったサリスとお話するって言って、俺一人で城に来てるよ。
それにしても、意外と簡単にしろに入れることにびっくりするんだけど。
で、今は何回か入ったことがある玉座かな?
無駄に広い豪華な空間に、椅子がポツンと置いてある、よくわからん部屋。
勿論、護衛の数が半端ないし、ちょっとイタズラした時点で奥に連れてかれそう。
そのポツンと置いてある、椅子に座ってる婆さんが英雄パーティの1人、カバネだね。
「話は聞きました。国を代表して感謝致します」
「まあ、成り行きだから良いよ。悪魔も祓えたことだしね」
国王が座りながら深々と頭を下げて、またにこやかな笑顔を浮かべながら向き直る。
「悪魔の特性上、私は何も出来ませんでした。英雄の名を返上しないとダメですね」
「しょうがないじゃん。人それぞれ向き不向きがあるんだからさ。カテジナヤはどうなると思う?」
国王のネガ話から話を変えて、カテジナヤの話に無理やり移行する俺。
「裁判長が悪魔の仕業で片付ければ無罪になるでしょう。しかし、いくら本人が言ったところで証拠はありません。気持ち次第ですね」
「裁判って、気持ちで決まるんだ」
「外堀を埋めるのは事実ですが、最終的には人の心だと思いますよ」
なにやら、深いような浅いような持論を語る国王。
感情で決まるんなら、裁判って必要なのかね?
「・・・たくや君が話したいのは、本当にその話ですか?」
おお、なんか意表を突かれた気分だね。俺の内心を見破ってるみたいな?
顔に出てたかなぁ。
「まあそうだね。・・・信じられないかもしれないけど、神曰く俺は英雄ゆうたと白魔導士ルルの子供だって言われたんだよね」
「はい、存じてます。バレスク様から聞きました」
はい?聞いたって?
じゃあ、最初から俺の事知ってたの?
「そうなんだ。あのさ、父親と母親ってどんな人だったの?」
俺が聞いたら、国王は遠くを見つめて目を細め、まるで想いに耽ってるようなおもむきで微笑む。
「ゆうたは、馬鹿でしたね」
「ば、ばか??」
「ええ、難しい事は考えない。目の前の事だけ考えて、危なかっしい人。でも根拠のない自信を振りかざして、なんだかんだ頼りになる。楽観的な自信家って形容した方がいいでしょうね」
へー、英雄って言われてるから、もっとすげえ人ってイメージあったけど、なんかそこら辺にいる普通の人なんだな。
「そのゆうたの欠点を埋めてたのがルルでした。彼とは逆に色々な可能性を考えて、視野を広げてゆうたの行動に待ったをかける。故に自分に自信がない。だから、2人は一緒になったんだと思いますよ」
「国王って、人のことちゃんと見てるんだね」
「仲間ですから」
お互いの欠点を埋め合う関係性ってことだね。
で、俺が生まれたってわけ。
「二人にはもう会えないと思ってました。でも、お子さんに会えて嬉しく思いますよ」
「そういうもんなのかな?」
「そうです。多分ランベルムも同じ気持ちだと思いますよ」
師匠も?
そっかー、だからあんなにくっついてきてたのかなあ、あの巨乳。
明らかに、愛の度合いが強かったからなあ。
「師匠ってどんな感じだったの?」
「あの人ですか?うーん、たくや君が一番分かってるんじゃないですか?そのままだと思いますよ?」
え、じゃあみんなに抱きついて、あの巨乳押し当てる決戦兵器見たな奴なんだ。
こえー・・・
「剣は本当にいい腕でした。それこそ、ゆうたに迫るくらいの強さでしたしね」
「えっと、父親ってそんな強かったの?」
「強いというより、デタラメって言った方がいいでしょう。彼、魔法を吸収して自分の力に変換するんです。まあ、相手の魔力が高すぎるとオーバーフローしてしまうのが偶に傷でしたけど」
うわ、強すぎ。実質魔法を封じられてるもんじゃん?
ってか、俺と能力似てないか?
国王は「ふう」と息をついて、俺に向き直る。
「あとは聞きたい事ありますか?」
国王に聞きたいこと・・・うーん。何だろう。
「あれ、俺の師匠ってめっちゃ見た目若いけど、なんで年取ってないの?」
「ああ、ランベルムはエルフですからね」
あー、じゃあ納得だね。




