115話 魔法が使えない俺と影に潜むやつ
どうやらカテジナヤは、母親を生き返らせる為に、10人殺して悪魔と取引し力を得て、さらに特別な花畑を枯らせたってわけだな。
んまー、母親に対する気持ちたるや尋常じゃないんだろうけど、悪いことはダメだよね。
「お母さんなのですか?」
「お母さん亡くなったてたんだ」
ニナとミュラの言葉から、ちょっとの間沈黙が生まれて、少し気まずい。
俺も何か声かけようかなって思ったけど、こういう時って中々何喋ればいいか、言葉選びに困るんだよなぁ。
「・・・そう。病気で死んだ」
こっからカテジアナの独白だけど。
なんか、貴族家系で生まれて淑女になるために、結構辛いパワハラ受けてたらしいよ?
んで、それを庇ってたのが母親で、母親も殴られたりしてたんだってさ。
ある程度カテジアナが大きくなった時に、母親が病気で死んで守ってくれる人がいなくなってすごい悲しいと。
父親も母親に対して無関心みたいな?
しかもパワハラがエスカレートするから、もう無理ってなった時に、悪魔と出会ったんだって。
悪魔と出会ったのが墓参りの時で、取引を持ち掛けられたらしくて、その内容が「母親を生き返らせるために力を、貸す代わりにこっちの要求を呑め」とのこと。
結果的に、父親含む俺らが今住んでるあの館のお手伝いさんやらを10人殺したんだってさ。
それで悪魔の力を手に入れて、めちゃくちゃ強い闇の魔導士になって、王都から追われた後に、グレイブヘッドに隠されてる冥光花の力を吸い取れってことで、俺らがいるこの神殿?に入ったんだって。
そんで、ここのエネルギーを吸い取って、最終段階に移行しようとした時に、ここにいる緑の精霊と今の王都の国王、カバネが駆けつけてカテジアナを封印することになったって感じ?
その悪魔ってどこにいるんだ?
「もう少しでお母様が生き返るんだよ。邪魔をするな!!」
「いやー、それ悪魔に騙されてない?」
「・・・は?」
めっちゃ意外そうな顔してるカテジナヤ。いやいや、普通そう思うでしょ。
「だってさ、悪魔にとってなんの利があって、お前を助けるんだよ?」
「そ、それは・・・ぐぬぅあ!!・・・それがどうした!!」
え、怖い怖い!少女の身体から野太い男の声が出てきたんだけど!?
「ちょ!カテジナヤさんから男の人の声がしましたよ!?」
「え!怖いんだけど!?私無理!!」
「声が二つ聞こえるのです」
アンジェ達がたじろいでる。というか、ちょっと引いてる?
なんか、カテジアナは苦しんでるのか笑ってるのか、その中間みたいな感じで暴れまわってるけど、もしかして悪魔と融合してる?
「ああ!せっかく我が手伝ってやったというのに、この娘ときたら全く使えぬ」
「あなたは・・・悪魔ですか?」
精霊の問いに、カテジアナがケタケタ笑い始めて、すげえキモイ顔で笑ってる。
口角ってそんな上がるんだ。
「いかにも!この娘の魂と融合して、今は我の方が乗っ取っている」
「あーえーっと。悪魔くんは何がしたいの?」
「我か?簡単だ。魔神になるための準備だ」
むむむ?魔神?なんだっそら!
「我の事を見ることが出来たこの女を唆し、力を溜め、準備を進め、魔神に成るのだ!」
「まさか!そのようなことが・・・!」
精霊は驚いてるけど、俺らはイマイチよくわかってないなあ。そもそも、何で魔神になりたいんだ?
「ここの冥光花の特殊な魔力をこの女の身体に宿し、人里に降りて大量の人間を殺め、殺したものの魂を蓄えることで我は覚醒する。・・・予定だったのだがな」
意識はもはや悪魔が完全にのっとったみたいだね。もうずっと声が男だもんな、すげー違和感。
しっかし、えげつない事しようとするよなあ。マジで悪魔!って感じ?
「まさか、器を取られるとは予想外だったぞ。我とこの女の魂を融合させて、魂だけは残すことに成功したのだが、はや40年も経ってしまったぞ。どうしてくれる?精霊よ」
「あなたの好きにはさせません」
精霊と悪魔で話が盛り上がってるけどさ?俺らってどうすりゃいいんだろ。
「ねえねえ精霊さん、封印する前に気付かなかったの?」
「恥ずかしながら、気付きませんでした」
そっかー、気付かなかったかあ。ま、しょうがないね。
どうもこれからこの悪魔?は王都に攻め込んで殺しまくるっぽいし、ここでこいつを倒した方が良さそうだね。
「精霊さん!私達協力します!あの悪魔を通すわけにはいきません!」
「そうなのです!!ボコボコにするのです!」
「ちょっと怖いけど、背に腹は代えられないね!」
アンジェ達は俄然やる気みたいだね。よし、俺もこいつを叩きのめさないとな!
・・・でも、具体的に何すればいいんだろう?
「なあ、どうすりゃいい?身体をどうにかしても、また魂だけ抜けてくんじゃねえの?」
「私があの少女と悪魔の魂を分離させます。あなた方は時間稼ぎをお願いします」
だってさ。要は普通に戦えってことだね。
さ、悪魔退治と行こうじゃないか!アーメン!!




