114話 魔法が使えない俺とカテジナヤ
カテジナヤをみねうちで横薙ぎして、大ダメージを与える事に成功する俺。
宙に放り出された彼女の身体が、地面に激突したね。痛そー。
「カハッ!」って息を吐き出しながら、それでも身体を動かそうとするんで、首の横すれすれで地面に剣をぶっ刺して脅す。
「動いたらそのまま殺すよ?」
「ひっ!」
おいおい、さっきまでの余裕そうな態度はどこ言ったんだよったく。
「で、お前は何がしたいんだよ。復讐か?征服か?」
「・・・」
歯を食いしばりながら黙るカテジナヤ。
お、後ろからアンジェ達が来たみたいだね。
「たくやさん凄いです!あんな中を平気で動けるなんて!!」
「ご主人様は重たいのです!!」
「あれはもう人間じゃないね!!」
それは褒めてるの?貶してるの?
すると、どっから湧いてきたか分からんけど、さっきカテジナヤの身体から出てきた緑の女が来たね。
「彼女は、過ちを図ろうとしたのです」
「過ち?なんの?」
「人体の再構成と、死者の魂を冥界から引きずり下ろす所業です」
・・・んん??どういう事?
つまり、死者蘇生って事じゃねえの?
「えっとつまり、死んだ人を生き返らせるってこと?」
「そう受け取ってもらって構いません」
死人を甦らせるのはタブーだというエンジェル。
なんか腑に落ちないな。
「でも、前ミシアさんは死人を復活させましたよね?」
「確かに、それと違うのか?」
そう、ミシアが自称神だった時、村の人たちの魔力を根こそぎ奪いとって死体の山を使ったことがある。
その死体全部を蘇らせたことがあったから、どうもその過ちについて納得出来ないんだよ。
「この世界で、人間を蘇らせることは自然の摂理に反します。そして、1人の人間を蘇らせる事の代償は計り知れません」
「んー、俺の知ってるやつ、魔王の配下の能力と、自分の魔力と、莫大な魔力の3つを使って、結構なやつを復活させてたよ?ダメなの?」
「はい。そもそも魔王の力が、この世界で許してはいけないモノですから」
まあ、そうだよな。
「因みに、代償ってどういったモノなんですか?」
おお、アンジェよく聞いてくれた!過ちっていうくらいだから、よっぽどやばいんだろ?
「それは・・・」
◇◆◇
ふーん、なるなどね。
でも、わたくしも人に悪いとか言える立場ではないから、あまり否定はできないわね。
「人間の命10人と引き換えに、悪魔と取引ねぇ。そんなバカな事する奴がいるなんてね」
「普通に考えたらおかしいですよ。でも、それをしてしまったみたいです。理由は分かりませんけどね」
受付嬢は苦笑いしながら話してるけど、当事者にしてみれば恐ろしい事ね。
わたくしよりは可愛いモノだけど。
「その悪魔ってそんなに凄い連中なのかしら?」
「最近は聞きませんね。なんせ、今は魔王がいますから」
「当時は魔王が居なかった。英雄ゆうたのパーティに封印されたから、よね」
わたくしは、魔王復活後に配下になったから、あまり昔の事知らないのよね。
「そうですね。もしタイミングがあえば、カテジナヤが魔王の配下になってたかも知れません。それくらい悪魔との取引は禁忌ですよ」
「んま、悪魔は魔王以下って事ね。それなら、たくや様は余裕ね。魔王幹部と渡り合える方だもの」
「あの人は、人智を超えてますよ。もしかしたら、英雄ゆうたに迫るか、それ以上の・・・」
あぁ!!あなた様!!他人にあなた様の評価を貰えることが、わたくし事のように嬉しいです!!
早く戻ってきてください!!!
◇◆◇
あー?なんて?
10人殺して悪魔と取引して、その力でもって人を蘇らせるって?
そこまでして、何やってんだこいつ?
「悪魔との取引。これは許されざる禁忌です。加えて、この神殿のみに咲いていた『冥光花』の生命力を全て吸い取り、この土地に甚大な被害を及ぼしたのです」
め、めーこーか??んだそれ?
あーもー、知らねえ単語ばっかでついていけないんだけど!!
・・・土地に甚大な被害ってさ、もしかしてここ来るまでに戦ったあの骸骨と関係ある?
「冥光花って確か、どんな病も治せるって言われていた、幻の花ですよね?こんなところにあったなんて・・・」
「はい、この地の精霊である私が、人目に触れられぬよう守ってきました。ここを知っているのは、英雄ゆうた御一行のみ」
アンジェ知ってるんだ。博識だなぁ。
しかも、またゆうたが出てきたよ。この人マジで、色んなところで聞くよな。
「まーなんとなく分かったわ。んで、カテジナヤはここまでして誰を生き返らせたかったんだよ」
ずっと黙ってるこの女に一応聞いてみると、すっげー悔しそうに一言。
「母親」




