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111話 魔法が使えない俺と本性

アンジェ達が無数の綺麗な蝶に苦戦してるみたいだから、早く身体を取り戻させないとね。


「たくや!早くやっちゃいなさい!」

「うお!お前マジで覚えとけよ?」


カヤの煽りを受けながら、飛んでくる蝶をうち落として、少女の身体に接近する俺。


蝶一匹一匹から撃たれる、雨みたいに大量な細い魔導砲を避けて、且つ『斬衝天烈閃』による衝撃波で、次々に蝶を青い塵に変えてく。


蝶の群れを渦潮のように集めながら、防御陣形を取る少女の皮を被った何かが、俺に向かって疑問を投げかけてきたぞ?


「汝は何故このようなことをする?」

「んー、人助けかな?」

「浅はかなり人間。このままでは・・・」

「たくや!耳を貸しちゃダメ!!早く倒して!!」


んだよカヤの奴。どの目線で言ってるんだっての。


とりあえず、蝶の集まりを一閃!バラバラになったね。そして、少女の懐まで入って、よっと。


まあ、みねうちでいいでしょ。少女の周りを飛んでるのと、アンジェ達を囲む蝶がサラサラと粒子状に消滅したと。


んで、少女は身体を崩してその場に座り込んだね。痛いと思うけど、手加減はしたから身体は大丈夫でしょう。


「たくやさん!ありがとうございます!!すごいです!!」

「流石ご主人様なのです!」

「たくやくんしか勝たないよ~、あー虫きも!」


後ろの3人は無事みたいだね。


んで、この少女の中の奴を追い出さないと・・・


「汝、なんてことを・・・」

「なにが?お前が身体乗っ取るのが悪いんじゃねえの?」


剣を突きつけながら、負け惜しみ?を言う中の奴。でも、なーんか引っかかるんだよなあ。


あ、カヤが近づいてきたな。こんのアマ。


「ありがとー!たくやのお陰だよー!!さて、身体を取り戻すために気絶させてくれ・・・なに?」


俺は、少女の身体に近づこうとする霊体に剣を向ける。なんか、直感的に違和感があるんだよね。


「カヤ、さっきからお前なに?普通に気分悪いんだけど」

「どうしたのさ、剣なんて向けてさ。私は早く元の身体に戻りたいだけだよ!そうでしょ!40年以上待ったんだから!」


言葉にできないんだよね、このモヤモヤっていうか、つっかえ?


この少女の中に入ってる何者かとの会話を遮るような事してたし、急かせるし。もしかしたら、なんか不都合があるんじゃないの?


「なあカヤ。お前隠し事してない?さっきからこいつの話遮ろうとしてるし、引っかかるんだよ」

「・・・」


俯いて黙っちゃったよ。やっぱ、何か俺らに言えないことがあるんじゃねえのか?


「たくやさん!どうしましたか?」

「あーアンジェ、ちょっと・・・」


俺がアンジェに話そうとした時、ちょっと目を離した隙に、カヤは自分の身体の近くに移動してた。


「フフ、ハハハ!全く、たくやは勘が鋭いんじゃない?」

「は?」

「君みたいな、勘のいい男は嫌いだよ」


霊体は、少女の身体に入り込んだ瞬間に、少女が頭を抱えながら暴れ出したぞ?


「やめろ!侵入を許すわけには!」「うっさい!とっとと返せこのアバズレ!!今の戦いで抗う力も残ってないだろ!」


えー、一人でごちゃごちゃ喋ってるよ。客観的に見たらやべえ奴だなあ。


お、アンジェ達が集まってきたね。


「こ、これはどういう・・・」

「カヤが一人で喋ってるのですー!」

「なになに!?どうなってるの!?」


暴れまわるカヤに、3人は困惑してる様子だな。どうしようこれ・・・


「おい、カヤ。これはどういう・・・?」

「あああ!!うるさい!!!どけっつってんの!!!」


うお!叫んだ瞬間にすげえ衝撃が来たぞ?なんだなんだ?


で、カヤの身体から出てきたのは・・・んん?翼の生えたエンジェル?


緑ロングヘアーで白い翼と白いロングドレスの女性が、カヤの身体からはじき出されるように、俺の懐に飛んできたな?


さわ・・・れるんだ。キャッチ!


「えっと・・・大丈夫?」

「とんでもないことになりました」

「それって、どういう事ですか・・・?」


アンジェの疑問はすぐに払拭された。


だって、カヤの身体の周りにどす黒いオーラが放出されて、服から何まで真っ黒になってくんだもんな。


「はー!やっと戻れたわー!!あ、一応感謝しといてあげる!元の身体に戻してくれたんだからね」

「んー見た感じ、お前悪い奴そうだけど」

「悪いっていうのは、それぞれの価値観で決まるものじゃない?私は悪い奴ではないと思うけど?」


何言ってんだこいつ。子供の屁理屈かよ。


「結局、お前はなんなの?」

「私?私はカテジナヤ、偉大な闇の魔導士よ」


自分偉大とか言ってるよ。しかも、名前違うし。


もしかして痛い子?


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