109話 魔法が使えない俺と封印の謎
は?いやいや、これお墓ですやん?カヤは何を言ってるんだ?
でも、本人の顔つきは至って真面目っぽいね。
「これがお墓じゃないってどういうこと?」
「これは封印。この下に通路があるの」
封印?通路?ここが?
「壊すって・・・ちょっと悪い気がしますね」
「そう?気にしなくてもいいのに」
「じゃあニナが壊すのですー!パーンチ!!」
ニナの拳がでかい墓に向けて、突き出される。
でも、あれまぁ。跳ね返されたね。
「ほわ!パンチしたら飛んだのです!楽しいのです!!」
「えー!なにこれ!!『ドラッヘスラッシュ!』・・・おわ!ほんとだ!!」
んー、封印って言うのは本当みたいだね。よっぽど大事なものがこの先にあるみたいだね。
んじゃあ、俺がたたっ斬るか。よっと!
うん、でかい墓石がくの字に斬れて、崩れ落ちる。そしたら・・・
え、石が最初からなかったように消えて、地面には下へと続く穴?が出てきたよ。
「おー!たくや!やるじゃん!!よし行きましょ!」
「んお、おおう。そう急ぐなって」
カヤが急ぐかのように、穴の中に入ってっちゃったよ。
まあ、しょうがないかな?自分の身体がもしかしたらないかもしれないんだし、気になるんでしょ、多分。
「たくやさん、私達も・・・」
「そうだね、一人で行かせるわけにもいかないし」
「進むのですー!!」
「く、暗くない?怖いなぁ」
よし、俺もカヤの身体がどうなってるのか気になるし、穴の中に入ろうか。
◇◆◇
「ってことで、ギルドからの依頼にしてくれる?」
「えー・・・できませんよそんなこと」
頭の固い女ね。あなた様の為に依頼にするっていったのだから、裏切ってはいけないわ。
「依頼者と依頼内容を審査しないといけませんし。ギルドからの依頼って、無理ですよー」
「どうにかならないのかしら?」
「どうにかと言われましても・・・、グレイブヘッドですか?」
「ええ、そうだけど」
何かしら?眉を潜めてるようだけど。
「何か問題ある?」
「ええと、ここって立ち入り禁止ですよ?」
「は?」
立ち入り禁止って、そんなこと知らないわ?ちゃんと周知しない方が悪いじゃないの。
「どういう事かしら?」
「ここって中腹に墓地があるんですけど、その奥に『オブザード神殿』っていう場所があるんです。そこが今封印されてますので、一般の方は行くことを禁止されてるんです」
「封印?」
意味が分からないわね。墓地に神殿がある理由も、封印されている理由も。
「はい。過去に強力な闇の魔導士が神殿に入りまして、よからぬことをしようとしたんですよ。それで、神殿を守っていた『精霊オブザード』がその魔導士を封じ込めたってことがありまして。その神殿ごと封印したんです」
・・・それ、まずいんじゃないかしら?
その話が仮に本当だとしたら、あのカヤって女が闇の魔導士ってことになるわよね?
まあ、あの方ならすべて解決してくれるでしょう。何故なら最強だから!
「その闇の魔導士を倒しに、たくや様方が行ったから依頼にして頂戴?」
「え!たくや様ですか!?・・・あの方なら大丈夫そうですね。上に聞いてみます」
「よろしく」
あなた様!!わたくし、あなた様の為にお役に立ちましたよ!!!褒めてください!!!
「因みに、闇の魔導士ってカヤって女かしら?」
「いいえ、カテジナヤって女の子だったはずです。そのカヤって方は?」
「たくや様が今住んでるお屋敷に、その女が化けて出てきたのよ」
「もしかして、王都郊外の大きい館ですか?あそこって貴族が昔住んでいて、そのお嬢さんが強大な闇の魔導士だったはずですよ。まさか、カヤとカテジナヤは同一人物の可能性がありますね」
ふむ、あの女、払ってしまえば良かったわ!
「全く困ったものね。なんで闇の魔導士なんてなったのかしらね」
「ああ、それは・・・」
きっかけを受付嬢から聞いたけど、あまりピンとこないわね。
要は愚かしいってことよ。




