106話 魔法がつかえない俺と事故物件?
「ってことがあたんだよ」
おっさんの長い話が終わった。
・・・は?
つまり、この屋敷は幽霊が出る事故物件ですよと。そう言いたいのね?
んまー、俺は別にそういうの大丈夫だけどさぁ。アンジェ達って苦手なんじゃない?
ほら、震えてるじゃん。
「そ、その話、本当・・・なんですか?」
「ちょっと・・・えと、怖いかも」
「ニナよく分からないのです」
ニナは平気らしい。
こんな話聞いて、ここに住みたいやつなんていねえだろ。
俺だって面倒ごとがあるとか嫌だしさ?
安いのには理由があるって師匠が言ってたけど、本当なんだなぁ。
「んで、どうする?買う??」
「まあ、今回の件は・・・」
おっさんの催促。圧がつええわ。
ここはひとつお断りを・・・
「いざとなったら、たくやさんが助けてくれますから、ここにしましょう!!」
は?アンジェ?今なんつった?
「ニナはここでも大丈夫なのですよ?」
ニナ?
「たくや君が何か出ても、やっつけてくれるから、大丈夫だよね!」
ミュラ?
え、嘘でしょ?俺?
「ね!たくやさん!!」
あ、これ断れないやつだ。
「まいどぉ!!!」
おっさんのめっちゃ喜んでる声だけ、すげえ腹立ったわ。
◇◆◇
さて、一通り中は見て回ったかな?
思ったより埃は無いし、汚れとかも気にならないね。
それにしてもマジで広いなぁ。部屋数無駄に多いし、居間はでけえし、寧ろ持て余しそう。
窓の数が多いから、日当たりも困る事ないし、寧ろ明るいまであるよ。
さっき、王都に行って家具とか諸々買ったから、取り敢えずは寝る事は出来るかな?
寝てる時に幽霊なんて出ようもんなら、即身成仏させてやるからな?
話変わるけど、今の技術っていうの?魔道具っていうのか、普通すげーのなんの。
でかいベッドとかテーブルとか、あれめっちゃ小さく出来るから、持ち運びに困らないの。
マジですげえ。
そんなわけで夜。
広い俺だけの部屋のデカめのベッドに寝転がる俺。
やー、1人部屋っていいよなー。気が楽っていうかさ?
緊張の糸が解れる瞬間だよね。
「たくやさん、この家で過ごす初めての夜ですね」
「あー、やっぱりたくや君の横は落ち着くなぁ」
「ご主人様のベッド柔らかいのです」
「あなた様、今日の夜はわたくしと・・・」
俺ね、こうなるとは思ってたんだ。
部屋数が多いのに、自分の部屋もあるのに、寝る時は俺の部屋。
しかも、5人でベッドってさ?流石にそれはどうなん?
「ねえ、新居なんだからさ、各々自分の部屋で寝たいって思わない?」
「たくやさん、お構いなく」
「気にならないのですよ」
「全然問題ないよー」
「わたくしは、ここが良いです」
そっかー、1人はダメかー。1人は寂しいもんな。
「とりあえず俺、トイレ行ってくるよ」
「あ、私も行きます!」
「ニナも行くのです!」
「私もー!」
「あなた様についていきます!」
良い加減にしろや!!!!!!!
◇◆◇
ふぅスッキリした。
なんとか説き伏せて1人になる事ができたけど、トイレですら俺は自由ではないのだろうか?
まあ、明日また説得とかして、どうにか対策を・・・ん?なんだ?
トイレの扉が勝手に開いたけど、ちゃんと閉まってなかったかな。
もっかい閉めてっと。さて、部屋に戻るかぁ。
キィィィィィイイイイィィィ
ん?んだよ、また開いたよ。流石古い屋敷、建付けにガタが来てるんだね。
明日、業者に頼んでみてもらおうかな・・・
「あ、て」
・・・あて?なんか右耳から聞こえてくるな。
でも、人の気配はないし、動物かなんかの鳴き声かな?
「た、て」
縦?あん?なんか普通にうざいな。もうちょっと神経集中させて、場所の把握を・・・
「たす、けて」
助けて?ふむ、右耳から割と近い距離ってことは、横にいるんだな?よし、斬るか。
屋内とはいえ、いつ襲撃されても困らないように、歩くときは剣を持ち歩いてるんだよね~。
さて、横を振り向いたら・・・
おん?髪が長くて、顔を黒い髪で隠した、白い服の女の子がいるな?
この時間に迷子って訳でもないだろうし、もしや盗人か?
とりあえず制圧するか。
「助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて・・・待って!ほんとやめて!!!斬らないで!!!!」
首元に剣をやったら、めっちゃ焦って止めてきたよ。んだこいつ?
「ちょっと!!私の事怖くないの!?」
「・・・は?なんでだよ。泥棒だろお前?」
「違うの!!!話聞いてよ!!!」
んー?理解に苦しむね。




