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現代ダンジョン世界で、俺より先に柴犬が適応した  作者: 寺田Ⅳ式


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第二十三話 体力測定

国から正式にダンジョン関連法案が可決され、各自治体から一斉に発表が出た。

今日は、その申請が可能になる初日だ。


朝はいつも通りあんずと散歩に出た。

自然公園へ向かう道中、入り口にある立て看板の周りに少し人だかりができていた。


「本日より登録制度開始」

「ダンジョン入場には事前申請が必要になります」

「申請は九時から市役所窓口へ」


少し前から貼られていた市役所からのお知らせと同じ内容だ。

市のホームページで必要書類や持ち物を確認して準備は済ませてある。


今日の朝はダンジョンに潜らず、散歩だけで様子を見にきていた。

家に戻り時間を適度に潰した後、必要な荷物を持って市役所へと向かった。


市役所の中では、会議室を臨時窓口と講習会場とわけて使われていた。

入り口には「探索者登録申請受付」と看板がたてかけられていた。


中の窓口は五つあり、すでに受付をしている人たちがいた。後ろには待ち椅子があり、結構な人数が待機していた。おれも入り口の機械から受付番号のかかれた用紙を受け取りあんずと共に中に入る。


待機していた人たちから視線を受けながら、空いていた席にあんずとともに座って順番を待つ。


待っている間はあんずを撫でたり、ここにいる人たちの顔を認識していった。


数十分ほど待つとおれの番号が呼ばれ、あんずとともに窓口に向かう。

対応してくれるのはメガネの真面目そうな女性だ。

「よろしくお願いします」と言い席に座り、あんずも横でおすわりをする。

書類を机の上に出してお姉さんに提出する。

一枚ずつ確認され、抜けや不備がないか見られる。


「…お一人ですか?犬も同行?」


視線が横でおとなしくおすわりをしているあんずに向けられる。

スキル報告欄にも目を留められた。


「未分類のスキルですが、一旦保留とします。」


ステータス報告欄にはLv.1の初期値のまま記載をした。

一通りチェックを終え、問題がなかったのか番号付きの預かり票を受け取り、講習会場の方へ移動を促された。


提出したのは住民票や未成年のための保護者同意書、ステータスとスキルを記載したものと、主体装備の一覧、チーム欄にはあんずの名前と市に届け出が済んでいる鑑札番号を書いた。


講習会場はすでに人がおり、中には見知った顔の人もいた。多数は市外からきたダンジョン探索者だと思われる。


講習ではまず注意事項と法案の内容の説明から始まった。


ダンジョン内でも日本の法律は適用される。怪我は各個人の責任、ヘルメット着用の義務化。


「頭部の怪我が最も被害が出やすく、着用している人としていない人では、負傷率に大きな差が出ています。」


説明を聞き、ダンジョン入場に関する同意書へ署名する。

続いて体力測定のために、市民体育館へ移動をした。

基準はLv.1、初期値の10を想定したデータ収集のようだ。


握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、シャトルラン、五十メートル走、立ち幅跳び、ハンドボール投げ


学生の頃の体力測定と同じ内容のものだった。これに悲鳴をあげたのは社会人グループだった。「何年前だよ!」「体動く気がしない」「キッツ」と各々が両手を床について嘆いていた。


おれはあまり実力を出さないように周りと同じように受けていたが、握力とハンドボールで力の加減を間違えてしまった。

やばっと思ったが、すでに遅く、記録員は驚きながらも数値を記入していた。


監察官にも異常な数値を出したことと、余裕をもって測定をしていることに勘づかれ体育館の隅に呼び出された。


「正直に聞きますが、今何Lv.ですか?」


「…2は、超えています」


実際はLv.5だが、そこまで言わない。

何かを察したような顔をされたが、それ以上は聞かれなかった。


講習は予定通り終了した。

個人のデータが入った許可証は後日郵送で送られてくるらしい。

今日はダンジョンの入場を一時的に許可するものが配られた。


「本日はこれで解散です。お疲れ様でした。」


みな現地解散でそれぞれ家に帰る。


おれとあんずは、夕方の散歩がてらちょっとダンジョンに寄っていくのであった。

毎日0時更新


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