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現代ダンジョン世界で、俺より先に柴犬が適応した  作者: 寺田Ⅳ式


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第十話 四日目

由貴は自然公園のダンジョンに入った。


階段を下りると舗装された道が続いていて、横幅は三、四人が並んで歩ける程度、左右は森で埋まっている。

森に踏み込んでも目印がなく、進めば進むほど戻れなくなる、だから道を外れない。

道を歩いていくと広場が点在していて、一層には五ヶ所ほど、広場に留まると十分ほどでまたゴブリンが寄ってくる。

片道はだいたい五キロ、引き返す時間も含めると、深入りはそれだけで判断を重くする。


由貴は一層で動作だけを確かめ、足の運びと枝の角度が崩れていないのを確認してから奥へ進んだ。

あんずはいつものように半歩前へ出がちになり、由貴が道を選ぶと迷わずついてくる。


下へ続く階段を見つけて降りる。

おそらく二層、景色は一層と変わらない。

道の質も、森の密度も、広場の配置も似ている。

違いがあるとすれば、広場に出た瞬間に出てきたゴブリンが二体だったことだけ。


由貴は位置をずらし、二体を正面に並べないよう角度を取る。

あんずが片方へ飛びかかり、前足で崩して喉へ入る。

由貴はもう片方を引き受け、踏み込ませる前に枝を当てて体勢を崩し、正面に立ち続けないまま喉へ通す。

二体が同時に動いている時間を短くする、それだけで余裕は残る。


道を進み、広場を選んで寄る。

二層でも、広場でゴブリンが現れる流れは同じだった。

戦いが終わるたびに、由貴は頭の中で差を整理する。

数が一匹増えた、次は三匹になるかもしれない。


三匹が同時に来たら、あんずが一、由貴が一、残りの一をどう切り分ける。

由貴が二体を見るのか、あんずに二体を任せるのか、距離を取って一体を引き剥がすのか。

結論はまだ出ないが、二層はその想定を繰り返すにはちょうどいい。


広場の奥で段差が見えた。

下へ続く階段。

三層だとわかる。


今日は二層の様子見のつもりで来ている、ここから先は判断が変わる。

由貴は目線だけを落として、戻る距離と時間を数え、引き返すことにした。


帰りも広場を通るたびにゴブリンが出る。

由貴は戦いを増やすのではなく、帰るために処理する。

あんずは危なげなく先に動き、由貴は角度と距離だけを維持して、二層を身体に覚え込ませるように歩いた。

毎日0時更新


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