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セ・パ・タ・!  作者: 日並うたたね
第1章

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第10話  屋上談義

染谷「昨日はすまなかった!!」


登校後、染谷は席に座っている坂下に深々と頭を下げた。


坂下「え、ちょっと......一体どうしたの?」


染谷「公園での件だ! あれは全面的に俺が悪い! だから......謝罪させてくれ!!」


学年内でも注目の的である2人のやりとり。

しかも、片方は頭を下げている。

その異様な光景に、クラス内は朝からざわついていた。


「おいおい、なんだ?」


「なんか、染谷くんが坂下さんに......謝ってる?」


「染谷...大地ぃ......」


寺田「おい大地ぃ!! お前、今かなり目立っちゃってるぞ!? それに......坂下さんも困ってるだろうが!!」


染谷「それがどうした!? 俺は誤解してた! まさかセパタクローがあんなに......むぐぅぅぅ」


染谷の言葉を遮るように、坂下が口を塞ぐ。


坂下「ちょっと......場所変えるわよ」


坂下は染谷の袖を引っ張り教室を出て行った。


寺田「あ〜もう! 朝っぱらからなんなんだよ〜!?」


文句を言いながらも、寺田は2人の後を追いかけることにした。



屋上にて____


坂下「ねえ、あんた......ちょっとどういうつもり!?」


染谷「どういうつもりもなにもない! 俺は昨日のことを謝りたかっただけだ!」


坂下「謝るって......はぁ。もういいわ。それより____私の方こそごめんなさい」


坂下は染谷に頭を下げた。


染谷「? なんでお前が謝るんだ?」


坂下「ボール......思いっきりぶつけちゃったでしょ?」

「......大丈夫だった?」


染谷は、みぞおちのあたりを軽くさすりながら頷いた。


染谷「ああ! まあ、少しは痛かったが......問題はない」


坂下「そっか......それなら良かった。」


染谷「それより! 昨日、セパタクローに関して色々と調べたんだ。試合の映像も見たんだが......凄いなあれは!!」


染谷が興奮気味に続ける。


染谷「攻撃のたびに選手が高く舞い上がり......あんなにアクロバティックな体勢から、稲妻のようなアタックを次から次へと敵陣に落とす!!」


坂下「...」


染谷「守る方も凄い! あれ、140km/hくらい出てるんだろう!? それを身体を張ってブロック____ましてや脚で拾うなど!!」


坂下「......」


染谷「競技人口も、アジアだけで数百万人もいるそうじゃないか!? 当然だ! あんなにかっこいいんだからな!!」


寺田(おいおい! 坂下さん俯いて震えてるぞ!! もしかして......めちゃくちゃ怒ってね〜か!?)


坂下「なのよ......」


寺田(え? 坂下さん......)


坂下「そうなのよー!! セパタクローってね、本当にすっごい競技なの!!!」


染谷に続き、今度は坂下が饒舌に話出す。


坂下「アクロバティックなプレイは、もちろん一番の魅力ではあるんだけどね!! アタッカーは競技の花形ポジションだし......でも、それだけじゃあないわ!!!」

「1つのプレイの中には、沢山の戦略が組み込まれてるの! そして......それを可能にするのがチームワーク!! 1人じゃあ絶対に勝てないわ!!!」


坂下「それでね......」


染谷「ほうほう......」


2人は夢中になってセパタクロー談義に花を咲かせている。


寺田(なんかすげ〜盛り上がってんな。それに坂下さん......教室だと割と静かな方だけど_____セパタクローが絡むとこんなに人格変わるのか)


染谷「それでな! 調べてみたら、数年前に話題になってから全国規模で部活動も盛んになってきてるらしい!!」

「大きな大会も開かれていてな! 夏と冬には全国大会もあるそうだ!!」

「そうとなれば____もうやるしかないだろう」


寺田「やるって......なにをだよ?」


染谷「作るんだ! 俺たちで!!」

「セパタクロー部を!!!」


寺田「ちょ、お前! いきなりなに言い出すんだよ!」


染谷「高校の大会は3人1組のチームで出られる! 男女分けもないから俺たちでチームを作れるぞ!!」


寺田「俺たちって......お前に、坂下さんだろ。で......」

「え!? もしかして俺も!?」


染谷「当たり前だろ! 聞いてなかったのか? 3人1組なんだぞ?」


寺田「いや! でも俺は美術部に......」


染谷「取り敢えず最初だけで構わん! 人が足りなければ部活の認可も降りんだろうしな」


坂下「......ダメよ」


染谷「え?」


坂下「ごめん。 それは......できない」


寺田「坂下......さん?」


坂下は俯いたまま1つため息をつく。

淀んだ空気とは対照的に、空はどこまでも澄み渡っていた。


***


※この作品に登場する大会名・団体名・学校名・登場人物はすべてフィクションです。



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