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運命の海域


 午前5時、『根源の神殿』上空の海域に、人類史上最大の海戦を予感させる三つの艦隊が集結していた。


【アーテミス統合海軍 - 旗艦『アルテミア』艦橋】


「元帥、敵艦隊の配置が確定しました」


 ウォルター・オールドガード提督が、巨大なスクリーンの前でアリア・フォン・アーテミス海軍元帥(20歳)に報告した。


「極東連邦艦隊は北東15海里、財団艦隊は南西20海里に位置しています」


 戦術支援装置が三次元で敵配置を表示した。


【三勢力の詳細配置】


【アーテミス統合海軍(西側配置)】

- 旗艦:原子力空母『アルテミア』(航空機90機)

- 護衛艦:イージス駆逐艦『ガーディアン』『プロテクター』『ディフェンダー』『シールド』『バリア』『セーフティ』

- 潜水艦:攻撃型原子力潜水艦『ハンター1』『ハンター2』『ハンター3』『ハンター4』

- 総兵力:4,200名


【極東連邦機動部隊(北東配置)】

- 旗艦:空母『イーグル』(航空機60機)

- 第2空母:『フリーダム』(航空機50機)

- 第3空母:『リバティ』(航空機40機)

- 護衛艦:駆逐艦8隻、巡洋艦4隻

- 潜水艦:原子力潜水艦6隻

- 総兵力:12,000名


【新テクノ・アルカナ財団艦隊(南西配置)】

- 旗艦:深海探査母艦『プロメテウス』(全長400m)

- 護衛艦:最新鋭駆逐艦6隻

- 潜水艦:ステルス潜水艦8隻

- 特殊兵器:無人攻撃機80機

- 総兵力:6,000名


---


【午前5時30分 - 『アルテミア』作戦会議室】


 本格的な海戦を前に、アリアは主要指揮官を集めて最終戦術会議を開催した。


「皆様、これより最終戦術会議を開始します」


会議室には、統合艦隊の中核メンバーが集結していた。


【出席者】

- 女王アリア・フォン・アーテミス海軍元帥:統合艦隊総司令官

- ウォルター・オールドガード提督:副司令官兼参謀長

- ガレス・ド・モンクレア司令官:艦隊副司令

- ハリー・ソードマン艦長:駆逐艦『ガーディアン』

- セルゲイ・モロゾフ艦長:潜水艦『ハンター1』

- トム・ファーマーソン中佐:第1航空団長


「まず、敵戦力の分析から始めます」


 ウォルター提督が戦術ボードを指しながら説明した。


【財団艦隊の脅威分析】


「財団の最大の脅威は、これまで見たことのない新技術です」


- 電磁パルス兵器:我が艦隊の電子機器無力化

- 自律型戦闘ドローン:知能機械制御、人間の判断不要

- プラズマレーザー砲:光速攻撃、迎撃不可能

- ステルス潜水艦:従来ソナーでは探知困難


「特に電磁パルス兵器は、我が艦隊の近代装備を一瞬で無力化する可能性があります」


 アリアが対策を確認した。


「古代技術による対抗手段は準備できていますか?」


「はい。『情報統御技術』により、電子機器の防護と性能向上が可能です」


「ただし、その他の古代技術が一時的に使用不能となるリスクがあります」


【極東連邦艦隊の複雑性】


 ガレス司令官が極東連邦の状況を分析した。


「極東連邦艦隊は、内部分裂が予想されます」


「穏健派12隻が我々への合流を検討中です」


「問題は、彼らの家族が財団に人質として拘束されていることです」


 アリアが重要な決断を示した。


「家族の救出は、我々の責任です」


「戦闘と並行して、人質救出作戦も実施します」


---


【元帥としての重圧】


 会議終了後、アリアは一人で艦橋に立ち、内心の重圧と戦っていた。


「VRでは何度も空母機動部隊を指揮した...でも」


 現実の艦橋は、VRとは全く異なる緊張感に満ちていた。


- リアルタイム情報の洪水:レーダー、ソナー、通信が秒単位で更新

- 4,200名の部下の生命:判断ミスが直接的な死傷者に直結

- 国際的影響:この戦いの結果が世界秩序を決定

- 技術的不確定要素:敵の新技術への対応


「元帥、初弾の指示をお願いします」


 ウォルター提督が静かに促した。


「...分かりました」


 アリアが深呼吸をして、海軍元帥としての責任を受け入れた。


「『段階的作戦展開』を適用します」


【第1段階:情報収集・敵戦力分析】


「E-2早期警戒機8機を最大高度に上げ、敵艦隊の詳細な戦力分析を実施」


「各艦のレーダー・ソナーを最大出力で起動、360度全方位監視体制」


「通信傍受により、敵の作戦意図を把握」


---


【極東連邦旗艦『イーグル』艦橋】


「提督、財団本部からの最終指令です」


 通信士が、エリック・ストームライダー提督(45歳)に暗号電文を手渡した。


 ストームライダーは25年の軍歴を持つベテランだったが、今回の作戦には深い疑念を抱いていた。


【財団からの指令内容】

1. アーテミス艦隊の完全殲滅

2. 古代技術の強制奪取

3. アリア女王の拘束または排除

4. 反抗する場合は家族への「処置」実行


「提督...」


副官のサラ・フリーダム大佐(35歳)が心配そうに声をかけた。


「私の妻と娘が、財団の『保護』下にあります」


 ストームライダーが苦渋の表情で説明した。


「表向きは『軍人家族の安全確保』ですが、実際は人質です」


 サラ大佐は極東連邦軍でも数少ない女性指揮官で、財団の強硬路線に反対する穏健派のリーダーだった。


「提督、我々穏健派12隻の艦長が密かに相談した結果があります」


「どのような結果ですか?」


「適切な時機に財団への反旗を翻し、アーテミス艦隊に協力することで一致しました」


「しかし、家族の安全が...」


「それは、アリア元帥の『慈悲の統治』に賭けてみませんか?」


 サラ大佐が提案した。


「彼女なら、必ず我々の家族も救ってくれるはずです」


---


【財団旗艦『プロメテウス』司令室】


「全艦戦闘準備完了。新兵器のテストには絶好の機会です」


 黒いスーツの技術者が、機械的に変調された声で報告した。


 深海探査母艦『プロメテウス』の司令室は、これまで見たことのない最新技術で満たされていた。


【財団内部の不安】


 しかし、財団の技術者たちの中にも、密かに不安を抱く者がいた。


「本当にこれで良いのでしょうか?」


 若い技術者が、上司に小声で相談した。


「アリア女王の平和的解決の実績を見ると、話し合いの余地があるのでは?」


「黙れ」


 上司が厳しく制止した。


「我々の使命は技術の発展だ。感情に惑わされるな」


 しかし、若い技術者の疑問は消えなかった。


【財団の新技術兵器】


1. 電磁パルス砲(EMP)

- 射程50km、敵艦の電子機器を完全無力化

- 核兵器以外で最強の電子戦兵器


2. 自律型戦闘ドローン『ヴァルキリー』

- 知能機械完全制御、人間の判断を必要としない

- ステルス機能、レーザー兵器搭載

- 群体戦術による飽和攻撃


3. プラズマレーザー砲

- 光速攻撃、迎撃不可能

- 艦艇装甲を瞬時に貫通


4. 量子通信システム

- 盗聴・妨害不可能な通信技術

- リアルタイム戦術調整


「ドクター・プロメテウス、作戦開始の準備が整いました」


 仮面をつけた謎の人物が、冷徹に状況を確認した。


「アリア元帥の古代技術は確かに脅威ですが、我々の科学技術の前では時代遅れに過ぎません」


---


 午前7時、三艦隊間で歴史的な無線交信が開始された。


「こちら、アーテミス統合海軍旗艦『アルテミア』、アリア元帥より各艦隊司令官へ」


 アリアが艦橋のマイクに向かった。声は若いが、威厳に満ちていた。


「この海域は国際水域です。『根源の神殿』の技術は、世界平和のため共同管理すべきものです」


「平和的な話し合いによる解決を提案します」


【極東連邦からの複雑な応答】


「こちら極東連邦機動部隊旗艦『イーグル』、提督エリック・ストームライダーです」


 画面に現れたのは、厳格な軍人の顔だった。しかし、その目には深い苦悩が宿っている。


「アリア元帥、私は個人的にはあなたの理念に賛同します」


「しかし...」


 ストームライダーの声が震えた。


「我々は複雑な状況に置かれており、自由な選択ができません」


「家族の安全という、軍人として最も重い責任を背負っています」


 この言葉により、極東連邦軍の苦しい立場が明らかになった。


【アリアからの個別通信】


 その時、アリアがストームライダー提督に個別の暗号通信を送った。


「提督、私は約束します」


 アリアの声に、確固たる決意が込められていた。


「あなたのご家族を必ず救出いたします」


「それが『慈悲の統治』の責任です」


 ストームライダーの目に涙が滲んだ。


「元帥...ありがとうございます」


「その言葉だけで、十分です」


【財団からの挑発的通信】


「諸君、感傷的な対話は時間の浪費だ」


 機械的に変調された声が全艦隊に響いた。


「私はドクター・プロメテウス。新テクノ・アルカナ財団を代表する」


「『根源の神殿』の技術は、科学的管理により最大限活用されるべきです」


「旧来の政治的枠組みは、技術進歩の障害に過ぎません」


「従うか、排除されるか。選択の時間は10分間とします」


---


 財団の最後通牒を受けて、アーテミス艦隊は臨戦態勢に移行した。


【空母『アルテミア』飛行甲板】


「全機戦闘準備!」


 トム・ファーマーソン中佐(元農民出身弓兵、現F/A-18パイロット)が、部下たちに檄を飛ばした。


 3年前は弓矢を使っていた農民が、今や最新鋭戦闘機のパイロットとして活躍している。アリアによる技術習得の奇跡だった。


「中佐、初の現代航空戦ですが、大丈夫ですか?」


 若いパイロット、ジェームズ・ランサー少佐(元騎兵、23歳)が不安を口にした。


「なぜだろうな!理解できているんだ。でも、実戦は命がかかっている」


「だからこそ、仲間を守り抜く」


 トムが戦闘機『ファルコン1』のコックピットに乗り込んだ。


【駆逐艦『ガーディアン』艦橋】


「対空戦闘準備完了」


 ハリー・ソードマン艦長(元ベテラン剣士、現駆逐艦艦長)が報告した。


 30年の剣術経験が、現代の艦艇指揮に不思議と活かされていた。


「敵の新技術は未知数だが、我々には古代技術がある」


「そして何より、正義が我々と共にある」


【潜水艦『ハンター1』艦内】


「深度200m、静粛航行継続中」


 セルゲイ・モロゾフ艦長(元ガルディア軍大尉、現潜水艦艦長)が、ソナー員に指示した。


 元敵軍だった彼も、今やアーテミス海軍の中核を担っている。


「財団潜水艦8隻の位置を確認。ステルス性能は高いが、古代技術強化ソナーなら探知可能」


「仲間の艦隊を守るため、必ず敵潜水艦を制圧する」


---


【巡洋艦『リバティ』艦長室】


 極東連邦艦隊の穏健派12名の艦長が、秘密の会議を開いていた。


「サラ大佐、最終的な決断の時が来ました」


 駆逐艦『ジャスティス』のマイケル・フリーダム艦長が口火を切った。


「我々は軍人として、正義のために戦うべきです」


「しかし、家族の安全は...」


 重巡洋艦『ホープ』のエミリー・ピース艦長が不安を表明した。


「それこそが、財団の卑劣な手段です」


 サラ・フリーダム大佐が力強く答えた。


「家族を人質に取り、軍人の良心を踏みにじる」


「このような組織に従うことこそ、真の裏切りです」


【穏健派艦艇の戦力】

- 巡洋艦『リバティ』(サラ・フリーダム大佐)

- 駆逐艦『ジャスティス』『フリーダム』『ピース』『ホープ』(4隻)

- 護衛艦『マーシー』『カインドネス』『コンパッション』『ジェントルネス』(4隻)

- 潜水艦『トゥルース』『ウィズダム』『カレッジ』(3隻)

- 航空戦力:戦闘機60機


「穏健派だけでも、相当な戦力です」


「適切な時機にアーテミス艦隊に合流すれば、財団に対して優勢に立てます」


「問題は、提督ストームライダーの決断です」


---


【旗艦『イーグル』提督室】


 エリック・ストームライダー提督は、家族の写真を見つめていた。


 妻のマリアと娘のエリカ(15歳)が笑顔で写っている。しかし、財団の『保護施設』に収容されている現実を思うと、心が引き裂かれそうだった。


「アリア元帥の個別通信...」


 提督は先ほどの会話を思い返していた。


「『必ず家族を救出する』と約束してくださった」


「コンコン」


 ドアをノックする音がした。


「入れ」


「提督、私です」


 サラ・フリーダム大佐が入室した。


「穏健派の艦長たちの総意をお伝えしたく」


「...聞こう」


「我々は、アリア元帥の理念を支持します」


「財団の野望を阻止し、真の世界平和に貢献したいのです」


 ストームライダーが重いため息をついた。


「サラ、君は家族がいないから、そう言える」


「私には、妻と娘がいる。彼女たちを見殺しにはできない」


「提督」


 サラが真剣な表情で続けた。


「アリア元帥の『慈悲の統治』を信じてください」


「彼女なら、必ず我々の家族も救ってくれます」


「それに、財団の支配する世界で、家族が本当に幸せになれるでしょうか?」


 この言葉が、ストームライダーの心を動かした。


---


 午前7時30分、財団艦隊が卑劣な先制攻撃の準備を開始した。


【財団旗艦『プロメテウス』兵器管制室】


「電磁パルス砲、充電開始」


 技術者が冷徹に作業を進めた。


「出力レベル:最大」


「射程:50km」


「目標:アーテミス艦隊全艦の電子機器」


「効果:完全機能停止、復旧に最低6時間」


 ドクター・プロメテウスが最終確認した。


「この攻撃により、アーテミス艦隊は原始的な目視戦闘を強いられます」


「我々の自律型ドローンと最新兵器の前では、なすすべがないでしょう」


「電磁パルス砲、発射準備完了」


「10分後に発射開始します」


---


 しかし、アリアには財団の計画を察知する手段があった。


「守護者、財団の動きに異常を感じます」


 アリアが古代技術装置に問いかけた。


「危険です、アリア様」


 守護者の声が警告した。


「財団が大規模な電子攻撃を準備しています。全艦隊の電子機器が無力化される可能性があります」


「対策はありますか?」


「古代技術『情報統御技術』を予防的に発動すれば、電子攻撃を無効化できます」


「ただし、大きなエネルギーを消費し、他の古代技術が一時的に使用不能になります」


【使用不能となる古代技術】

- 物質変換技術:装備強化、物資創造(4時間使用不可)

- エネルギー操作技術:攻撃力増幅、防御結界(6時間使用不可)

- 時空間制御技術:瞬間移動、高速移動(8時間使用不可)


「つまり、防御に特化する代わりに、攻撃的な古代技術を失うということですね」


 アリアが即座に決断した。


「構いません。仲間の安全が最優先です」


「『情報統御技術』を艦隊全体に展開してください」


【古代技術防御結界の発動】


 アリアが古代技術装置を最大出力で起動すると、アーテミス艦隊全体が淡い光に包まれた。


「これは...」


 ウォルター提督が驚愕した。


「全艦の電子機器性能が3倍に向上しています」


「レーダー探知距離150km、通信は完全暗号化、ソナー精度は潜水艦の呼吸音まで識別可能」


「そして、外部からの電子攻撃を完全遮断する防護結界が展開されています」


 ガレス副司令が戦術的意義を説明した。


「これで財団の電磁パルス攻撃は無効化されました」


「むしろ、我々が電子戦で優位に立てます」


---


 午前7時45分、ドクター・プロメテウスが最後通牒を発した。


「時間切れです。アーテミス艦隊とアリア元帥に最後の機会を与えます」


「『根源の神殿』から撤退し、古代技術の管理権を我々に移譲すれば、生命は保障します」


 アリアが毅然として応答した。


「古代技術は、特定の組織が独占すべきものではありません」


「世界中の人々の幸福のために、共同管理されるべきです」


「我々は撤退いたしません」


「愚かな判断です」


 プロメテウスが冷酷に宣告した。


「ならば、力によって技術を奪取するまでです」


「全艦、攻撃開始!」


---


 午前8時、財団艦隊が人類史上最大の海戦の火蓋を切った。


「電磁パルス砲、発射!」


 財団旗艦『プロメテウス』から、巨大な電磁波が放射された。


 海面が光り、空気が震え、鳥たちが逃げ惑う。


 しかし...


「目標到達...何だと!?」


 技術者が驚愕の声を上げた。


「電磁パルスがアーテミス艦隊に全く影響を与えていません!」


「バリアのような現象で完全に防がれています!」


 ドクター・プロメテウスが激怒した。


「古代技術の防護能力を過小評価していた!」


【アーテミス艦隊の反応】


「電磁パルス攻撃を完全遮断!」


 ウォルター提督が興奮して報告した。


「全艦の電子機器に異常なし!むしろ性能が向上しています!」


 アリアが冷静に状況を分析した。


「財団の切り札が無効化されました」


「これで互角以上に戦えます」


「全艦、反撃開始!」


---


 電磁パルス攻撃の失敗を見て、極東連邦艦隊内部で決定的な変化が起こった。


【旗艦『イーグル』艦橋】


「提督、財団の電磁パルス攻撃が失敗しました」


 副官が報告した。


「アーテミス艦隊の古代技術は、我々の予想を遥かに超えています」


 エリック・ストームライダー提督が重大な決断を下した。


「...通信士、サラ大佐に緊急通信を」


「提督?」


「穏健派艦艇に告ぐ。これより我々は、正義のために戦う」


【穏健派艦艇への一斉通信】


「諸君、25年の軍歴をかけて宣言する」


 ストームライダーの声が穏健派12隻に響いた。


「我々は軍人として、正しい道を選ぶ」


「家族の安全は、最終的にアリア元帥に委ねる」


「全穏健派艦艇、アーテミス艦隊に合流せよ!」


【穏健派の離反と強硬派の反応】


「了解!」


 サラ・フリーダム大佐以下12名の艦長が一斉に応答した。


「巡洋艦『リバティ』、アーテミス艦隊に合流します!」


 しかし、強硬派8隻では激しい動揺が広がった。


「提督が裏切った!」


「穏健派が離反している!」


「我々はどうすれば...」


 強硬派艦隊では、指揮系統の混乱が発生し、戦闘能力が大幅に低下した。


---


 極東連邦穏健派の合流により、戦力バランスが劇的に変化した。


【新統合艦隊(アーテミス+極東穏健派)】

- 空母:『アルテミア』(アーテミス)

- 巡洋艦:『リバティ』(極東穏健派)

- 駆逐艦:10隻(アーテミス6隻+極東穏健派4隻)

- 護衛艦:4隻(極東穏健派)

- 潜水艦:7隻(アーテミス4隻+極東穏健派3隻)

- 航空機:150機(アーテミス90機+極東穏健派60機)

- 総兵力:8,000名


「これで戦力は財団を上回ります」


 ウォルター提督が分析した。


「極東連邦強硬派8隻も、士気が大幅に低下しているはずです」


 アリアが統合艦隊の指揮を執った。


「サラ・フリーダム大佐、ストームライダー提督、ありがとうございます」


「我々は必ず、皆様の家族を救出します」


「今、真の統合艦隊として、財団の野望を阻止しましょう」


---


 午前8時30分、戦況は完全に変化していた。


 三つ巴の戦いは、統合艦隊(アーテミス+極東穏健派)vs 財団艦隊 vs 極東強硬派残存艦隊の複雑な構図となった。


【アリアの最終決意】


「これより類を見ない戦が始まります」


 アリアが統合艦隊全艦に向けて宣言した。


「我々が戦うのは、技術の独占を企む者たちとです」


「古代技術は、世界中の人々の幸福のために使われるべきです」


「正義と平和のため、全力で戦いましょう!」


 統合艦隊8,000名の兵士が一斉に応答した。


「アリア元帥万歳!世界平和万歳!」


 海上に響く歓声と共に、真の決戦が幕を開けようとしていた。



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