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秋定与太話

メーデー!メーデーっ!~「秋定与太話」第五弾

作者: 秋定弦司

 いつもありがとうございます。秋定です。

 この「秋定与太話」シリーズも数えてみればもう「第五弾(何本書いたのか作者ですら忘れていたという話はナイショ)」になりました。

 さて、前作は「本編よりあとがきでウケた」という作者としては「着弾失敗」をやらかしました。(やっと自責の念を感じだしたよコイツ)

 今回は大丈夫だろうとは思いますが、そこは読者の皆様のご判断にお任せ致します。

 (やっぱりコイツに「自責の念」なぞ期待した俺がバカだった)

 あと、極力ボカしたとはいえ、内容が内容ですのでご覧いただく時間には十分お気を付けください。特に食前に読むことはお勧めしません。もう一度声を大にして言います!

 食前には読まないでください!(やっぱり責任回避しやがったよコイツ)

 それでは、感動も何もない与太話、とくとご覧あれ!


 飾磨県明石郡某所より(お前さぁ……もうそろそろその「大明石主義」から脱却しようとか……思わねぇか)


秋定 弦司

  大沢は胃腸が弱い。それゆえに「木クレオソート製剤(通称:正〇丸)ソムリエ」を自称する羽目になってしまった。

 こればかりは生まれつきのものなので致し方ない。

 とはいえ、出勤直前など「タイミングを考えろ!」とわめき散らしたくなることも結構ある。幸いにも遅刻はしていないものの…えらい!

 ひどい時は、職場に着くなりいきなりトイレという名の「防空壕」にこもりっきり。

 同僚からは「お前サボっていただろう?」など、酷い時には「お前防空壕でタバコ吸ってただろう」と……。

 アホか!そんな事したらタバコのにおいは充満するし、下手したら「煙感知器」が作動して大ごとになるわ!

 「とりあえず、このアホを職場のロッカーに隠してある機関拳銃でハチの巣にしてやろうか」と思いつつ、定時に帰りたいので仕事に戻ると防空壕にこもっていたであろう時間分の仕事をのペースを早めて仕事に向かうのが日常だった。

 同僚の一部からは「大沢が防空壕に行っている時間分の賃金を差し引け」という声もチラチラしているらしいが、大沢にしてみれば、


「生理現象だから仕方ないだろうが!」


 と言い返したくもなる。この点については大沢が正しい。

 しかも、時間分の仕事はこなしているので尚更である。

 そんなこんなで仕事が終わり、帰宅しようとしたある日のこと、腹痛(ヤツ)は無慈悲に襲ってきた。

 もう帰りの駅の改札口は目の前なのに……。

 とりあえず改札口を通って改札内の防空壕を使うことを真っ先に考えた。その判断自体は間違っていない。

 しかし、そこが空いている保障はない。

 そうこうしているうちに状況は段々ヤバくなってきた。

 ちょうどそこに案内所の防空壕が目に入った。


「あそこなら使える!」


 と一目散にわき目を振らずに突入した。


 (さすがにここは省略)


 「用事」が済んで扉を開けた瞬間、周りの冷たい目線が……特に女性から……。

 更に案内所の係員や男性からも白い目で見られている。

 「一体俺は何をしたんだ?」と疑問を持ちつつ外に出て振り向いた時、「あ」と今までにない間抜け面で入った方向を見ると、そこにはデカデカと「女性用」の文字が……。

 そして誰が呼んだのか、警官が二人やってきた。

「うっわ。これ職質(職務質問)どころか事情聴取やんけ!」と咄嗟に大沢は思った。

 案の定、警官からは


「ちょっとそこの交番までご一緒願えますか?」


 との言葉が……。

 「ちょっと署まで」という絶望感もなく、かと言ってこの場で事情聴取という「公開処刑」にされるわけでもなく、「交番」という二文字にこれほど心が救われる思いをしたのは初めてだった。だからといって警官がイヤな存在であることは間違いない。

 素直に警官に従うままに交番に入り、カバンの中やらポケットをチェックされる。機関拳銃など「ヤバいブツ」を入れてなくてよかった。

 その中でもスマホは「盗撮の疑い」もあるため念入りにチェックされた。そんなことしてる余裕なんか無かったわ!と心の中で思いつつ、警官の質問に答えていった。

 そしてカバンの中から例の「木クレオソート製剤(〇露丸)」のビンを見つけたとき、警官の目つきが変わった。

 「これは?」

 と聞いてくる警官の質問に最早真面目に答える気力さえ失っていた大沢は


 「開けてみてくださいよ」


 と、ぶっきらぼうに答えた。

 その言葉を聞いた警官はビンのフタを開け、中身を見て納得した。


「ね、わかったでしょ。」

 仕事の疲れとアホな事に付き合わされた疲れが重なって、先ほど以上にぶっきらぼうに答えた。

 そして、ひとしきり事情聴取が終わると、警官からは型どおりに


「ご協力ありがとうございました。」


 と言われて無事解放され交番を後にしようとした時、ある疑問が湧いたので聞いてみた。


「あのう、『男の娘』って知ってます?」

「うん。それが?」

「私と同じ状況であればどうします?」

「うーん。今まで事例がなかったから何とも言えませんねぇ。それよりも今回みたいなことがあったら遠慮なくウチを使って下さいね」

「ありがとうございます。その時はお願いします。」


 と、何とも釈然としない気持ちを持ったまま交番を後にした。

 この度も秋定与太話第五弾「メーデー!メーデーっ!」をご覧いただきありがとうございました。

 この話は元同僚から聞いた話をベースにある程度膨らませて作りました。

念のため申し上げますが、元同僚からその話を聞かされた時、周囲一同口をそろえて「それは仕方がない」と言っておりました。私も同感です。

 さて、最後の「男の娘~」のくだりは完全に私の経験談です。

 近場のトイレに入ろうとした時、すれ違いに上手にメイクをした男性が飛び出してきたので、「ここ男子用トイレで間違いないよな?」と不安になったことがきっかけです。

 もっとも、その「上手なメイクをした男性」は上下ジャージ姿だったので、不安になったのは一瞬でしたが……。

 改めて考えてみると、男性でも日傘を差したりメイクをする人はするので、ここは「年代的な考え方の差」なのでしょう。


 それでは、「秋定与太話第五弾」、今回はここまで。

 またご縁があればその時はよろしくお願いいたします。


秋定 弦司

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