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第4話 転入生

初めての作品なので至らぬ点があると思いますがご了承ください。

この物語は前日談です。

本編は漫画でかこうと思ってます。

コメント、評価、拡散の方是非お待ちしています!

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第4話 転入生


目を覚ました圧彦は身支度を済ませ、食堂まで行く。


「…寝覚めが悪い…」


まさかあの日のことを夢で見るとは思わなかった。


あれは、僕が幼い頃あった出来事だ。

あの日以来、僕の髪の毛が一部赤くなっている。

どういうことなのかは分からないが、あの日以来赤くなっている。


顔を洗い、制服に着替えて食堂へ向かう。


その途中にある大階段で誰かとすれ違う。


「おっ、君が噂の転入生?よろしくね〜。」


白髪の男の人だった。

その人はそういうと、振り返りながら手を振り階段を上がっていった。


「よろしくです…。」


誰だったんだろう…?同級生なのかな?


圧彦より小柄な体型だったため自然とそう考えた。


階段を降り、廊下を少し歩くと大きな食堂へと繋がっている。


「あ、おはよう圧彦くん!」


食堂に来ると、由味さんが元気よく挨拶をしてくる。


「おはようございます。」


「あ、そうだ!学長がねー、仕度ができたら教室棟の渡り廊下の前に来いだってー。あ、これ朝ごはんね。」


「あ、ありがとうございます。」


食堂のカウンター席に座ると、由味さんは用意良く朝ごはんを出してくれる。

健康的な朝ごはんだ。

栄養面もしっかりと考え込んであるらしい。

それで、おいしい。

完璧すぎる…


「昨日の夜の時も言った気がするんですけど、由味さんのご飯美味しすぎません?ほんと神だと思います。」


「いや〜、それほどでもー」


聞き慣れた感じでそう答える。


「いっつも言われるから褒められ慣れてるんだよねー、それ。」


「そうなんですね…それもそうか、こんなに美味しければそりゃあ褒められますよね。」


「まぁね〜」


由味さんはそう聞き流すように言う。


「あ、そうそう。わかってるかもしれないけど学長の無茶振りには気をつけてね〜」


「…そうですね。」


「あ、その感じはもう食らっちゃった感じかな〜? ね、何言われた?」


由味さんは少し食い気味に言ってくる。


「えっと〜…僕が起こした事件現場に連れていかれたり…?」


「あははー、何それサイテー!ま、学長らしいね。」


「逆に由味さんはどんな無茶ぶりを…?」


「んー、そうだね〜…実は〜私がこうやって料理長してるのも学長の無茶ぶりからだったりするんだよね〜。」


「え、まじですか。」


「まじです!」


「まじかよあの人…」


俺は今、改めてあの人がやべえ人なんだと再確認した。


「ま、ま、そんな話してるより早く食べて行きなよ。学長怒らせたらめんどくさいよ〜。」


「…そうですね。……ごちそうさまでした!お皿お返ししますね。」


食器をまとめ、由味さんにお皿を渡す。


「あ、ごめんね!ありがと〜そのままおいてくれてても全然良かったのに!…いってらっしゃい!」


「いってきます!」


食堂を後にし、学長が待っているという教室棟の渡り廊下へ向かう。


この学校は、資料棟、体育館、教室棟、寮棟の4つ建物があり、その施設を結ぶ十字路の渡り廊下が敷地内中央にある不思議な形をした学校だ。

学校の玄関や昨日学長と話をしていた部屋は資料棟にあたるらしい。

十字路の中央は大きな東屋のような休憩スペースがあり、その下は池になっている。

ちなみに池は学長が作ったらしい。


十字路を走り抜け、教室棟へ向かう。

すると、教室棟へ向かう入口付近に一人の人影が見えた。


「ろうかをはしるなー。」


そう言われたので走るのをやめ、その人の前まで歩いて行く。


「…ま、言ってみたかっただけなんだけどな。おはよう、圧彦くん。」


「…思いつきで言ってみないでくださいよ…学長…。」


彼女は入口の前で仁王立ちをして待っていた。


「別にそんなに急がなくても大丈夫だったんだけどな。」


「えっ、そうだったんですか…。」


「ま、別にいいだろ。」


「いやよくないで…」


「ほら、教室いくぞ。早くしろ。」


「無視かよ…」


そう言い、教室棟の中へ入っていく学長の後をついていく。


「圧彦、今からちょっとした歓迎会的なことをする。」


「歓迎会?」


「あぁ、お前がこれから一緒に生活をしていく一年生たちとちょうど暇そうだった2年生たちも呼んでおいた。」


「えっ…」


「うち…というか魔術師界は万年人手不足だからな。学生も毎年少ないんだ。今年はうちの学校は一年が君入れて四人、二年は三人、三年が一人いるけどあいつは今日はいない。だから今いるのは教師含めて八人だ、大した人数じゃない、そんなに緊張せんでも大丈夫だ。」


「いや、そういう話じゃなくて…」


そんな話をしていると、おもむろに学長は足を止めた。


「ついたぞ、ここが一年の教室な。ま、詳しいことはあいつらに教えてもらえ。私がちょっと挨拶するからその間に気持ち整理しとけ。入ってこいって言ったら入ってこいよー。」


そう言うと、学長はその教室へ入っていった。


「おはようみんな!朝から集まってもらって悪いな。昨日チラッと聞いた人もいるかもしれないが今日転入生が来ています!」


「「おぉ〜」」


「じゃ、入ってこい。」


教室からそう声がかかったので戸を開けて教室へ入る。


教室には生徒が6人椅子に座っている。

学長は教壇のところに立っていて、その隣にオレンジ色の髪をした女の人がいる。

そして教室の戸の近くに和装をした男の人が壁にもたれかかっていた。


「さ、簡単な自己紹介しちゃってー、名前だけでもいいからさ!」


学長はそう無茶振りをしてくる。


「…えーっと…澤圧彦さわあつひこです。良くわかりませんがよろしくお願いします…。」


挨拶を終えると拍手が起こる。


「じゃあみんな一人ずつ自己紹介な。一年生…こーたから順によろしく〜。」


学長はそう投げやりな感じで言ってくる。



「…はぁ…はいはい。」


金髪の青年が呆れ気味にそう言い、席から立ち上がる。


「俺は獣雷光太郎じゅうらい こうたろう。術は雷獣。獣みたいな雷を操れる。同級生の男子が増えて嬉しいぜ!よろしくな!」


金色の短髪で八重歯が特徴的な彼は少しチャラそうだ。

でも悪いやつではなさそう。


「じゃ、次は私かな。私は花崎利奈はなさき りな。礼奈とは双子の姉です。術は僧侶。ファンタジーとかに出てくる僧侶がやってそうなことは大体できます。回復とかバフの付与とか。よろしく。」


やわらかい感じでそう話す。


彼女は黒髪が肩に少しかかっていて蛍光色のピンクがワンポイントで入っている。

目の色もピンク色だ。

どこか幼気のある可愛らしい顔だ。

背はそこまで大きくなく、黒いセーラー服を着ている。


「じゃ、次私ねー。私は花崎礼奈はなさき れな!妹です!術は風雷!文字通り風と雷が使えます!ちなみに1年はこの3人です!よろしくねー!」


彼女はそう溌剌と話す。


彼女も黒髪が少し肩にかかっていて、蛍光色の黄緑色がワンポイントで入っている。

目の色も黄緑色だ。

姉と同じような顔立ちで背丈も同じように見える。

こっちも黒いセーラー服を着ている。


「次は僕かな。2年の平代秤へいだい はかりだ。術は天秤。説明すると長くなるからやめておく。よろしく。」


黒髪のオールバックで落ち着いた様子でそう話す。

身長は僕より少し高いぐらいだ。


「次は俺か。同じく2年の須山無霊すやま むれいだ。術はゼロだ。よろしく。」


たぶん朝会った白髪の人だ。

よく見てみると背はそこまで大きくなく160ちょいぐらいに見える。

紫色の目が目立つ。


「じゃ、最後は私か。私は武蔵野優美子むさしの ゆみこ。術は武器ウェポンズ。5種類の武器を作り出せるわ。よろしく。」


見た目がめっちゃヤンキーみたいだ。

金髪でするどい目つきをしていて、少し威圧感がある。

しかしその見た目とは裏腹に背がすごく小さい。

140ぐらい?なんじゃないだろうか。

にしてもほんと怖いな。

見た目まじでヤンキー、殴られそう。


「…で私で終わりですけど。」


「あぁ、わかってる。」


「…じゃあなんでずっと黙ってるんですか?」


「いやー、二人は挨拶しないのかなーって。」


学長はチラッとその指しているであろう二人を見る。


「はぁ…そういうことか…。」


そう言った袴を着た男性は呆れたようにため息をつく。


「では先に拙者から。拙者は織田英雷おだ えいらい。二年の担任をしている。術は電撃。電撃を纏わせた攻撃をする。よろしく。」


彼は整った顔立ちで、黒い長髪を後ろに一つで束ねている。


そう織田さんは言い終えるとチラッとオレンジ色の髪の女性を見る。


「…」


その人は物凄く怪訝そうな顔をしている。

ちらっと学長の顔を窺う。

学長はニコニコとしていて全体的に察せと言わんばかりの空気を醸し出していた。

呆れたようにため息をついて口を開く。


「えー、私は君たち1年の担任の梅宮綾火うめみや あやかです。ま、よろしく。」


彼女はどこか気だるげにそう言った。


どこか可愛げがある顔立ちで胸辺りまである彼女の長い髪はところどころ寝癖がはねている様に見える。


「…短すぎる紹介な気はするが…あやちゃんだしまぁいっか。」


そう言うと学長は教卓の前に立つ。


「えー、色々あって突然転入することになったが、まぁ仲良くしてやってくれ。以上、解散!」


学長はそう言い放つ。


「あ、そだ。圧彦は私についてきてね。」


「あ…はい。」


学長は不意にそんな事を言う。


まだこの人と一緒にいるのかよ…せっかく自己紹介したのはなんだったんだ…

これが由味さんが言ってた学長の思いつきってことか…?


そんなことを考えていると学長が教室から出ていくのでその後をついていく。


そういえば…

魔術師って聞いたけど変な人はいなかったな。

みんないい人そうだった。 

謎に拙者って言ってた武士みたいな人はいたけど。


学長がチラッと後ろを歩く僕を見てくる。


「…私がどうかしたか?」


「えっ…どうしてです?」


「んー、なんか変な目で見られてた気がしたから。勘。」


「…」


変な人を考えていたときに学長のことも思い浮かべてしまったのがバレたのだろうか。


「…変な人」


学長に聞こえないぐらいの声でぼそっとそう言う。


「なんか言ったか?」


学長は食い気味にそう言ってくる。


…学長の前で変なことを考えるのはやめておこう…


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