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第16話 呪玉を求めるもの達③

初めての作品なので至らぬ点があると思いますがご了承ください。

この物語は前日談です。

本編は漫画でかこうと思ってます。

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第16話 呪玉を求めるもの達③




「行け、雷獣!!!」


そう言うとその雷の獣を形作ったそれは、あの大きな狼へ向かっていく。


「速っ!!」


その雷獣は高速で移動し、やつとの距離を一瞬で詰める。


「…流石に硬いか。」


雷獣は何度もやつに噛みつくが、歯型がつくだけで傷がつくことなかった。


その間もその狼は、怯まず雷獣に攻撃を続ける。

が、こーたと雷獣のコンビネーションにより難なく躱していく。


「…まぁでも、この程度ならいけるな。そんじゃまー、ぱぱっと終わらせようや。圧彦。」


後ろにいる圧彦へチラリと振り返り、こーたは笑みを浮かべそう言った。


「そんな簡単に倒せんのか、あれ?」


「あぁ、いけるね。俺の雷獣を舐めてもらっちゃぁ困るってもんよ。」


こーたは腕を組み、えっへんと言わんばかりの態度をする。


「じゃあ頼んだぞ、圧彦。最悪、雷獣になら当たっても問題はないから思いっきりやっちまえ!」


そう言われると、圧彦は少し息を整えるように深呼吸をし、手の震えを抑えるように自分を鼓舞しながらそう言った。


「オッケー、やれるだけやってみる。」


圧彦は、狼へ手を向ける。


(落ち着け。あれは、人じゃない。大丈夫だ。)


目を閉じ、心のなかでそう唱える。


「ハッ!!」


そう気を解き放つようにすると、狼の前足がバキバキッと音を立てながら折れる。


「グアァァァァァァァアア!!!!」


けたたましく、痛々しいその叫びが響き渡る。


それを見て、学長は笑みを浮かべた。


「まじかよ、やるなぁ圧彦!」


こーたはそう言い、俺も負けてられないなと言わんばかりにすぐさま雷獣をやつに近づける。


雷光らいこう!!」


そう言うと、雷獣は稲妻の様に凄まじいスピードで狼に突っ込んでいく。


ゴオォォォォォン!!!


稲妻のような音が鳴り響く。


「グオォォォォォォォオオ!!!!」


とてつもない衝撃波とともに、咆哮が轟く。


その音の強烈さから、思わず圧彦とこーたは耳を塞ぐ。


「うるさっっ!!!鼓膜破れるわっ!!」


こーたはそう叫んでいるが、咆哮のせいでうまく聞き取れない。


そこにすかさず、その狼は残ったもう一方の前足で地面を叩く。

するとそこから地面が隆起し、圧彦たちの下へ近づいてくる。


咆哮が鳴り響く中、その状況を見てこーたがちらりと圧彦の方を見て、アイコンタクトを取る。


それに応じるように、圧彦も頷く。


それを見たこーたはすぐさま雷獣で狼の顔を殴りつけ、咆哮を止める。


咆哮が鳴り止んだ次の瞬間、圧彦は目の前まで迫ってきていたその地面を圧力をかけ砕く。


その勢いのまま圧彦は、その圧力を前に突き出し狼へぶつける。


「グ、グルゥゥゥゥウ!!」


狼はその空気の塊に押されるように、体をのけぞらす。


「今だ!!!噛み砕け、雷獣!!!!」


そうこーたが言うと、雷獣は物凄い速さで狼に近づいていきお腹のあたりを噛み砕く。


パキィィィィィッッ!!!


そうすると、コアが破壊されたのかガラスが割れるような音がなる。


「よっしゃ!討伐完了!」


そう言ってこーたは、小さくガッツポーズを作ってみせる。


「学長、終わりましたよ。」


そうこーたが言い学長がいた方を振り返った瞬間、学長はすぐさま張っていた防御壁シールドを解除し、灰となって消えていっている狼のまだ消えていない部分へ一瞬で移動し触れた。


「いつの間に!?」


そう圧彦が学長が瞬間的に移動していたことに驚いていると、学長の狼に触れた手から淡い光が発光しだす。


「…どうかしました、学長?」


こーたがそう聞く。


「…あぁ、ちょっとな。」


そう言うと魔法を発動し終えたのか、学長は触れていた手を離し消えかかっていた狼の残骸を消し飛ばす。


「…またこれも報告しないとか…。南ー、あとで報告書のコピーくれ。」


「あ、了解しました!」


先程までとても怖がっていた南さんだったが、今はケロリとした顔で完全に仕事モードに切り替わっていた。


(切り替えはやっ…。)


「いやー、おつかれおつかれ。結局六道零の呪玉関連ってわけではなかったな。」


学長はさっきまで何かを睨むような表情をしていたが、一変して何事もなかったかのような容貌でこちらに寄ってくる。


「ですね…報告されていた資料では、呪玉を取り込んでいたとか言われてましたが…関係なかったですね。」


南さんは手元に抱えていたタブレット端末に何かをメモしながら、そう言っていた。


「うーん…気になる点といえば、このあたりの魔獣としては少し硬かった気がしますねー…。」


こーたがそう言う。


「え、そうなの?」


「ん?あぁ、ちょっとな。いつもならうちの雷獣はすぐ終わらせられるんだけどな。なんか若干硬かったかなー…って感じ?」


「そうなんだ…」


「やっぱこーたはいい勘してるな、流石だ。」


学長は腕を組み、何故か誇らしげにこーたを褒める。


「え、まじっすか!?やったぁ〜」


こーたはそう能天気に言う。


「今調べたんだが、あいつは多分魔族の血を飲んでいた可能性があるな。」


「魔族!?実在したのか…!」


「え、またですか!?」


こーたと南さんの二人は、そうそれぞれ驚く。


「…あのー、昨日から思ってたんですが…魔族ってなんですか?」


が、圧彦は驚くどころか全くこの状況を理解していなかった。

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