第14話 呪玉を求めるもの達
初めての作品なので至らぬ点があると思いますがご了承ください。
この物語は前日談です。
本編は漫画でかこうと思ってます。
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「さ、着いたぞ。今日の任務先だ。」
穴を抜けた先で、学長がそう言い放つ。
「…ってまた森の中なんですね…。」
辺りを見渡すと、昨日礼奈と行った山の奥の光景と似ている風景が広がっていた。
「まー…うち、福岡校の担当区域は九州全域と四国、中国地方を大阪校と共有で任務を行ってるからな…どの地方も山が多いから…まぁそんなもんだよ。」
「そんな田舎いじりしてますけど、学長の地元のほうがド田舎って話聞きましたよ。」
こーたはそうにやにやとしながら、学長をいじる。
「は、誰から聞いたそれ!?言いふらしたやつ後で締める。」
「佐藤さんから聞きましたー。」
「えっ、ゆみりん?…ゆみりんかぁ…ゆみりんならしゃあないか…。」
そう言って、何故か学長は納得をする。
「…てかゆみりん口軽くね?この前もなんか言いふらされてたような…。」
「気の所為っすよ。」
そんな事を横目に圧彦はあたりを見渡すと、一人いないことに気づく。
「…そういえば、藍さんはどこに行ったんですか?さっきまでいたのに…」
「あぁ、藍には帰ってもらったよ。」
学長は、そう何事もなかったかのように言う。
「えっ!?」
「…そんな気がした…。」
「あいつは、ただ移動のためだけに呼んだからな。移動し終わったら用済みよ。」
「扱い雑すぎない…?」
「いつもあんな感じ。」
こーたは、そう呆れたように言った。
「ま、そんな事は置いといて。」
「そんな事って…。」
「早速説明していこうか、今回の任務の概要を。」
第14話 呪玉を求めるもの達
「というわけで、南ーよろしくー!」
そう言った学長の横には、いつの間にか南さんがいたのであった。
「あれっ、いつの間に…。」
「南はさっき藍を帰すときに呼んどいた。」
「用意いいな…。」
(学長のこの感じには、慣れないとどうにもならない気がする…。)
「えっとー…今回の任務の説明をしますよ…。」
南さんは話に割って入るのが申し訳無さそうに、そう言った。
「あ…なんかごめんなさい…。」
「あ、いえいえ。大丈夫です。えーっと、今回の任務は…というか今回も噂の調査ですね。」
「今回も…?」
「あー…言ってなかったが、我々の仕事の大部分はシカクが収集してくれた、噂話や目撃情報なんだよ。だから、たまーにガセネタだったり、事前情報と実際の敵が違ったりすることがあるんだよな。」
「そうなんだ…。」
そう反応している横では、こーたが学長に呆れてため息をつく。
「えーっと…説明を続けますね…。先ほど申し上げた”噂”の内容ですが…六道零の呪玉を取り込んだと思われる魔獣を見た、との情報がありました。」
それを聞いて、圧彦は殺気立つ。
「六道零の呪玉!?」
「…どうした?」
そうしていると、学長がそう聞いてくる。
「…学長に話してなかったのか、圧彦?てっきり話してるもんだと…。」
こーたは、少し驚いた様子でそう言う。
「あ、あぁ…。」
「…おい待て、何の事だ。」
学長は、そう睨みつける様に言う。
「あ、それは…」
「…いや、いいや。その話は、任務が終わってから聞こう。南、続けてくれ。」
「あ、はい…。えっとー…その魔獣の話なんですが、狼らしき生物が数匹固まっている中の一匹にとても魔力量が大きい個体がいたと言っておりました。多分その個体が、言われていた呪玉を取り込んだ魔獣だと思われます。」
「魔獣か…どんな感じなんだろう…?」
そう言っていると、こーたが反応してくれる。
「んー…、なんかファンタジーのままって感じがするやつかなー…。ほんとイメージした通りとしか言いようが無いんだよなぁ…ねぇ、学長?」
「まー…、確かにそうだな。ラノベの序盤にいる森の中の魔獣みたいなね。あの有名小説の序盤に出てくるゴブリン村を襲ってた狼みたいなね。」
「何言ってんすか…。」
「ははっ。…じゃあ実際に見てみるか、その魔獣とやらを?」
そう言いながら、学長は笑みを浮かべる。
「えっどういう…」
そう言っていると、学長がちらりと後ろの茂みを見る。
「…まさか!!」
こーたがそう反応すると、その茂みの奥から物音が聞こえる。
「えっ、なになになに!?」
南さんは、何が起こっているのか把握できていない様子だった。
「フッ…やっぱ来たか。」
そう言うと、数匹の獣が茂みから襲いかかって来るのであった。