第13話 I hope, you can be with she
初めての作品なので至らぬ点があると思いますがご了承ください。
この物語は前日談です。
本編は漫画でかこうと思ってます。
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「…もし、見つからなかったらどうするの?」
礼奈がそんなことを聞く。
「…俺は、何年掛かろうが必ず見つけ出す。どんな手を使っても。」
そう言うと、礼奈は一瞬ハッとしたような表情を見せる。
「…。」
すると、何事無かったかのように笑みを作って見せる。
「…見つかるといいね!」
その笑みが圧彦には妙に引っかかった。
その意味は、後に知ることになる。
第13話 I hope, you can be with she
「おはよう、二人とも!」
「ぉはよ〜ございます。」
「はよざいまーす。」
学長の溌剌とした声が、朝から響き渡る。
こーたと一緒に朝食を食べていると学長に呼び出されたので、圧彦とこーたは学長室に来ていた。
「で、なんですか?朝から呼び出すってことは、どこか遠出なんですか?」
こーたが少し眠そうに、そう言う。
「ま、そういうことだな。分かってきたじゃないか、こーたろう!」
そう言って、学長は上機嫌になる。
「いや、別に褒められても…」
「ま、それは置いといて。…圧彦は初めてだろうし、後でしっかり説明しよう。…ま、とりあえず…。」
そう言って学長が一瞬目を瞑ると、隣の空間が歪み穴が開く。
「えっ…な、何…?」
「あ、そっか。圧彦は初めてか。」
圧彦が困惑していると、こーたはその様子を見て少し笑う。
「紹介しよう、彼は上月藍。私のアッシー君だ。」
そう笑みを見せながら、学長が言う。
そう紹介したその空間から、一人の青年が現れる。
「…なんすか?」
その青年は、赤い髪で左側の髪をヘアピンであげている。
「それと、僕はアッシー君じゃないっすよ。あくまで学長の借りを返してるだけです。」
「そ。まあいいけど。」
「…はぁ。」
彼はそう呆れたような目をして、学長を見ながらため息をつく。
するとこちらを見て、何かに気づいたように驚いたような表情を見せる。
「おっ、こーたろーに…君が噂の!へぇー。」
そう言うと、彼は圧彦をジロジロと見る。
「…あ、そういえば自己紹介してなかったね。改めて、上月藍です。君が噂の澤圧彦くんだよね?よろしく。」
そう言うと、藍さんは右手を差し出す。
「はい、澤圧彦です!よろしくお願いします。」
そうして、藍さんと軽く握手を交わす。
「…てか、噂ってなんですか…僕なにかやりましたっけ?」
そう言うと、藍さんは吹き出すように笑い出した。
「いや〜、この頃は君の話題で持ち切りだよ。高校生で術が発現した子、これは魔術連が設立された77年間一度も起きたことがない、稀な事例だって爺さんどもが騒いでるよ。まじ笑える。」
「圧彦、お前有名人やな!」
それにつられる様に、こーたも笑いながらそう言った。
「えぇ…そんな噂が…。」
「ま、ま。しゃあないさ。それだけ珍しい事なんだよ、君は。」
学長がそう肩に手を置いて、憐れむような目で語りかける。
「なんすか…。」
「いやー、会えて嬉しいよ。…で、なんで呼び出したんすか?」
そう言って、藍さんは学長をちらりと見る。
「何って…お前を呼び出す時ってそれしかないだろ。緊急の時はちゃんと緊急って伝えるじゃん。」
学長は、さも当たり前かのようにそう言う。
すると藍さんは呆れたように、というか完全に呆れてそう言う。
「…で、どこなんです?」
「えっとねー…。」
そう言って、学長は藍さんにスマホの画面を見せる。
「この辺。」
「…はぁ。了解です。」
そう言うと、藍さんは誰もいない空間に手をかざす。
「…この辺かな?」
手をかざした先の空間が歪み、人一人通れる様な大きさの穴が開く。
「うおっ、な、何!?えっ、何これ!」
「はっはっはっ。そっか、初めてだとそんな反応になるのか。」
藍さんはその空間の穴に手をかざしながら、そう笑ってくる。
「俺の術は、空間移動。空間と空間をつなげて瞬間移動ができる。一見殺傷能力の無い、ただの便利魔法に見えるが実は…」
藍さんがそう得意げに自分の術の自慢を話し始めると、学長がそれを遮る様に話し出す。
「はいはい。アッシー君の自慢話なんか置いといて、さっさと任務に行きましょー。」
そう言って学長は圧彦とこーたの背中を押し、空間の穴へと向かわせる。
「ちょ、え?って俺の話遮らないで下さいよ、学長!」
「さ、行こうかねー。」
そう言われるので、俺はその穴をくぐって行く。
「ちょ、だから俺抜きで話進めないで下さいよ!そのポータル誰が作ったと思ってるんですか!?」
(扱い可愛そうだな藍さん…。)
そう思いながらも圧彦達はその穴の先へ行くのであった。