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第12話 Because I want to be with you.

初の作品なので至らぬ点があると思いますがご了承ください。

この物語は前日談です。

本編は漫画でかこうと思ってます。

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「いやー、バレた?」


礼奈は二人に向かって、そんな事を呑気に言う。


「あ、圧彦くんもいる〜、やっほ〜。」


利奈がそう言う。


「あ、こんちわー…。」


なんて返せばいいのかわからなかったので、とりあえずお辞儀をしておく。


「まぁまぁ、そう固くならなくていいって。うちらタメなんだしさ、もっと気楽にやっていいよ。ねっ。」


彼女は気さくにそう言ってくれる。


「てか不思議だよな〜、りなれなは。毎回思うけど、よくわかるな。双子のシンパシーってやつ?」


金髪の男が、そう言う。


「だって私達双子だもん、ねー。」

「ねー。」


利奈と礼奈の二人は、口を揃えてそう言う。


「そ〜れ〜よ〜り〜、なんで礼奈は、圧彦くんと一緒にいるわけ〜?もしかしてー、そういう事…?」


利奈は、ニヤけながら礼奈にそう言った。


「違うしー。圧彦に街案内してただけだもん。…それより、そっちこそ何してんのよ。まーた放課後デートしちゃって。」


そんなことを言いながら、礼奈は利奈を睨みつける。


「何、デートしたらだめなの?ね、こーた。」


そう言って、利奈は光太郎の方をチラリと見る。


「別にいいだろ、デートぐらい。羨ましいだけだろ。」


そう光太郎は冗談混じりで、ニヤつきながら言う。


「そんなことないしー。」


そう言った礼奈は、眉をムムっとひそめる。


「ハハハ…あー、ごめんごめん。澤圧彦君だよね?圧彦でいいか?」


金髪の坊主気味の髪をしている光太郎と呼ばれた青年が、そう言う。


「あぁ。」


「ごめんな、圧彦。初日で何もわかんないのに、いきなり。あ、俺たちの名前わかるか?」


そう言うと、光太郎は自分と利奈を交互に指さす。


「名前…こうたろう?」


「お、せいか〜い。長いからこーたでいいぞ。よろしくな!」


そう言うとこーたは、右手を差し出してくる。


「あぁ、よろしく。」


そう言って、短めに握手を交わした。


「ねぇねぇ、私は誰でしょ〜。わかるかな?」


そう女性が一人、圧彦へ近づきニヤニヤしながらそう言う。


「えーっと…」


彼女の左耳前にかかる髪の毛先は、ピンク色に染まっている。


「…れな?」


「はーい。礼奈は私でーす。」


そう言って礼奈は元気よく返事をし、手を挙げる。


礼奈の右耳前にかかる髪の毛先は、黄緑色に染まっている。


「えっ…ん…?あれっ…?」


圧彦は、思わず混乱していた。


「アッハハハ。混乱してるよ。やっぱ最初はそうなるんだねー。」


その様子を見て礼奈は、思わず吹き出した。


「ま、最初だからね〜。」


利奈も一緒になって、クスクスと笑っていた。


「な、何…そんな笑うことないだろ…。」


「いや~、初々しいなぁ〜と思って。ねー、礼奈。」

「ね〜。」


その双子は、打ち合わせでもしていたかのように息を合わせてそう言う。


(これが双子か…)


するとこーたが、圧彦の肩に手を当てる。


「まぁ…気持ちはわかるぞ…。最初は誰でもそんなもんさ…。」


「…なんだよ、その憐れむような目は…。そんな目でこっち見んな。」


「…さささ、ちなみに私の名前は何だったでしょーか?」


利奈は、微笑みながら圧彦へそう言う。


「えーっと…れなじゃなくて…りな…だったよね?」


「お、せいかーい!よろしくね〜、圧彦くん!」


そう言うと利奈は、左手を胸のあたりでヒラヒラと振る。


「…よろしく。」


「…じゃぁ〜、せっかく四人いるんだし、お茶会でもやる?ちょっと小腹も空いてきたし、メック行こうよ!いいでしょ、こーた。」


利奈が、そう言ってくる。


「お〜、圧彦もせっかくいることだしな。行こーぜ。」


「私もさんせ〜!」


「よーし、じゃ行こっか。圧彦くんも来るよね?」


「ん…あぁ、行こうかな。」




「…ねぇ、圧彦ってなんで魔術校うちに来たの?」


礼奈が、フードコートの机の上に置かれたポテトを食べながらそんなことを言う。


「確かに気になるかも〜。答えられる内容だったら、知りたいかも〜。」


利奈は、買ったばかりで溶けてないシェイクを温めながら言う。


「なんで…うーん…。」


手に持っていたコーラを置き、ここ数日の出来事を思い出してみる。


(俺は…)


「知りたいから…かな。」


「「知りたい?」」


双子は揃って、そう言う。


「…何が知りたいんだ?」


先程まで飲んでいたジンジャエールを持ち、こーたがこちらを見てくる。


「…長い付き合いになると思うから、ここで話しとくけど…昔、小学生の時に幼なじみ亡くしてて。その時の死因が焼死なんだよね。でもその燃えた原因がわかってなくて…。」


「どういうこと…出火原因がないの?」


礼奈は、首を傾げてそう言う。


「表向きには、原因不明の出火になっているそうだ。だけど…俺はその瞬間を見てる。未だに忘れられない。燃え始めた原因は、丸い綺麗なビー玉みたいな、色がついた水晶みたいな見た目をしたあの石からだ。」


「「石…?」」


「あぁ。ちょうど手のひらサイズの水晶みたいなやつだった。あれを、その幼馴染に渡した瞬間だった。あれを、今でも思い出す。人が焼ける匂い。燃えながらも、生きようともがいているその姿、声。俺の記憶に刻み込まれている。あの時のことも、あの石のことも一生忘れない。そのことで…俺は、あれは魔法が関わってるんじゃないかって思ってる。」


そう言って三人の顔を見てみると、三人とも何故か眉を顰めていた。


「…なんでそんな顔してんの?」


「んー、いや。なんか引っかかるなーと思って。」


するとこーたは少し考えるような仕草を見せてから口を開く。


「…お前が見たっていうその水晶みたいなやつって、六道零の呪玉なんじゃないか?」


「えっ!?」


「確かにー。言われてみればそれっぽい。」


礼奈が、背もたれに寄りかかりながらそう言う。


「ま、その可能性はありそうよね。実際過去の記録で、魔術知識のない一般人が呪玉を触れたときに焼死する事があったらしいし。その時の炎の色が、特徴的らしいよ。何色だったかは覚えてないけど。」


利奈が、思い出すようにそういった。


「…確かに。あの時の火の色はおかしかった気がする。…何色だったかな。」


昔の記憶を奥底から引っ張り出すが、はっきりと色を思い出せない。


「色が違ったのは、確かなんだな。」


こーたがそう聞いてくる。


「あぁ。」


「ってことはその出火原因が、呪玉である可能性がありそうではあるな。」


「…ちなみになんだけど…六道零の呪玉ってどんなやつなの?」


そう言うと、三人とも困ったような表情を見せる。


「う〜…ん。実はさ、その呪玉って、そう簡単に拝めるものじゃないんだよな。」


こーたは、ばつが悪そうな顔をしながらそう言った。


「えっ…どういう…。」


「呪玉ってのは、世界に24個しかなくてな。そのうち日本には13個。そのうち6個が所在不明、そして1個が襲撃により紛失してる。だから今現在日本で見れる呪玉は6個しかない。しかも閲覧するだけでも、申請が必要になる。」


「そこまで厳重に…」


「そこまでやらなければいけない事、らしい。だから、俺達も見たことないんだよ。な、”御三家”のりなれなでも見たことないんんだったよな?」


すると、ある言葉が引っかかる。


「…御三家?二人が?」


そう言うと、三人ともこちらを呆れたような目で見つめてくる。


「はぁ…学長。ま、それはいいや。後で説明しよう、な。」


そう言うと、こーたはりなれなにアイコンタクトを送り、それに二人も頷く。


「後でって…。」


「まぁまぁまぁ。とりあえず、見たことないんだろ?」


そう言ったこーたは、りなれなに視線を送る。


「なーい。利奈もないよね。」


「うん、ない。ま、そう簡単に拝めたら逆に怖いよね。」


「たしかにー。」


双子の姉妹がそんなやり取りをしていると、こーたが椅子にもたれかかりながら口を開く。


「ま、そういうこったな。…本当なら、日本に5校ある各魔術校に呪玉が納められているはずなんだが…。20年ぐらい前に福岡校に襲撃があって、その時に呪玉は奪われてしまったらしいからな…。お前がどれだけ「見たい!」って言っても見れないんだよな。…学長に頼めばなんとかなるかもしれんが。」


「そうか…。」


そう答えると、圧彦は少し黙り込んでしまう。


「ま、まぁそんなに落ち込むことないって!最悪、学長に頼めばなんとかしてくれるよ!…たぶん。」


すると、礼奈が明るく励まそうとしてくれる。


「…大丈夫だ、落ち込んでたわけじゃない。少し考えてただけだ。」


「考えてた?」


「あぁ。目標だ。所在不明ってことは、どこかを探せばあるんだろ、呪玉は。」


そう言うと、圧彦は決意を宿した瞳でそう言い放つ。


「いつか必ず、六道零の呪玉を探し出す。それが俺の、魔術師の目標だ。」


第12話 because I want to be with you.

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