第9話 六道零と呪玉
初めての作品なので至らぬ点があると思いますがご了承ください。
この物語は前日談です。
本編は漫画でかこうと思ってます。
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第9話 六道零と呪玉
「…11っと。遭難者届けのリストにあったのは今の人で最後だな。」
学長がそう言った。
「よっしゃー、終わり〜!!」
「よーし、遭難者は私が受け渡しやらやっとくから二人はかえっていいぞ〜。」
礼奈と学長の二人は呑気にそういった。
「あの!ちょっとさっきの話はどこに行ったんですか!?」
さっき聞いていた六道零の話がまだ終わっていないのに、お開きの流れになっていたので圧彦は強めにそう言った。
「あぁ、悪ぃ悪ぃ。そういえばそうだったな、忘れてたわ。」
学長はそんな呑気なことを言う。
「六道零についてだったな。ま、車に返りながら話そうや。」
そう言うと学長は遭難者たちをふわふわと浮かせて、来た道を歩き出す。
「六道零。やつは約500年前、突如として現れた人ならざるもの。その正体は魔族だとか神だとか様々な説が飛び交っているが未だその正体は解明されていない。そんな六道零について戦国の時代からこんな話が語り継がれている…
〜約500年前〜
「よぉ、殿様。」
そう言ってある青年が、一国のある城の庭にいた殿の前へ空から降り立った。
彼の容姿は中性的な顔立ちをしていて、身長は現代男性の平均身長と比べると低く見える。
黒髪で、漆黒で塗りつぶされている瞳をしていて、彼の頬には黒い痣があった。
彼の服装は明らかに時代にそぐわない格好でたちまち周りの配下の視線を集める。
「貴様、何者だ。どこから入ってきた。」
彼が殿と言った者は即座に臨戦態勢に入り、腰にあった刀へ手をのばした。
「殿!!」
「ここは拙者達に任せて殿は引いてください!!!」
その異常事態に即座に殿の配下が殿を守るように集まりだす。
「お前らに要はねぇよ。」
彼はそう淡々と述べる。
すると配下達の動きがピタリと止まってしまう。
「う、動けんっ…。」
「これくらって喋れてるだけマシだろ。お前は強いな。」
皆が動けなくなっていた中ただ一人、そう言った配下に彼はそう言った。
「貴様…何者だ…!!余になにようだ!!!」
殿は刀を引き抜き、彼に向け構えながらそう言う。
「はっ。別にお前を殺しに来たわけではない、落ち着け。」
彼は殿を嘲笑うかのように言い、そう続ける。
「お前に一つ頼みがある。」
そう言うと彼は少し間を開けてから再び口を開く。
「俺を殺せ。」
「!!何を言っている!?」
その瞬間、彼が言った答えに誰もが困惑した。
「なぁに、お前は俺が今から言うことのそのまま実行すればいいだけだ。難しい事は何も言っていない。」
死という絶対的恐怖を口にしたというのに彼は臆せずそう淡々と告げる。
「何も考える必要はない。ただ、俺を殺せばいい。俺を殺しても遺体は残らない。残るのは玉、呪玉が…多分24個ほど残るがまぁ気にするな。あー、その呪玉一つ選んでお前が持っておくといい。何か良い事があるかもな。」
「な、何を言っておるのだ…」
そう彼はペラペラと話していた。
「やってくれた暁には”お前達のこれから先の将来を保証しよう。”どうだ、悪い話ではないだろう?」
そう言うと彼はニヤリと笑う。
「ほう…?」
すると殿ははっと軽く笑って見せる。
「別にお主に言われなくても端から殺すつもりでいたわ。お前が殺されることを望んでいるのなら、尚更貴様を殺してみせよう。」
そう言うと殿は再び刀を構える。
「はっ。威勢がいいな。…ま、いいだろう。何時でも殺っていいぞ。」
「ならばためらう必要はないな。…覚悟!!」
そう言うと殿は彼に向かって踏み込み、斬りかかるのであった。