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戦闘士クーガ  作者: 狂狗
デリバークーガ
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 「ははは……変な人だったな」

 “おまえの方が変人だよ”

 「そのセリフ、そのまま返してやる」

 オレは茂みの中で着替えていた、地図を見ても近くにトイレが無かったのだ。あの後、樒実さんは、じゃあねー、と言って森に消えた。煙のような消え方だった、登場の仕方も唐突だったし、あの人は瞬間移動が出来るのではないかと疑ってしまう。あんな怪しい人を当てにして良いのだろうか。しかし、他に手段はない。

 なので、こうして樒実さんの貸してくれた制服に着替えている。

 「ぶかぶかだな……この制服、樒実さんのサイズで出来てるから、オレには大きすぎる」

 “そうだね、胴回りとかはともかく、足とか足りないね”

 「その言い方やめろ、オレが太いみたいじゃないか!」

 “太いじゃん”

 「樒実さんと比べればな、あの人細すぎるだろ!」

 ”確かにひょろ長いね”

 などと話している内に着替え終わった、裾も袖も余っているが、誤魔化せ範囲ではない、脱いだ服はエコバックに押し込んだ。

 ポケットから取り出しておいた小石を、改めて確認する。色は派手だがとても小さいので、下手するとなくしてしまいそうだ。シロ君は何でこれをラッディって奴に届けてほしいんだろう、手紙とかならともかく何故に宝石。そう思いつつ、ズボンのポケットに入れ直した。

 「さてと、それじゃあ行くか」

 “どいつから?”

 「そうだな……言われた通りの順番に行くか?」

 “捻りヌェー”

 「捻りがいるのかよ」

 “いらない”

 なにはともあれ、地図を改めて開き、ルートを確認する。現在地は大学部のC棟、その裏に広がる森の中。大学部に用がある人はいないから、すぐに出ていいだろう。用があるのは高等部、次男の榴火とやらだ。幸い、高等部はここから近い、徒歩十分程度で着くだろう。

 「じゃあ行くか」

 エコバックを肩にかけていざ行こう。と言う時に、神がナレーション調で言った。

 “果たしてクーガは無事に高等部に着けるのか”

 「着けるだろう」

 “きっと道に迷う”

 「さすがにこの距離じゃ迷わないだろ……うん、たぶん」

 “ほんとーにぃー?”

 神が余計なこと言うから不安になってきたじゃないか。

 「迷わないといったら迷わない、行くぞ!」

 “れっつらご~”

 オレの足がやけに速足だったのは、気のせいだったという事にしておこう。


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