第8話
生徒会のみんなに今日はもう帰っていいよ。と言われたので俺は今自宅へと向かっている。
生徒会の皆はやっぱり優しい。俺を慰めてくれる人ばかりだ。やっぱり生徒会に入ってよかった。
ま、まぁ大変なこともあるけど……。それも1つの思い出になるだろう。
そんなことを考えているともう家の前だ。
俺の家の前に1人の少女がたっていた。
「おかえり……星矢……。遅かったね」
香苗だ……。ずっと待っていたのだろうか……。
「なにしてるんだよ……今日休み時間に話しただろ」
「うん。だからその事も謝りたいの!嘘ついてごめんなさい。昨日……星矢以外の人と手を繋いでごめんなさい……。で、でもねそれ以上のことは何もしてないから!これは信じて」
それが本当なのかは……とりあえず後回しでいいだろう。
「とりあえず……昨日の男は誰なんだ?」
「知らない人…………」
香苗は俯いてそう言った。まだ友人と言われた方がよかった。
「どうして知らない人とそんなことしたんだよ…………」
「そ、それは……喧嘩してたでしょ?それでむしゃくしゃしてたって言うか……」
「喧嘩……?」
喧嘩って……??
「ほら星矢私にすごく怒ったじゃない……?」
怒ったって……あれは……。
「あれは喧嘩でもなんでもない……!全部君が悪いんだろ!?生徒会の仕事をしてた俺を邪魔してきたからだろ!普段用事のない時ならいいけど仕事をしてる時は辞めてくれって何回も言ってただろ!前のやつで何回目だよ!」
「………………」
香苗は無言。
「俺はそれを理由に浮気したって聴いて許せると思う!?許せないよ。君が俺に対する想いはその程度だったんだよ。」
「違う……!私はほんとに星矢のことが…………」
「知らない男と手を繋ぐやつの言えることが信じられるかっ!!」
俺は今日一の大声を上げた。
「…………なによ……。貴方だって生徒会のみんなとイチャイチャしてるじゃない!それと同じ!男と手を繋いだくらいでなんなのよ!」
香苗も大声で言う。
「そっか……。香苗にはそう見えてたんだ……。俺さ生徒会のみんなにはなるべく触られないようにしてたんだ。彼女がいるからって理由でちゃんと断ってたんだよ。遊びにも何度も誘われた。香苗と大喧嘩した時も誘われたけど全部断ったよ。それでも君は――香苗は同じだって思うのか?」
「それ、は…………」
「俺達やっぱり合わなかったんだよ。これで本当に最後だ。さようなら香苗」
俺はそういい自分の家に入った。
外から香苗の泣き声が聴こえた。俺自身も目から涙を流していた。