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第4話

「こんにちはー。あ、星矢まだいたんだ。」

「あぁまだいるぞ」


乙坂 花 (おとさか はな)生徒会書記


特徴的なのはボブカットにしている金色の髪。顔は美少女と美人の間ってところだ。年齢は俺と同じ2年生だ。


「今日はなんでまだいんの?香苗と帰らないの?」

「ちょっとみんなに言っておきたいことがあってな。花も聴いてくれ。」

「はぁ?普通に面倒なんだけど?」


そう言って俺を睨んでくる花。女子に睨まれるのって超怖いな……。


「ま、まぁ聴きたくないなら聴かなくていい。とりあえず全員揃ったから話します。」


花は全く聞く素振りを見せないで生徒会室にある紅茶をいれている。会長と副会長は、早く言えと言った視線でこちらを見ている。


「今日皆んなに言いたい事は香苗のことについてなんですが、単刀直入に言うと俺と香苗は別れました。」


俺がそう言った瞬間、パリーン!とグラスの割れる音がした。花がもっていたものだ。


「せ、星矢君、私の耳がおかしくなければ今貴方と彼女さんは、別れたってことになってるわよ?」

「はい。副会長の耳は正常ですよ。」


「琴吹君……ほ、ほんとに別れちゃったの?あんなに仲がよかったのに?」

「はい本当です。会長」


「り、理由はなに!?香苗と星矢が別れる理由ってなに!?」

「聴いてくれてたんだな。花。理由か、理由は……香苗の浮気だ。」


「浮気って……香苗が……」

「星矢君と言う彼氏をもっていながら浮気とは…いいご身分ね。その子」

「浮気は私もよくないと思うな……!琴吹君が可哀想だよ!」


反応は皆それぞれだった。会長と副会長は、香苗の事をよく知らないため俺に同情してくれている感じだ。花は香苗と、仲がいいこともありショックを受けている感じだ。多分だけど。


「あと香苗が浮気したってことは、ここだけの秘密にしてください。俺はみんなのことを信じて真実を話したので。」

「うん。それは任せて。」

「心配いらないわ。」

「わかった…………」


この人達なら言いふらすようなことは絶対にしない。俺はそう確信しているのだ。


「琴吹君ありがとう…。話してくれて。辛かったよね。私は彼氏とかできたことないから共感はしてあげられないけどその辛さはわかる気がする。」

「はい…。ありがとうございます。」


そう言われた瞬間に涙が出てきた。なんの涙なのかな……。怒り?悲しみ?あぁもう……わかんないよ。多分まだ……俺は…………。




涙を拭いた俺を、花が抱きしめてきた。


「は、花……!?な、何をして…!」

「う、うるさい。私は泣いてる人を見ると弱いの。決して星矢だからとかじゃないから」


そこにさらに副会長が俺の頭を撫でてきた。

「星矢君辛かったわね。でももう大丈夫だから。」


いつもは厳しい副会長。今日はとても優しい。


「琴吹君には私達がいるからね!」

生徒会長もこちらに来てくれた。



こうして俺の浮気された傷は、生徒会のメンバーによって癒され始めたのだ。




しかし、この時の俺はまだ知らなかった。生徒会の全メンバーが俺を狙っているということを。

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