第2話
「さん……?星矢、さんってなに?やっぱり昨日のことだよね……。あのね、あれは……」
白瀬さんが慌てた顔をして言い出した。やっぱり昨日俺が見ていたことは知ってたんじゃないか。一体どの面下げて俺に話しかけて来たんだよ…。
「昨日のこと……?琴吹君?何かあった?」
「いえ。なんでもないですよ。そんなことより早く行かないと遅刻しますよ?」
「う、うん。」
そして俺は、白瀬さんを無視して、歩き出した。
「星矢……まってよ……」
そう呟いた声が聞こえだが、追いかけては来なかった。まぁ追いかけられても困るだけなんだが。
◇
そして学校につき、会長とも1度別れ1時間の授業の準備をしていた時のこと。
ピコン♪携帯がなる。
『1時間目の休み時間に屋上に来て。』
しまった……。LINEをブロックするのを忘れていた。しかしこれは彼女にしっかりと別れを告げるいい機会なのかもしれない。既読もつけてしまったことだし、行くとしよう。
そして1時間の休み時間。屋上に行くとそこにはもう白瀬さんの姿があった。
「星矢!!」
扉を開けると白瀬さんが近付いてきた。正直あまり近くに来ないで欲しい。そう思うくらい俺は彼女のことを拒絶していた。
「昨日のことは、、、、その誤解なの!!」
誤解……だと?
てっきり俺は謝罪されるものだと思っていた。謝罪をしてくれれば話くらいならば聴いてもいいと思っていたけど。
これは聴く価値はなさそうだ。
「そっか。あれは誤解だったのか。」
「そ、そうなの!ごめんね!星矢に勘違いさせちゃったみたいで!」
勘違いか……。とことん誤魔化すつもりなんだな。こんな人の彼氏だったと思うと……なんだか自分が情けなくなる。
「これで話は終わりかな?」
「え、ま、まって!私達の関係ってなに、、、、?」
不安気な顔で聴いてきた。一体どんな回答を求めているのか……。
「他人だよ。白瀬さん。」
俺はそう言い残し、屋上の扉を開けた。
ドサッと彼女が座り込む音がした。
「さようなら。"香苗"、君との思い出は忘れないでおくよ。だって君は俺の初めての彼女だったんだから。」
俺はそう言い残し屋上を後にした。