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第19話

「星矢おはよー」


生徒会室からでた俺に花が声をかけてきた。今登校してきたようだ。


「おはよう。花。今日は少し遅いんだな」


「なんで私の登校時間知ってるわけ?」


「いつも俺達の前歩いてたからさ。」


「ふーん。彼女と歩いてるのに私の事見てたんだ?」


ニヤリと意地悪な笑みを浮かべて言う花。


「その言い方は勘弁してくれ……。意図的に見てたわけじゃないんだよ」


「分かってる分かってる。冗談だよ」


花はそう言って俺の肩をビシビシと叩いた。


「あ、そういえばそ学校の信号の前で香苗と副会長が言い合いしてたんだけどあれなんなの?」


「げっ……まだしてんの?あいつら」


いくらなんでも長すぎるだろ…。


「なんか先生が来て止めてたみたいだけど。香苗の顔が真っ赤になって泣きそうだったよ。そのまま泣いてみんなの笑い者になればよかったのに」


まぁ香苗は泣き虫だからな。――っえ?


「花……最後の方なんて言った?」


なんかゲスい言葉が聞こえて来たんだけど?


「ん?何も言ってないけど?」


「そ、そうか……」


空耳か……?今日はよく空耳が聞こえる日だな。


「うん。それじゃまた後でね」


花は自分のクラスへと入っていった。


「おう。また」





1時間目の休み時間


「琴吹〜彼女さんが呼んでるぞー」


クラスメイトが言う。後ろの扉の方を見ると、香苗が立っていた。


また来たのか……。もう話すこともないだろ…。


「おい琴吹早く来いよー」


ったく……行くしかねーか……。


そう思って俺が席をたった時だった。


「星矢いる? ちょっと学校行事の話があるから生徒会室に来てくれる?」


前の扉から花が現れた。


学校行事の話……?初耳なんだが…。


「星矢少しだけでいいから……!」


香苗が叫ぶ。


「星矢時間がないから。早く来て」


花が言う。


「ちょっと花!あんたなんなの!先に私が星矢を呼んだんだけど!」


「なに香苗?そんなの関係なくない?これは生徒会としての仕事なの。なんの用があるのか知らないけど後にして」


「なっ……!」


言い返せなくなる香苗


「だから早く来て星矢」


「お、おう……。今行く……。」


俺は花の方へと向かった。


「せ、せいやぁ…………」


香苗が涙目になっていることを俺は知る余地もない。

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