表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/23

第13話

「おにぃ起きて……朝だから」


そう言って俺の体を揺らす真理。


「うぅ……もう朝か……」

「おにぃ寝癖やばすぎ。しっかりして」

呆れた顔をしつつも、手で俺の寝癖を押さえてくれた。――なんだかバカップルの朝みたいだな……。

これでも俺と真理は実の兄妹だけどな。


「朝ご飯はお母さんがサンドイッチ作ってくれてるから。早く降りてきて」

「うん。わかった」


俺がそう言うと真理は部屋を出ていった。


昨日の引き続き学校に行くのが嫌だが、ズル休みをする訳にも行かない。学校の制服に袖を通して、ズボンをはき、ベルトをしめた。


下に降りると机の上にはサンドイッチと牛乳が置かれてあった。真理もまだ食べてないうだ。


「ほらおにぃ早く来て。遅刻する」

「お、おう。すまん」


そして俺は席に座った。


「「いただきます」」


2人で手を合わせて食べ始める。ちなみにサンドイッチの具は卵だけ。シンプルだがこれが一番美味しかったりする。


食べ始めて少し経つと、真理が少しだけ顔を赤くしてこう言った。


「おにぃさ……」

「うん?どした?」

「その……今日は学校誰かと行く予定あったりするの?」

「いーや。1人だ。」

「そ、そっか。だったら私と行かない?途中までになるけど……」

「い、一緒に!?どうして?」


突然の提案に驚く俺。だって仕方ないだろ。今まで1度もこんなこと言われたことがないんだから。


「どっ、どうしてって……それは……おにぃを1人で行かせたくないから……」

ボソボソという真理。


「ごめん真理……何言ってるのか聞き取れなかった。もう1回だけいい?」

「だからっ……!おにぃ学校一人で行くの辛そうだから……!一緒に行ってあげてもいいよ……って言った。」


顔を真っ赤にしていう真理。いつもはクールぶってる真理がここまで顔を赤くしているのを見るのは初めてかもしれない。


「な、何とかいってよ……!」

「え、?あぁうんごめん。――えっと……それじゃお願いしてもいいか?」

「うん……お願いされました。」


俺がそう言うと、真理はサンドイッチを一気に口に放り込んだ。


俺も急いで食べた。俺はそのサンドイッチの味を思い出すことはできなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ