4話 安静明け
安静にしてるとめちゃくちゃ暇だよね………。
今、僕は物凄く鬱だ。
いや別に日本と同じクオリティは求めてなかったさ…………。
だけどご飯は不味いし風呂はないし、魔法の代償なのか文明の程度が遅れてるから魔法の使えない僕は物凄く不便な思いをしたし、もうちょっと頑張ろうよという感じだった。
あ〜、ヤダヤダ。
こんな状態で一週間近く安静にしてなきゃいけなかったんだから鬱にもなるよね………。
まあでもだいぶこの世界、というかクローツの生活に慣れてきた。
最初の数日は、食欲がなくなったり軽くホームシックになったり自分の汚さに発狂しかけたりしたけど、今はもう大丈夫!
いよいよ絶対安静の期間も今日で終わる。
そうしたら、真樹や柚月を始め、一緒に転移してきた人達とも話せるはずだ。
ずっと死ぬほど暇だったし、ずっと待ちわびていたから、やっとという感じだ。
はい!
おはようございます!
やっと絶対安静が解けました!
やっとミーシャ以外と話せる!
……いやね?別にミーシャが嫌なわけではないけれど、一週間毎日同じ人と喋ってるとだんだん飽きてくるじゃん?
さっさと朝食食べて話しに行くぞ〜!
…モグ…モグモグ……モグモグモグ………
はい相変わらず不味い朝食食べ終わりました!
残しはしないけどね!
それでは部屋の外にダッシュ!
…
……
………あれ?みんなの部屋どこ?
ミーシャに聞くの忘れてた…!
一回自分の部屋に帰ろ………。
……
……
……
……はい、帰ってきました…
部屋でミーシャ待つわ………
ミーシャが来ました、やっと…
何?転移者のための広間があるって?
どこだいどこだい?
…こら人を血に飢えたドラキュラに例えるんじゃない…せめて水を得た魚と言いなさい……。
ふんふん、突き当りの階段一階分降りて右に3つ目ね、おけおけ
「じゃあねミーシャ」
「まるで獲物を見つけたフェンリルのようだわ……?」
…
…
着いた着いた広間に着いた〜♪
ガチャリ「わっ」「ひっ」
そこにいたのは……
クラスメイトの紫吹と岬だった。
紫吹は物静かで頭のいい男子だ。フツメンだけど性格はイケメンだ。
岬は俗に言うところのふわふわ系な女子だ。明るい娘だ。
…なんで二人だけ?
「そんな残念そうな顔すんなよ」
「酷いよ由希くん」
…顔に出てたらしい。
「ごめんごめん」
「まあいいけど」
「それよりも一緒に話そーよ〜」
「いいぜ、ほんと安静中暇だったからもう誰かと話したくて話したくて」
「わかる〜」
「僕はそこまででもなかったけど」
「そうなの?超羨ましいわ」
「だよね〜、由希くんもそう思うでしょ〜」
「紫吹は目が覚めたの遅かったの?」
「そうそう、なんか4番目だってさ」
「へ〜、僕より遅かったんだー 僕は3番目なんだ」
「そうなの?私は最初だったらしいよ〜 誰もいないからほんと暇だったんだ〜」
「わー なんか可哀想」
「まあ話し相手はいたからそんなでもないけどね」
「いやどっちだよ (*>_<*)ノ」