3話 異世界の事情
言われてみると急に周りが異世界っぽく見える不思議
…どうやら本当に異世界転移してしまったようだ。
指の先に火を灯すだけならともかく、それを人魂のように浮遊させられたら信じるしかない。
あれで騙されていても僕は怒れないだろう。
ちなみに彼女の名はミーシャというらしい。
彼女の話によると、どうやらこの世界に転移させるときに何らかの負荷がかかるらしく、この世界に転移して来た人はほとんどの人が複雑骨折しているらしい。
なるほどー、ではあの悪夢は夢じゃなかったのかー、妙に生々しい夢だと思ったけどさー
僕らも例にもれず全員が複雑骨折しており、転移してきた後に治療がされてベッドに寝かされ今に至るというわけだ。
転移対象はランダムとのこと。
ちなみに僕は転移者の中で3番めに目が覚めたらしい。
真樹と柚月が一緒に来たのは知ってるけど、他に誰が来てるんだろう。
気になるけどミーシャにまだ安静にしとけと言われたから立ち歩けないんだよなぁ…。
召喚を行ったのは、この世界で、強大な力を持つ魔王がここクロッツに侵攻してきたかららしい。
つまりは魔王を倒すための戦力のために召喚を行ったというわけだ。
……正直テンプレ過ぎない?
さしずめ僕らは勇者というところですかね。
それで気になるのは、なぜわざわざ違う世界から転移者を招くかだ。
ミーシャの語るところによると、魔力の質が違うらしい。
なんでなのかは、クロッツを始めとした各国の研究者が調べているけれど解明されていないそうだ。
地球上ではいつも魔力が抑制,撹乱されているからとかかな?知らんけど。
その魔力だが、魔力とは、生き物の持つ可能性ではないかという学説がある、らしい。
ミーシャは難しいことを説明していたが、要は生き物がより進化するためのエネルギーだということだ。
つまり、魚が陸上で生きるため水魔法を使ったり、ペンギンが空を飛べるように風魔法を使ったり、ドラゴンがブレスを吐くために炎熱魔法や氷結魔法を使ったりということらしい。
ちなみにペンギンは(見つかって)いないが、ドラゴンはいるらしい。
いつかドラゴンとあいまみえる日も来るのでしょうか?
ドラゴン強そうだし来ないといいなぁ。
魔力といえば魔法だ。
色んな種類の魔法があるらしい。
ミーシャの見せてくれた火魔法もその一つだ。
ちなみに火魔法と炎熱魔法は別物らしい。出力が全然違うそうだ。
まあ確かに爪の先の火と炎のドラゴンブレスが同じ魔法だったら少し怖いけれども。
ちなみに魔法は手に入れると脳内に自分の声で告知が来るそうだ。
後は、異世界転移で忘れてはならないこと、この世界の言葉についても聞いた。
どうやら日本語ではないらしいが、僕には日本語に聞こえる。頭の何処かが翻訳をしてくれているのだろうか。まあとにかく言葉を新たに覚える羽目にならなくてよかった〜。
こんな具合で、目が覚めてからずっとミーシャと喋り続け、気づいたら夕方になっていた。
結局ミーシャがどんな役職なのか聞けないままミーシャは去っていった。
明日聞いてみよーっと!
情報収集は大事だもんね!